2017年7月22日 (土)

福島第一原発廃炉の道険し      ~ゆうてもええかな~

 東京電力は21日から、福島第一原発3号機の原子炉内部のロボットによる調査を行った。原子炉格納容器で画像を撮影した結果、もともと核燃料が納められていた圧力容器の底から、高熱で熔け出した核燃料が容器と混ざり合った状態で垂れ下がっている様子や、落下した構造物にこびりついている様子が確認された。東京電力は、これは核燃料が溶融したデブリの可能性が高いとし、デブリそのものを画像で確認したのは初めてと発表した。
 1月の福島第一原発2号機のロボットによる調査で、デブリの痕跡は見つけていたが、確認に至らなかった。2号機は核燃料の一部が圧力容器にとどまっているとみられていて、実際に今回の映像で、2号機より3号機の方が破損状況が激しいことが明らかになった。
 デブリ、すなわち核燃料が溶融したものかどうかを確認するには、そこから出る放射線を測れば分かる。でも、今はできない。内部の放射線量が高すぎて測定できない。人が入れるレベルではないし、遠隔操作しかないが、電子機器を積んだロボットも、短時間しか活動できない。半導体チップが高い放射線で壊れるからだ。だから今年に入って、のぞき見程度の画像確認を、各原子炉で順番に進めている状況だ。
 核燃料デブリを片付けないと、廃炉できない。まだ、存在を確認しただけで、どこに、どれくらいデブリがあるか把握しないと、除去作業に移れない。東電と国は、来年工法を決めて2021年には取り出しに着手する計画だが、具体的な手順は未知の領域だ。そもそも、原子炉格納容器は密閉空間では無い。冷却水は建屋地下に漏れ出している。水は放射線を遮蔽する効果があり、冷却水が無くなったら、原子炉内部の放射線量が上がり、作業が難しくなる。
 放射性物質が拡散しないように、慎重に、記録を取りながら進めてほしい。世界で初めて、圧力容器外の核燃料除去例になるのだから。情報公開は重要ですぞ。
 
                            (仲)
 
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2017年7月15日 (土)

閉会中審査の効果      ~ゆうてもええかな~

 安倍首相は13日、加計学園問題を巡る国会での閉会中審議に応じ、自ら出席して説明する意向を自民党国対委員長に伝えた。与野党で日程を調整する。
 今まで必要ないとの姿勢だったが、一転して首相出席を決めたのは、支持率が下がっているからに他ならない。第二次安倍政権はアベノミクスを背景に高い支持率を維持してきたが、ここへ来て、一部報道では支持率30%を割り込むほど急落していて、首相周辺が危機感を抱いている現れとみることができる。
 加計学園問題について、閉会中審査での集中審議を国会でやったからといって、疑惑が解明するとは思えない。設定した時間で、野党が政府の関与があったと主張し、政府は否定することを繰り返して終わるだけだろう。
 首相サイドの予定は、9月とみられる臨時国会で憲法改正論議をねじ込むために、今までのダメージを払拭したい。そこで8月、内閣改造と党役員人事で態勢を固め、1ヶ月の準備期間をとって臨時国会に臨む。それまでに支持率対策で、加計学園問題の説明する姿を見せよう。そういう意図が透けて見える。
 支持率低下の直接原因は、加計学園問題だけでなく、共謀罪での強行採決、二回生議員の失態など、自民党に緩みが出たところに、都議選で小池新党が反自民票を引き受けて大勝したことで、自民一強の印象が一変したところにある。それ以前、トランプ大統領当選のあたりから、保護主義台頭による日本経済の先行き不安がわき上がり、アベノミクスで支持を維持してきた安倍政権の基盤が盤石ともいえない状況があった。
 閉会中審査に応じてダメージを払拭したい安倍政権だが、効果のほどは期待薄。逆に野党が安倍政権を追求できる材料があるという情報も無く、こちらの効果も期待薄、かな。
 
