2018年12月15日 (土)

消費税増税前のあの手この手      ~ゆうてもええかな~

 自民、公明両党は14日、2019年度与党税制改正大綱を正式に決定した。来年10月の消費増税の対策として、自動車や住宅に関する減税を実施することを柱に据えている。
 消費税増税を来年10月と明記する一方、自動車関連は、自動車税を減税する。一方で現行のエコカー減税を大幅に縮小する。住宅関係では、ローン残高に応じて所得税などを安くする控除期間を10年間から13年間に延長する。また、消費増税に伴い導入する軽減税率分を、所得税やたばこ税の増税などで補う。シングルマザーなど未婚のひとり親の住民税軽減措置を盛り込む。
 地方法人課税の地域格差是正として、大都市圏から地方への再配分を上積みする。東京都などは税収減となり、その分は国が地方交付税交付金の原資とする。
 トータルで見るなら、税制だけでなく歳出も合わせて考える必要がある。政府は14日、2020年度までの3年間に講じる総事業費約7兆円規模の国土強靱化緊急対策を決定した。国費約3.6兆円を投入し、羽田空港、関西空港などの浸水対策や約120河川の堤防強化などを進める。防災対策だが、公共工事をやるわけで、即ち景気対策も含まれる。
 こうして見ると、消費税増税に向けた産業界への対策、地方への対策てんこ盛りで、実効が有るか無いかに関わらず、来年の統一地方選と参院選を戦うためのアピール材料作りの側面が色濃く出ている。消費増税はあるが、減税と公共事業の費用は明示されておらず、財政再建は後回しになっている。具体的に見れば、防災はやってもらう必要があるが、与党税制大綱に盛り込まれた負担軽減内容で恩恵を受けるのは、個人レベルだと自動車や住宅を買う人が主で、買う予定がない人には、消費税増税の負担がのしかかる。
 将来的な社会保障を見据えての増税なのだが、導入時のインパクト回避で恩恵を受けるのは企業が主。産業界の要請を組み込んだ減税だけど、消費者としては、その分給料が増えないと、消費税増税分はマイナス。家計の健全化には、買い控え以外の手段を思いつかない。これ、実感。
                             (仲)
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2018年12月 8日 (土)

急ぐのは入管法改正だけでなく      ~ゆうてもええかな~

 外国人労働者の受け入れ拡大に向けた改正出入国管理法が、8日未明の参院本会議で採決され、賛成多数で可決、成立した。来年4月1日に施行される。
 以前この欄で、具体案を後出しで4月施行というのは無理があるのでは、と書いた。詳細は今後政省令で定めるとなっているから、現時点で、海外からの労働者の待遇は決まっていない。短期低賃金労働力が欲しいのか、戦力育成を目指すのかは、個々の企業の判断によるし、待遇は受け入れる企業のコンプライアンス、統制にゆだねることになる。国の成長戦略になり得るか、成立した今でも判別できない。経済界はおおむね歓迎のようだが。
 現在の臨時国会で、他にも経済界寄りの法改正が行われている。改正水道法が6日の衆院本会議で採決され、賛成多数で可決、成立した。これは経営悪化が懸念される水道事業の基盤強化が主な目的で、ポイントは民間参入。自治体が公共施設や設備の所有権を持ったまま運営権を長期間、民間に売却できる。自治体の負担は軽減されるが、赤字になると水道料金値上げや水質悪化のリスクがある。
 改正漁業法が8日未明の参院本会議で賛成多数で可決され、成立した。運用の仕組みなどを定め、公布から2年以内に施行する。ポイントは、船ごとに漁獲量を割り当てる資源管理の導入と、養殖・定置網の二つの漁業権の地元優先枠撤廃。民間企業が養殖業などに参入しやすくする。これも成長戦略、規制緩和の一環と位置づけているが、漁業は水質を含む環境と密接につながっている。地元の環境対策に取り組む姿勢が参入企業に求められる。
 これら法改正は、企業向けではあるが、政権の本音は参院選対策で、来年10月の消費税増税で失う支持を引き戻すためだから、来年の通常国会では遅い。臨時国会閉会前に成立させるために採決を急いだ。目先の選挙対策でしかない。
 労働力も、水道事業も、水産資源も、持続性が重要。そこを国会は審議できただろうか。
                             (仲)
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2018年12月 1日 (土)

