2018年2月24日 (土)

働き方改革関連法案の関連性      ~ゆうてもええかな~

 今国会で政府が法案提出を目指す働き方改革関連法案のうち、裁量労働制の対象拡大についての政府答弁が揺らいでいて、議論となっている。
 働き方改革関連法案には、労働基準法改正による残業時間の上限規制、裁量労働制対象職種の拡大、労働時間等設定改善法での勤務時間インターバル制度、パートタイム労働法などの改正による同一労働同一賃金の規定を、一括審議する関連法案として2月に閣議決定して国会に送る予定だった。国会審議で、裁量労働制の対象拡大について、首相が導入した職種の方が勤務時間が短いデータがあると、厚労省の調査結果を元に答弁したが、このデータに不自然な数値が含まれていルことが分かり、首相は答弁を撤回した。
 裁量労働制は、業務の性質上、業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある職種で、実際の労働時間に関係なく、事前に定めた時間働いたと見なされる規定で、労使協定や労働基準監督署に届け出る。研究開発職や番組、書籍の企画など、労働基準法規則などで決められた職種に適用される。この対象の拡大は、残業時間の多い人でもみなし労働時間で賃金が払われるから、経済界の要望が強い。与党は撤回したくない。労組は撤回したいから、野党側は攻撃材料ができて勢いづいている。
 一方で、関連法案では一般職種の上限規定を設け、違反には罰則を科す。猶予期間を設けて運送業、建設業、医師の残業時間を規制する。同一労働同一賃金の導入も含め、労使双方が相容れない法案を、働き方改革関連としてひとくくりにして成立を目指す。個別だともめそうな法案を同時に混ぜて飲ませようとしているようで、関連しているかどうか怪しい。
 野党の反発が必至で、与党には裁量労働制切り離し論が浮上している。都合が悪けりゃ切り離せるなら、そもそも関連させる必要は無く、ひとくくりにすることが目的のように思う。関連法案って、重要法案を通した見栄えが良くなるけど、要は多数与党のごり押しじゃないかな。
 
                           (仲)
 
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2018年2月17日 (土)

平昌五輪前半までの違和感      ~ゆうてもええかな~

 ただいま、平昌で冬季オリンピックが行われている。開幕して1週間、日程の半分を終えた。日々熱戦が繰り広げられていると思うが、報道では競技以外のところが妙に目立つ。日本にいて、日本の報道を見ているからだろうか。
 北朝鮮選手。韓国と北朝鮮のトップが、今年に入って協議し、北朝鮮選手団の派遣を決めた。スキーやスケート競技は個人種目だからエントリーするだけだが、女子アイスホッケーは南北合同チームを編成して競技に臨む。政治的思惑は別として、オリンピックに参加するチームとして準備期間が短すぎる。4年に一度の大会に向けて調整してきた他の選手には、どう映っているのだろう。開会式の選手入場は南北同時。統一旗で入場した。ホスト国韓国の国旗ではなかった。誘致から準備までの苦労はすべて韓国、開会したら南北は一つ。当事者が納得しているならいいけど、外から見ると、違和感を感じる。
 ホスト国の運営の問題も報道されている。スキージャンプの決勝が深夜に及んだ。オリンピックでは元々、アメリカの放送時間に合わせたタイムスケジュールを要求されることがあるから、運営以前の問題を割り引いて考えるべき。それより、ノロウィルスの感染が広がっていることの方が、問題が大きい。開会前から感染の話があったのに、大会期間中でも新たな患者が出ているようなのが解せぬ。
 ロシアからの選手に精彩がない。16日の時点で、金メダル無し。前回ソチオリンピックは、ホスト国なりの強化もあって、金メダルは13だった。ただし、ドーピングで2個の剥奪があり、現時点で11になっている。まだ日程が半分残っているから最終結果を待たなければならないが、ソチの前のバンクーバーは金メダル3個だった。
 オリンピックの成果って、何なんだろう。競技した選手は胸を張るべきだけど、国の思惑が見えてしまうと、違和感がある。選手本人は、もっと強く感じているかも知れないなあ。
 
                             (仲)
 
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2018年2月10日 (土)