                            (仲)
 
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2017年7月 8日 (土)

九州豪雨災害      ~ゆうてもええかな~

 5日から福岡と大分の広い範囲で、記録的な大雨が降り、死者16名、安否確認が取れていない方もまだおられ、交通が寸断されて孤立した地域も未だにある。8日の時点で梅雨前線が西日本の上空にあり、そこに南海上からの湿った空気が入り込みやすくなっていて、9日にかけて九州から西日本の広い範囲で大雨への警戒が必要な状態だ。
 4日、台風3号が長崎に上陸し、足早に東へ駆け抜けた。その影響があるかどうか分からないが、その後、福岡からと有明海の二方向から湿った風が吹いて合流し、上昇気流となって積乱雲を発達させた。悪いことに、湿った空気が止まらず、積乱雲が同じ場所で発生し続けたため、大雨の範囲が移動せず、東へと線状に雨雲がかかり続けた。
 地形的に特別な条件があったわけではなく、梅雨前線の位置、太平洋高気圧の縁を回って南海上の湿った空気が入り込んでくるからその風向き、海面の水温といった条件が重なれば、どこで記録的な豪雨が降ってもおかしくない。
 中国南部でも記録的な大雨で災害が起きているようなので、当面は天気予報をこまめに確認し、雨が降るときは大雨に警戒するしかない。
 今回の九州地区の豪雨災害では、崖崩れなど土砂災害で孤立したケース、大雨で濁流に足を取られて流されたケースが目立つ。平地でも、河川の氾濫で洪水被害が起こる可能性がある。
 ゲリラ豪雨という呼び方が定着して久しい。ごく狭い範囲でも、平地でも、条件がそろってしまえば豪雨災害が起こりえる。
 地震、台風、豪雨。自然災害が、想定の規模を超える、あるいは予想していなかった場所で発生し甚大な被害につながるケースを多々見てきた。今回の豪雨被害の地域は、昨年の熊本地震の被災地と重なるところがある。陳腐だが、日頃の備えは充分か、見直すしかないのではないか。
 
                           (仲)
 
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2017年7月 1日 (土)

自民逆風の都議選      ~ゆうてもええかな~

 明日2日は、東京都議会議員選挙の投開票日。小池知事就任後初であり、小池知事率いる地域政党が選挙に臨む。そして、安倍首相再登板以降順調だった自民党が、久々に逆風の中で戦う大型選挙となった。
 争点は、築地市場移転問題を始め、小池知事の施政に対する選挙民の判断が中心だったはずだが、報道で聞こえてくるのは、森友学園問題に続いて、加計学園問題。その処理でもたもたしているところへ、稲田防衛大臣の応援演説での発言である。
 都議選候補の応援演説で、防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたいという内容の発言をした。自民党としてお願いするのはかまわないが、防衛省や自衛隊を持ち出してはいけない。自衛隊の駐屯地近くの選挙区だから地域との関係を、という意図があったとされるが、武器を持つ国家の組織は政治的に中立でなければならない。もちろん、自衛隊員が国民の権利として選挙で投票することは保証される。でも、自衛隊は自衛隊法で投票以外の政治的行為を制限されている。30日の記者会見で発言を撤回したが、投票日は間近である。
 この夏に、安倍首相は内閣改造を考えているという。秋に招集される臨時国会へ向けて、加計学園問題を引きずらないように、人気回復を見込める大物の入閣を目指しているようだ。具体的には橋下徹氏や小泉進次郎議員の名が上がっている一方、更迭の可能性がある閣僚も取りざたされている。明日投開票の都議選での結果次第では、安倍政権に追い打ちのダメージを与え、支持率低下を招く事態になれば、改造内閣人事に当然、影響が出てくる。1千万人を超える有権者の判断が示される。都議選、地方議会選挙だと切り捨てられない。
 自民への逆風は、報道を見る限り、弱まる気配はない。せめて景気が良けりゃ強いのだろうが、経済の先行きは読めない。政権基盤のヒビが見えるようだ。
 