元徴用工判決で課題を背負ったのは      ~ゆうてもええかな~

 第二次大戦中に徴用された韓国人の元徴用工らが三菱重工業に損害賠償を求めた2件の訴訟の上告審で、韓国の最高裁に当たる大法院は29日、三菱重工業の上告を棄却し、死亡した5人を含む原告10人に損害賠償を命じる判決を言い渡した。大法院は10月30日、元徴用工の賠償請求訴訟で、新日鉄住金に賠償を命じる判決を確定させている。
 日本政府は1965年の日韓請求権協定で解決したとの立場で反応している。韓国政府は、判決を尊重するとしつつも対応策を急ぐ方針だ。司法判断に反することはできない。新日鉄住金と三菱重工業と原告が和解できなければ、韓国内の資産を差し押さえて強制執行に及ぶ可能性がある。同様の訴訟の審理が進んでおり、この2例が判例となるため損害賠償を認める判断が続くとみられる。被告敗訴、強制執行があとの訴訟でも続けば、70社に及ぶ被告法人の韓国内での経済活動が成り立たない。それを回避するための対応策を、資産差押になる前に考えなければならない。
 司法判断についてここでは論じない。論じるに足る法的知識も外交的知識も無い。
 とにかく、審判は下った。この事実は変えられない。ただ、経済面と外交面で見るならば、これは政治課題である。日本側は韓国政府の対応を求めるため強気の圧力をかけている。元慰安婦関連財団解散が決定して基金拠出が受け入れられない現状で、対応案を出すのが難しい。
 韓国政府はというと、これも対応に困っているように見える。韓国政府側からのコメントが、判決を尊重する、対策を検討する、としか伝わってこないから。韓国政府が単独で対応することは国民が納得せず、日本政府と被告企業が何らかの形で関わることを望むはず。ただ、企業側が韓国から撤退して経済にダメージを負うことはしたくない。韓国経済は文在寅政権の最低賃金上昇政策の影響で企業収益が落ち、景気が下降傾向にある。日韓関係が冷え込んで景気悪化に追い打ちをかけることはしたくない。
 ここは改めて知恵と政治判断が、日韓両政府の課題だ。どちらかでなく、両政府の課題である。
                             (仲)
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2018年11月24日 (土)

大阪万博で何を見せる      ~ゆうてもええかな~

 日本時間で24日未明、博覧会国際事務局の総会で、2025年の国際博覧会を大阪で開催することが決まった。加盟170国の代表による2回の投票で、日本がロシアとアゼルバイジャンを抑えた。大阪での万博は1970年以来55年ぶり、日本開催の万博は2005年の愛知万博以来20年ぶりとなる。
 誘致活動をした方々は喜び、1970年の万博での盛況ぶりを思い起こして、夢を再び実現すると歓迎ムードに包まれている。2020年の東京五輪以降の景気落ち込みを危惧する経済界にとっては、さらに5年の投資目標ができたことは救いだろう。
 せっかくの大イベントなので、水を差すつもりはさらさら無いが、前回の夢を見ている間は成功しないと思う。高度経済成長時代の万博は、技術の進歩を見せるだけで日本中がわいた。高いレベルの経済成長が見込めない今、何を見せれば世界中の期待が集まるのだろう。
 博覧会国際事務局は、今後の万博に問題解決型の万博を提唱している。技術開発や経済成長で生じた環境問題や貧困の問題など、多くの課題を解決へと導く技術の提示を求められている。大阪の万博誘致プレゼンテーションでも、いのち輝く未来社会のデザインをテーマに掲げ、持続可能な開発目標を後押しし、技術を持ち寄る実験場と位置づけている。
 大阪湾の人工島を会場として、世界から技術を持ち寄る。そこには大規模開発や巨大なシンボルタワーは不要。会場そのものが開発目標を持って、跡地が利用できる姿を見せることが重要だろう。一時のお祭り騒ぎにしてしまったら、問題解決型万博の開催国として恥ずかしい姿をさらけ出すことになる。
 あと、7年しかない。国によって抱える課題は異なるし、何を見せるか、コンセプトを明確にして課題の解決技術を集める。訪日客を集めるには、技術のアピールの仕方が重要になる。
 万博を開催すれば人が来る。そんな時代ではないし、来ても一時しのぎでしかないのだから。
                              (仲)
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2018年11月17日 (土)