恵方巻き廃棄と義理チョコ廃止      ~ゆうてもええかな~

 恵方巻き。コンビニエンスストアの戦略で定着した感がある。一方で、余剰分の大量廃棄の問題に焦点が当てられ、一部で不要の声が上がっている。
 節分の太巻き寿司一気食いは、もともと関西で海苔業界が冬場の需要喚起の戦略で始め、定番となったと聞いている。それが平成に入り、節分時期の需要掘り起こしでコンビニが恵方巻きとして全国展開した。コンビニ各社、スーパー、デパートなど巻き寿司を扱う店舗がこぞって売るものだから、販売数の見込みを立てるのが難しいのだろう。それに巻き寿司は、日頃そんなに量が出ないし、保存も利かない。具材を他の商品に転用できれば、工場での廃棄は減るのだろうが、不足売り切れを許さない発注元が相手なら、注文より多めに準備せざるを得ない。フランチャイズ展開で工場から仕入れる流通業態の販売では、廃棄を抑えるのは難しい。販売数予測と製造発注の読み違いは、実際に発注した部門の責任のはずで、読みが甘いのを仕入れ元の工場とか店舗が負うのは違うと思う。実際に廃棄するのは工場と店舗だけど。土用のうなぎ、クリスマスケーキはどうだろう。販売予測が確立すれば、廃棄は減るはずだ。縁起物だから欲しいという客は、予約すればいい。
 意味合いは違うが、止めようの声、もう一つ。ゴディバが義理チョコ廃止の意見広告を出したことが話題になっている。ゴディバのチョコレートは義理チョコ用に買わないだろうと思ったが、それはさておき。義理チョコ廃止論は今に始まったことではなく、会社内の虚礼廃止の一環で義理チョコ廃止とした職場もある。負担に思うなら止めればいい。止められないなら、その環境にはハラスメントの土壌が隠れている。セクハラかパワハラか。それに気づかないところに問題がある。
 出張に行ったらお土産を買ってくる。もらい物をお裾分けする。そういうことが自発的にできている環境だったら、義理チョコも負担ではないかもしれない。配る数にもよるけど。一人で百個も用意するなら、負担以外の何物でもない。
 廃止と言わず、個人の自由でいいじゃないか。気持ちを規制する世の中は窮屈だもの。
 
                               (仲)
 
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2018年2月 3日 (土)

米核戦略見直し評価の先は      ~ゆうてもええかな~

 政府は3日、トランプ米政権の核戦略見直し公表に対して、高く評価すると歓迎する河野外相談話を発表した。
 核戦略の見直しの内容を見ると、今後5~10年の核政策の指針となる核戦略見直しであって、核なき世界を目指して動いたオバマ前政権下の2010年以来、8年ぶりになる。ロシアや中国は核兵器の近代化や拡大を進め、北朝鮮の核開発が脅威になっているとし、それに対する抑止力を維持するため、潜水艦発射弾道ミサイル用に爆発力を抑えた小型の核弾頭の開発を進め、水上艦や潜水艦から発射できる新型の核巡航ミサイルの開発し、ピンポイント攻撃と機動性向上を目指す。核兵器の使用条件に、米国や同盟国などに対する核以外の重大な戦略的攻撃も含むとし、通常兵器や生物兵器への対抗の可能性を加えた。
 これを高く評価すると、外相談話で政府が持ち上げたことになる。非核団体や核軍縮支持者、被爆者から非難の声が上がるのは当然のこと。政府が逆に核抑止力に文句をつける立場なら、核兵器禁止条約論議の際にも違った対応があったはず。核の傘を容認する立場に違いは無い。
 国会の予算委員会で安倍首相が、北朝鮮の核の脅威に触れて、核抑止力を容認している。だから今回の核戦力見直しを評価したのだが、トランプ政権が見ている相手はロシアだ。ロシアの核兵器による影響力強化に対抗して、地域限定で使う核兵器で対抗することが主目的で、これを持ち上げた日本政府は、ロシアと関係にも注目しなくてはいけない。
 日ロ関係は、プーチン大統領が再選を目指す3月の大統領選まで動きようがなく、米ロ関係の対立を深めているところで、北朝鮮とロシアが接近する中、3月以降の東アジア地域の緊迫度が増す怖れがある。そういうタイミングで出てきた米核戦略見直しである。
 同盟国日本は反対できないけど、日ロ関係の打開策も考えて欲しい。東アジアでのご近所づきあいという観点で。
 
                            (仲)
 