                            (仲)
 
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2017年6月24日 (土)

半導体事業の前途      ~ゆうてもええかな~

 東芝は21日、子会社化した東芝メモリの売却について、日米韓連合と優先的な交渉に入ることを発表した。経済産業省が主導している連合で、日本が約67%の議決権を持つ。工場共同運営企業であるアメリカのウェスティン・デジタルの反発と、各国の独占禁止法にあたる競争法審査があるため、まだ決定できず、来年3月の期限までの売却を決めたい東芝は交渉を急ぎたい考えだ。東芝は昨年度債務超過で8月に東証二部降格が決まっており、今年度も債務超過が続くと、上場廃止になる。
 東芝メモリの売却先がすんなり決まらないのは、半導体事業が重要なコンテンツになっているからだ。今、半導体関連の産業は上昇傾向にある。
 理由は簡単で、半導体を使うメモリなどの部品の使い道が広がっているからだ。例えば、自動車。自動運転の技術が進んで、自動停止装置や自動駐車機能を組み込んだ自動車が市販されている。センサーで感知し、ブレーキやハンドル、駆動系にデータを送って作動させる。データの演算に半導体チップは不可欠だ。
 この、データ処理のところでインターネットにつなぐ技術が、IoT(Internet of Things)。センサーで感知したデータをインターネットのサーバで処理して、表示や機器作動をさせる。これすべてIoTの範疇に入る。家電の遠隔操作や自宅の見守り、交通機関の遅れ表示、ハウス栽培の環境調整。医療機器を自宅、あるいは身体に装着して健康状態を監視、危険を予防するといった技術など、用途開発が幅広く、半導体製造やその製造機器、クリーンルームなどの設備投資が伸びている。
 半導体事業は、需要がある。だから東芝メモリに買い手がつく。売らなきゃ上場廃止に追い込まれた東芝は、売却先を決めても、売却できるかまだ分からない。難しい舵取りが続く。
 
                             (仲)
 
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2017年6月17日 (土)

共謀罪採決の焦り      ~ゆうてもええかな~

 報道で言う共謀罪、テロ等準備罪を新設する組織犯罪処罰法改正案が15日朝、参院本会議で可決、成立した。衆院で可決、参院に送られて、法務委員会で委員会審議が始まったのが5月29日。14日には、委員会での採決を省略して直接本会議で採決する方針を自民公明両党が野党に示した。参院法務委員会での審議は、2週間とちょっと。審議時間にして18時間くらいである。
 委員会での採決省略は、国会法に規定がある。衆院参院が、委員会審議中の法案について、委員長もしくは理事に本会議で中間報告をさせることができる。その後、委員会採決までの期限を設けて付託するか、あるいは中間報告について本会議で審議し採決する。
 この規定の意図は、急を要する法案を委員長が採決を先延ばしした場合、本会議で審議することを想定しているようだ、与党の法案に反対する野党の委員長が採決をしなかった場合がそれに当たる。
 また、過去、臓器移植法案の審議で、脳死を人の死と認定するかどうかの審議となったとき、各党は党議拘束をかけず、各議員の判断に任せた。その場合、少数の委員会審議ではなく本会議で議員全員審議となった。このときは与野党合意の上での中間報告手続きだった。
 今回の組織犯罪処罰法改正案審議は、時間的にも内容的にも、急を要する法案ではないし、審議に影響がある引き延ばしがあったとも思えない。会期末が18日。成立を図るなら会期を延長して審議するのがスジだ。延長せずに法案を成立させるため委員会採決を省略したとしか見えない。延長させない理由は、加計学園問題の幕引きと、23日告示の東京都議選への影響を考えてのことだろう。勘ぐれば、加計学園問題が、調査が進むと政権に深刻なダメージ与えると政権が認識しているとも取れる。
 政権の焦りか。国会審議を手続きで処理できるとの考えか。あまりに強引ではないだろうか。
 