キログラムの定義が変わるとはいえ      ~ゆうてもええかな~

 16日、フランスで開かれた国際度量衡総会で、キログラム、アンペア、モル、ケルビンの四つの単位の定義を改定する案が可決された。新しい定義は来年5月から導入される。
 重さ、長さ、電流、時間など、生活するために測る場合、使う人が納得すればそれで通用する。日本で尺貫法を使っていたように、それぞれの地域で必要で検証しやすい方法を使うのが便利である。ただ、地域によって単位が違うと、換算が必要で不便だ。メートルをフィートに換算したり、キログラムをポンドにしたり。
 それでは技術や学問の世界では困るというので、国際単位を統一している。質量はキログラム、長さはメートル。1960年に国際度量衡総会で決められた。SI単位という。
 フランスでは130年ほど前に、キログラムの定義を決めている。白金イリジウム合金製の国際キログラム原器の質量を1キログラムとし、原器はフランスで厳重管理し、厳密に同じ重さの複製を各国に配って管理していた。ところが最近、国際キログラム原器が経年でマイクログラムのレベルで重量が変わっていることが分かり、改定案が提示された。
 改定案では、プランク定数を基に定めるとし、これが今回採用されて新しい定義になった。プランク定数は量子力学のエネルギーの単位と結びつく定数である。なぜ質量の単位にエネルギー関係の定数が使われるかは、質量はエネルギーに換算できるとする量子力学の世界の話で、説明できる知識が無いので省くが、ポイントは、地球上で設備があれば測定できることである。
 とはいえ、普段の生活には何ら影響は無い。店で買う肉の重さが0.1グラム違っていても困らない。その重さを量る天秤を校正する機器とか、測定技術とか測定機器の規格を決める人たちがきっちり把握していなければならない、そのレベルでの影響でしかない。
 ただ、130年でここまで精密に測る技術が必要になった、その技術の変化が激しいと感じる。21世紀の常識は、22世紀では役に立たないかも知れない。生活には影響ないだろうけど。
                             (仲)
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2018年11月10日 (土)

中間選挙でトランプ氏は勝ったのか      ~ゆうてもええかな~

 6日、アメリカ上下両院議員選挙の投票が行われた。結果は下院は野党民主党が過半数に達した。上院では与党共和党が非改選の42議席と今回改選の9議席で合計51議席で、過半数を確保した。上院と下院で過半数の政党が異なるねじれ状態となった。
 トランプ大統領は、投票前は自身への信任投票だとして精力的に遊説をこなした。そして開票結果を受け、勝利したとツイートした他、記者会見でも完全勝利と発言した。下院で過半数を取られたのに強気の発言が続くトランプ大統領だが、実際にご本人は良い結果だったと捉えているようだ。即ち、必要な結果は確保した。
 まず、上院で過半数を取ったこと。改選数プラス補選で35議席の当選数は民主党の方が多いが、非改選の42議席と合わせて過半数を確保できた。下院で民主党が勝つことはやむを得ない情勢で、上下両院で民主党が上回ること、議会対大統領の対決構図になることは避け、ねじれ状態でとどめた結果となった。
 そして、同日行われた35の州知事選挙で、重要と位置づけたフロリダ州とオハイオ州知事選を共和党が取った。全体数の多寡ではなく、トランプ大統領は大統領選激戦区を共和党が取ることが必要だった。これは再来年の大統領選挙再選をにらんでのことである。
 全体として、トランプ大統領の支持層である白人中間所得者層の支持を固めたこと。アメリカ国内の分断がさらに鮮明化し、自身の支持層の信任を得た得たことで、トランプ大統領は再選の足固めを確認した。共和党は勝ち負け入り交じるが、トランプ大統領は欲しい結果を多く得た。
 議会のねじれで国内政治、財務政策が滞る分は、大統領権限で行える範囲、主に外交で成果を上げて国内雇用を守る方向で補えばいい。米中関係は落としどころを探る作業に移るかも知れないし、これから通商交渉が始まる日米は、要求が厳しくなる可能性が高い。アメリカの自国第一主義はこれからも続く結果だったのではないか。
                              (仲)
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2018年11月 3日 (土)