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2018年1月27日 (土)

寒波、噴火、自然の猛威      ~ゆうてもええかな~

 この冬、数十年に一度の寒波に見舞われ、各地で大雪や低温による被害が相次いだ。関東を中心に広範囲に影響が出て、首都高閉鎖などによる配達荷物の遅延、ノーマルタイヤでのスリップによる立ち往生、鉄道やバスの遅延運休があり、気象庁は不急不要の外出を控えるよう呼びかけた。だからといって休業した企業があるという話は聞かぬ。通勤は不急不要の外出とは認められていないようだ。
 23日午前、群馬県の草津白根山で噴火が発生した。火口から数百メートルのスキー場では、ゲレンデやゴンドラ、建物に噴石が降り、一人死者が出た。半径2kmの範囲は立ち入り禁止となったが、規制区域の外にある中腹のゲレンデは営業を再開しているようだ。スキー客や温泉目当ての観光客の足が遠のいており、地元の観光業は深刻な状況となっている。
 草津白根山は、火山活動の監視が必要として、気象庁が観測態勢を敷いていたが、その場所ではない別の火口で噴火し、複数の列状の火口が見られる。水蒸気噴火の可能性が高いが、水蒸気だけでなく、マグマ由来の火山ガスが付着した噴石が見つかっており、マグマの活動が活発化している可能性があるとして、注意を呼びかけている。
 噴火予測の難しさが露呈した形で、火山性微動や地面の膨張といった活動が見られた火口を常時観測していたが、別の火口で、しかも火山性の地震などの予兆が全くなく噴火した。2014年に御嶽山で起きた噴火との共通点を指摘する声もあり、噴火した記録がない場所でも、噴火した痕跡、地質学的に形跡があれば、避難経路や自治体と国の連絡網設定が必須になる。これは政府が、御嶽山噴火を受けて2015年に義務化したことだが、整備状況はまだ3割程度にとどまっている。
 日本で過去の噴火記録が残っていたとしても、千数百年しか遡れない。科学的な観測になると、百年くらいか。寒波も、地震も、津波も、あるかもしれないと思って備える契機になれば良いと思うが、人手も金もかかることで、優先度を考えて対応するしかないのだろう。
 
                             (仲)
 
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2018年1月20日 (土)

米暫定予算の対立構造      ~ゆうてもええかな~

 トランプ政権が発足1周年を迎えた今週、大統領と議会の対立がより明確になっている。19日、連邦政府暫定予算の期限が切れるのを前に、政府はさらにつなぎ予算案を提出、下院では18日に可決したが、上院は否決し、20日から政府機関の一部が閉鎖を余儀なくされることになった。週末にかかるうちは影響が少なく、週明けまで引き続き調整が続く。
 米連邦政府予算は10月が新年度で、だからとっくに今年度に入っているが、年間予算が成立していない。特に上院は、与党共和党の議席数では可決できず、民主党の協力無しでは成立しない。政府予算案は移民対策として、メキシコ国境の壁建設予算を盛り込んでいるが、民主党は反対。代わりに、トランプ大統領が昨年9月に打ち出した、子どもの時に親に連れられて米国に来た不法移民の若者を強制退去にしない移民救済制度の廃止方針について、復活を求めているが、政府側は拒否。妥協点がないまま、暫定予算の期限が切れた。
 政府機関閉鎖の長期化は影響は大きく、つなぎ予算で妥協する可能性はあるが、対立の溝が深く、今年度予算案成立の見通しが立たない。トランプ政権はこの1年、自国第一主義を掲げて政策を打ち出してきたが、支持層である中間労働者層を優先しているとして反発もあり、民主党だけでなく共和党内部でも支持が固まっていない。ロシアゲート疑惑もあって支持率は37%と低迷している。11月には中間選挙を控えていて、政権発足後2年の実績に対する評価が明確になるわけで、ここで民主党が大きく勝利すると、政策、法案が議会を通しにくくなり、政権運営に痛手となる。
 今回のつなぎ予算案で民主党との妥協点が見いだせず、政府機関の一部閉鎖が長期化すれば、景気動向や政権運営能力の点でトランプ大統領の支持が揺らぎかねない。つぶやくだけでは法案は通せない。政権運営を補佐するべき政権高官の離職が相次いでおり、政権内にも混乱が生じている。
 外交では排他的ともとれる政策で孤立しがちで、中ロが相対的に影響力を増している。2年目にして、早くも正念場を迎えた感がある。トランプ大統領の運営手腕や、いかに。
 