                           (仲)
 
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2017年6月10日 (土)

加計学園問題は解決できない      ~ゆうてもええかな~

 非生産的な攻防を延々続けているだけのような気がする。
 加計学園が運営する岡山理科大学の獣医学部を今治市に新設する計画があり、これを地域限定で規制緩和する国家戦略特区の事業者として内閣府が今年1月に認めた。学部設置などの認可は文部科学省の管轄で、現在審査中。獣医師に関わることは農林水産省の管轄であるが、ここでは詳述しない。
 獣医学部の新設は、文科省の認可基準では、ここ50年ほど認められていない。今治市は2015年12月、獣医師系国際教育拠点の整備特区の指定され、事業者募集にあたり、岡山理科大すなわち加計学園のみが応募したため、内閣府が計画を認めたが、文科省は学部新設を審査中。文科省がかたくななのか、内閣府が横車を押したのか。野党は認可までの過程、決定までの早さ、加計学園理事長と安倍首相との個人的つながりに目をつけ、特区指定に首相側の意向が働いて加計学園に便宜を図ったのではないか、と追求している。
 その証拠探しで、文科省へ首相官邸からの圧力があったかどうかを示す書類『加計文書』探しの与野党攻防があって、文科省の再調査が9日始まった。
 冒頭、非生産的と言った。首相の意向を示す文書が出てきたとして、それが安倍首相の便宜供与の証拠となるか。知らぬ存ぜぬで引き延ばして、幕引き。文科省の職員が証拠をリークしたとして、加計文書が明らかになるだけで、加計学園の問題は解決しない。獣医学部新設が宙ぶらりんのままである。
 規制緩和が目的なら、特区地域が妥当か、文科省の認可基準が妥当か、そもそも獣医師の育成強化が必要か、そこを検証すべし。文書にこだわれば、学部新設の文科省判断はいつまでも出ないまま放置。横道に逸れずに、実務的な議論をしようよ。どうせなら。
 
                         (仲)
 
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2017年6月 3日 (土)

米国パリ協定離脱の行く末      ~ゆうてもええかな~

 トランプ大統領は1日、パリ協定離脱を表明した。EU各国の首脳からは失望の意を表明し、EUとの首脳協議に臨んでいる中国は、パリ協定維持をいち早く発信した。
 パリ協定では、地球温暖化対策として、今世紀後半に全世界の実質的な温暖化ガスの排出をゼロにすることを目指している。参加する国すべての国に削減を求めるとしており、途上国も例外ではない。
 トランプ政権は、このパリ協定からの離脱を決めた。国内の経済と雇用を守るためとしているが、その対象は、鉄鋼、石油石炭のエネルギー業界が主だといわれている。温暖化対策はこれらの業種の利益を損なうだけでなく、途上国への開発援助の負担が加わる。利益が減ってコストがかかる、というわけだ。米国にとって公正な協定への修正、あるいは別の枠組みを作ると明言した。
 TPP離脱とは、意味合いが異なる。TPPは貿易協定だから、二国間での交渉もできなくはない。しかしパリ協定は、全世界で決めた枠組みである。環境問題はEU諸国が先導しており、離脱は孤立につながりかねない。
 個人的には、やってみればいいさ、と思っている。今日明日の問題ではないが、グリーン購入の考え方が進むと、米国産品の購入は温暖化に逆行するから控えよう、という流れになるかもしれない。米国から海外へ向けて展開している企業にとって、マイナスイメージが実損につながったとき、再加入の世論が起きるだろう。また、排出削減義務から離脱すれば、温暖化対策技術開発で世界水準から後退するとの危惧が出ている。温暖化対策をビジネスチャンスとするエコカー関連技術,電機機器の省エネ技術への投資が滞ったり、米国内で過剰スペックとして敬遠されたら、この業界の損失となる。
 行き過ぎたら揺り戻す。民主主義の政治は、そういうものだと思う。
 