外国人就労拡大を5ヶ月で      ~ゆうてもええかな~

 政府は2日、出入国管理法の改正案を閣議決定し、衆院に提出した。早ければ来週審議入りし、臨時国会での成立、来年4月1日施行を目指す。
 現行法では、外国人の就労資格は医師や弁護士などの高度な専門人材としていたが、改正案では単純労働にも広げる。外国人労働者受け入れの政策転換で、経済界の人手不足解消への要望を短期間で応えるための法案に見える。単純労働分野に就く外国人の在留資格に、特定技能が必要な業務に就く特定技能1号と、熟練した技能を有する特定技能2号を新設する。特定技能1号資格は最長5年の在留期間が認められ、特定技能2号の資格は在留期間の更新が可能で、配偶者や子どもも日本に住むことができるとしている。
 外国人が就労するにあたっての受け入れ体制とか、コミュニケーションの問題があって不安視する声があるが、技能実習生や留学生の就労実態をどう評価するかで議論が分かれる。問題は、実質的な移民政策になるとの懸念が出ていることに対して、閣議決定された法案では是とも否とも判断できないのに、5ヶ月後の4月1日施行を目指すというところにある。
 法案では、在留資格を新設するが、受け入れ業種や人数は明記せず、省令で定めるとある。法務大臣は法案審議に資するよう説明したいとしている。就労支援計画を含めた具体的な情報を法務大臣が出す省令に任せている。即ち、法改正の国会審議後に決まるということで、詳細は後出し。人手が足りないから臨時国会で外国人就労を認めろと国会に法案を出しておいて、どの業種で足りないからこの法案を出したかの説明が後回しなのは、来年4月1日に受け入れ拡大するという結論ありきの枠組みではないのか。なぜ来年4月からなのかという説明もない。
 これでは賛成も反対もできないじゃないか。なんとなく、地方の人手不足、特に被災地の人手を確保しないと地方経済が立ちゆかないから、来年の参院選までに仕組みを作りたいのだろうと想像できるけど。具体案後出しで5ヶ月後に施行というのは、無理があるんじゃないかなあ。
                              (仲)
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2018年10月27日 (土)

日中関係改善の幻影      ~ゆうてもええかな~

 安倍首相が25日から中国を公式訪問し、李克強首相、習近平主席と相次いで会談した。日中関係改善を両国とも内外にアピールした形だが、成果はあったのだろうか。
 安倍首相は、第二次内閣発足から6年近く経過し、アベノミクスで景気回復を図ったものの成長戦略が進展せず息切れ状態で、長期政権を担った首相としての実績が欲しいところ。冷え切った日中関係改善を進めたいし、懸案が解決したいところだ。ただ、外交面での立場は微妙で、米中貿易戦争のさなか、日中関係が親密になれば、トランプ大統領の攻撃の的になろう。かといって、米中対立が長引いて中国経済が悪化すると、日本経済のダメージも大きい。
 習近平主席側は、米中貿易戦争で妥協できない。しばらくは高関税でアメリカ向けの輸出が厳しい状況が続く。物が売れないから工場を止めると経済成長が停滞する。だから売り先を探したい。日本と協力することで、日本への輸出もさることながら、日本の技術、海外進出のノウハウを使ってアジアに販路を広げたい。『一帯一路』構想で他国に資金を貸し付けてインフラ整備を進めているが、貸付金の返済ができない場合に中国の管理下に置くことを求めたり、中国の覇権を広げる目的だとの批判が出ている。日本が協力するとなれば、批判をかわせる。ただ、中国が日本に求める協力は、資金援助と技術の提供。構想自体に口を出させるつもりは無いはず。
 だから今回の首脳会談では、経済、ビジネスの案件しか進展していない。東シナ海支配、南シナ海海洋進出の問題、歴史問題など、経済以外の懸案はまったく進んでいない。いや、中国は歩み寄りたくない案件だろう。
 米中関係が冷え込んだ状態で中国の経済政策維持のための日中首脳会談だから、日中関係の改善は一時の幻に過ぎないかもしれない。経済問題だけに、中東情勢に伴う原油高、世界経済停滞のリスクが顕在化した時点でころっと変わってしまう。安倍首相の舵取りが難しい局面で、当面はアメリカ中間選挙後の情勢を見ながら調整することになるだろう。
                            (仲)
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2018年10月20日 (土)