                             (仲)
 
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2018年1月13日 (土)

日韓合意新方針は誰がために      ~ゆうてもええかな~

 韓国の康京和外相が9日、2015年の日韓慰安婦合意に関する新方針を発表した。昨年12月27日、外相直属の検証チームが報告した検証結果を受けて政府の立場を表明した形だ。
 公表された方針を見ると、まず、日本政府が拠出した「和解・癒やし財団」への基金10億円を韓国政府の予算で充当し、この基金の今後の処理方法は日本政府と協議する。先の日韓合意は被害当事者たちの意思を反映せず、慰安婦問題を本当に解決することはできない。合意は公式なもので、再交渉は求めないが、日本政府の自発的で心がこもった謝罪を期待する。韓国政府は、歴史問題を解決するために努力する。大まかな要旨はこうなる。
 日韓両国が公式に合意した内容だから、合意内容の変更を求めるならば、日本との再交渉が必要になるはず。今回の方針は、韓国政府が検証して決めたことだから、韓国政府が実行する内容と、今後日本と交渉して修正する点の表明、という位置づけになるはず。そういう観点で見直すと、日本政府が問題を認めて謝罪してほしい、すでに支給した拠出金分は韓国政府も同額を出して、振り替え、日本の拠出金分は協議する、と言っているから、交渉はしないけど日韓合意に基づく解決はできないと日本側に投げたとも見える。
 韓国の市民団体からは、再交渉せず合意を破棄しないことに不満があると伝わってきている。日本側は合意に基づき解決済みと抗議している。火種は消えることなくくすぶっている。
 韓国政府の立場で考えると、合意で満足しない世論が、多数派かどうかは知らないが存在していて、しかし合意に至った以上外交カードとして使えなくなった。文大統領は合意再交渉を公約として当選しており、何もしないわけに行かない。世論と外交を考慮して、間接的な要求である新方針を出したのだろう。日本は拒否するが、言いたいことを言ったわけだ。
 これも、平昌オリンピック後、動きがあるかも知れない。北朝鮮やアメリカ、中国含む東アジア情勢が緊張に向くから、今の韓国政権は緊急度の高い課題を抱えたまま。長い目で見るべきか。
                                (仲)
 
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2018年1月 6日 (土)

車は国内経済を救えるか      ~ゆうてもええかな~

 本年最初の掲載です。本年もどうぞよろしくお願いします。
 さて。朝鮮半島の方がきな臭いが、国内に目を向ける。株高で推移した年末年始だが、国内需要はどうだろう。
 日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が5日、2017年の国内新車販売台数発表した。前年より5・3%多い523万4166台で、3年ぶりに前年を上回った。新車の投入効果に加え、軽自動車が持ち直した。軽自動車は、15年の増税、16年の三菱自動車燃費不正問題で落ち込んだ分を戻した。ただし、17年秋以降は、日産・スバル不正検査問題で、月単位では前年割れが続いており、尾を引きそうだ。
 自動車産業は、部品や素材の多さから、下請け等の部品メーカーが多く関わっており、国内景気に直結する。輸出は中長期で見れば、電気自動車化の動きは避けられず、現在主力のハイブリッド車では欧州での展開は難しい。中国も電気自動車化の方針だが、海外メーカー車を受け入れるかどうかはこの先を見なければ分からない。
 電気自動車は大きく分けて充電式と燃料電池式で、どちらも航続距離を確保するための軽量化は必須。従来の自動車部品から大幅な見直しがあり得る。また、おおざっぱに言えばバッテリーとモーターとタイヤと筐体があればできる。検査など安全基準と規制があるから異業種から参入しづらい業界だが、電機メーカーがフォローできる分野はありそうだ。
 パリ協定以降、自動車は外圧にさらされる。産業構造が変わるだろうが、変化があるところにはチャンスがある。乗り遅れると、ガラケーと同じ轍を踏む。
 そもそも、電気自動車の電気供給をどうするか、という問題はあるけど。充電式なら、発電所の需要も出てくるだろう。国内需要の下支えを任せるには、まだまだ、時間も技術開発力も必要だけど、確実に需要がある分野だから、期待したい。
 