免震機器検査改ざん、業界の代償      ~ゆうてもええかな~

 油圧機器KYBと製造子会社が、免震・制振オイルダンパーの検査データを改ざんし、本来合格では無いオイルダンパーが出荷されていたことが分かった。KYBは19日、国土交通省の基準や顧客の性能基準に合わない装置が使われた疑いのある物件が1095件あることを公表した。具体的な建築物の名称は持ち主の了解を得る必要があるため、開示は70件に留まっているが、了解が取れ次第順次公表するという。
 免震装置は、建物の地下で建物の揺れを吸収する目的で設置されていて、点検や交換のために人が近づくことが容易だ。制振ダンパーの方は、建物の骨組みを支える形で組み込まれていて、壁と一体化している場合、交換が容易ではない。最悪、壁をはがしての工事になる。現在、建築業界は人手や資材の不足が深刻で、代替品の生産が追いつかず、全交換には2年以上かかるとされる。
 建物の持ち主や住人が怒るのはもっともだし、国の基準を満たさないもの、顧客要求を満たさないものを出荷した疑いに関して同情の余地は無い。その上で、業界全体のリスク管理という観点から見てみたい。
 KYBは国内シェア45%の大手である。その大手でも、生産計画を維持するために検査結果を改ざんした。不適合品の出荷を止めれば、欠品、納期遅延になり、建築物の完成にも遅れが生じるだろう。需要に対して供給が不足していることは容易に想像できる。納入先、そしてその先の建設業者、施工主が納期遅延のリスクへの対応を考慮していただろうか。
 部品メーカーから加工業者を経て完成品をユーザーに納めるまでの一連の流れ、サプライチェーンでリスクを考える。建設業界は、発注から引き渡しまでの期間が長く、部品や材料での納期遅延で後々の建築日程に影響する。そのリスク、誰が引き受けるのか。たいてい、立場の弱いところにリスクが集中する。その結果が今回の改ざんだとすれば、建設業界は信頼失墜という代償を負う。
 業界全体でリスク管理を考えないと、東京五輪後にいろんな不具合が吹き出すんじゃないかな。
                              (仲)
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2018年10月13日 (土)

アメリカ株安は来週もみ合いか      ~ゆうてもええかな~

 10日の米国株急落に端を発した世界同時株安は、12日の反発でいったん落ち着きを取り戻すかに見える。年初からの経緯だと、期待値で上がっていた分が戻った感はあるが、いい状況と悪い状況と様子見の状況が入り交じり、来週は荒い展開になる可能性がある。
 アメリカで急激な株安が進行すると、全世界の市場に波及する。日本も巻き込まれたが、大企業の景況で極端に下がる要因は無い。アメリカの投資家がどう動くかで左右される怖れがある。
 そもそも、アメリカの景気は堅調だ。良くも悪くもトランプ政権の保護政策と減税で、好調を維持し、失業者率は低下している。9月の物価上昇率が予想より低く、金利上昇気配が和らいだ。物価が上がる、インフレになると、中央銀行は金利を上げて市場のドルの流通を引き締める。金利が上がると、投資家は資金を株から預金へ移す。また、貸出金利が上がるから、企業は融資を受けづらくなる。これらの先を見越した投資家が、株を売ったのが今週の株安につながった。
 株を売る背景には、トランプ政権の通商政策、貿易戦争への警戒と、減税効果がなくなる来年の業績先読みの心理が働いているようだ。今はアメリカの景気は堅調だが、来年はどうだろうか、と。トランプ政権は11月の中間選挙に向けて、株高や失業率などの経済政策の成果を維持するため、短期的な動きしか見えない。中央銀行の利上げ政策を攻撃したり、日米通商交渉に向けて円安誘導を許さない条項を入れようというのもその一環だろう。
 来週、9月期の企業決算発表が本格化する。その数値を見て、あるいは利上げ政策の動向を見て、利益確保の動きが出るかどうか。景気はいいが、金利上昇は株式市場には悪い。来週の展開は要注意。アメリカが株安になると、日本もいったん下がり、年末から来年の景気に影響する。
 米中貿易戦争の影響が実際に出るのは、来年以降。先々のリスクではあるが、アメリカへの輸出が低調になると、中国経済が減速する危険をはらんでいる。これも全世界の経済に波及する。ただ、米中双方、引くに引けない貿易摩擦になっているから、大きなリスクであることは確かだ。
                                 (仲)
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