                            (仲)
 
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2017年12月23日 (土)

大飯原発廃炉の企業判断と政策      ~ゆうてもええかな~

 関西電力は22日、2019年に運転期限の40年を迎える大飯原発1、2号機の廃炉を決め、地元や国に報告した。18年に解体する計画を原子力規制委員会に出し、作業は30年ほどかかる見通しだ。
 まず、企業側の観点から考えたい。原発だけでなく、企業が持つ設備、公共インフラにも共通する内容がある。
 原発は、福島第一原発の原子炉事故以来、規制が非常に厳しくなった。事故が起これば規制が厳しくなる。水俣病などの公害問題や、震災後の建築基準、廃棄物処理など、規制は厳しくなる一方。国際的には、環境問題が横たわる。二酸化炭素排出に関わるパリ協定は、今後の施設設備やエネルギー政策の改善を訴える。住民の安全と健康を守るという観点から、異論は出ないだろう。
 企業は、厳しくなる規制に適合させるために、設備改善を考える。補修、改造、廃止、新規建設を含めて、コストと作業期間を検討して対応する。規制違反の状態で続けることは、コンプライアンス重視の昨今では通用しない。明るみに出れば叩かれる。
 大飯原発1、2号機廃炉は、コストをかけて規制をクリアしても、コスト回収の見込みが立たないと判断したから。企業判断としては真っ当で、他の40年を超える原発で同じような判断が出ても不思議ではない。原発に限らず、プラントや設備を抱える企業や、建設後40年50年経過して老朽化するインフラも、補修か更新かの判断が迫られる。
 政策面では、エネルギー政策は直近の課題で、2030年度に原発発電20%を目指しているが、新基準対応コストは企業持ち。なら、廃炉判断も企業判断であって、政府が旗振って原発再開を目指すには限界がある。一方で二酸化炭素排出抑制は原発頼み。新しい案が出てこない。
 老朽化公共インフラの補修整備は政治の責任だが、災害対策でどこまでカバーできるか、見守るしかあるまい。
 
 今年の本欄更新は今週分までとさせていただきます。年明けは1月6日頃再開の予定です。
 
                             (仲)
 
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2017年12月16日 (土)

伊方原発運転差し止めで示した判断      ~ゆうてもええかな~

 13日、広島高裁で、四国電力伊方原発3号機運転差し止めの仮処分を広島市と松山市の住民が求めた抗告審で、広島地裁の決定を覆し、運転を禁じる決定をした。伊方原発3号機は今年10月から定期検査のため停止中で、来年1月再稼働を予定していた。仮処分は即時に効力が発生する。今回の決定に対し、四国電力は広島高裁に保全異議申し立てと仮処分の執行停止の申し立てをする方針で、これで執行停止が認められない場合、決定に従い、来年9月30日まで運転できない。期限付きなのは、同時に広島地裁で運転差し止めの訴訟について審理が続いており、異なる判断が出る可能性を考慮したものだ。
 今回の広島高裁が示した判断で、主なポイントが3点ある。一つは、高裁で運転差し止めの決定をした初めての案件であること。東日本大震災以降、福井地裁と大津地裁で差し止めの判断がされたが、いずれも高裁での抗告審では認めなかった。
 二つ目は、火山の影響を重く見たこと。原発の立地が安全であることを立証するのは四国電力の責務であって、原子力規制委員会の適合判定に不合理がないことで立証の代替とできるとした上で、9万年前の阿蘇噴火の際、火砕流が伊方原発敷地内に到達していた可能性は低い確証がないとして、原子力規制委員会の適合判断は不合理とした。今まで、地震や津波の影響に関して審理されてきたケースが大半で、火山の影響をを指摘して運転を差し止めたのは初めて。火山、というより、原発立地にあらゆる災害を想定して検討する立場は妥当だと思う。
 三つ目は、原発立地から100キロ離れた広島市を、原子力災害が及ぶ地域と認定したこと。単純な距離ではなく、災害が及ぶかどうかで判定されている。
 地震と津波の影響に関しては、原子力規制委員会の適合判断は妥当としている。検証の精度が上がれば、異なる判断が出てくるのだろうが、可能性が低い確証がないときは安全でないと推定する考え方は、地震国火山国日本では必要だろう。天災、人災含めて。
 
                            (仲)
 
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