                         (仲)
 
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2017年5月27日 (土)

G7サミット開催中      ~ゆうてもええかな~

 主要7カ国首脳会議G7サミットは26日、イタリアのシチリア島で開かれ、初日の討議を終えた。明日も討議があり、首脳宣言とりまとめが予定されている。
 合意できることと足並みがそろわないことは、事前に予想されていたとおり。イギリスでの自爆テロを受けて、テロ対策討議とG7タオルミナ声明が採択された。それから北朝鮮の核兵器、ミサイル開発の状況について、新たな脅威の段階になっているとの認識で一致したという。北朝鮮問題に関しては日米主導で取り上げたようだ。
 足並みがそろわなかったのは、経済分野での保護主義の問題ですれ違いが生じた。ドイツを筆頭にして、保護主義反対を主張したが、アメリカは同意しなかった。ただ、自由で公平な貿易が重要との考えでは一致した。中国など新興国の政府による不透明な輸出支援を念頭に置いたもので、国際ルール違反は認めないと言っているだけだ。
 また、環境問題では、パリ協定脱退を表明したアメリカとドイツ、フランスなどとの隔たりが埋まらなかった。
 アメリカのトランプ大統領、イギリスのメイ首相、フランスのマクロン大統領、イタリアのジェンティローニ首相の4首脳が初参加。特に保護主義と移民対策を掲げて当選したトランプ大統領、EUからの脱退通告後初参加のメイ首相には、G7協調というお題目であっても譲れないところがある。今年は自国の主張を引いて首脳宣言とりまとめに妥協することはできまい。1年2年経って、政策に対する国内世論が変われば話は別だけど、今日明日ではない。
 G7の枠組みや影響力について、毎年議長国持ち回りで討議して、実際の対応、同意できることできないことを発信することが重要だと思う。テロ対策に金がかかっても、意義がある。たぶん。
 
                        (仲)
 
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2017年5月20日 (土)

共謀罪が分からん      ~ゆうてもええかな~

 19日、衆院法務委員会で『テロ等準備罪』を新設する組織犯罪処罰法改正案が自民公明維新の会の賛成で可決した。マスコミでは共謀罪の文字が見られるが、共謀罪は過去自民党が法案提出して廃案になっている。テロ等準備罪に共謀罪の趣旨が盛り込まれているから、国会審議段階では共謀罪と報じているのだろう。
 政府はテロ対策を目的としているとするが、法案ではおおむね、テロ集団などの組織的犯罪集団を対象としており、集団が犯罪行為を計画し準備行為を行った時点で処罰するとしている。
 委員会審議では、グレーゾーンの線引きが明確になっていないと見る。まず、組織的犯罪集団とは誰を指すのか。法案で指定されておらず、共同の目的が重大な犯罪を実行することにあるものとしている。国際テロ集団や麻薬密売組織は該当する。ただ、一般の組織、企業や団体などでも、指定した犯罪を犯す集団と見なされれば適用できる。また、一般の人たちでも、集団に関与する人は捜査対象にできるかもしれない。たとえば、知り合いとか、資金に関わること、支援の疑いがある人。
 それから、対象となる犯罪が277指定されている。兵器製造爆破放火誘拐ハイジャックなどのテロ実行犯罪に薬物、それから資金源に関わる犯罪、司法妨害などがある。これも解釈で一般団体に適用できる法律が含まれる。一例として、組織犯罪処罰法に組織的な威力業務妨害がある。市民団体や住民の基地、道路の建設反対などの抗議運動も、業務を妨害する怖れがあるとされたら捜査対象になる。もはやテロとは無縁だ。対象を具体的な行為で規定せず法律の犯罪規定でくくるから、対象は解釈次第になり、市民運動すら計画段階から監視される懸念がある。
 強行採決は、会期延長との兼ね合いだろう。会期延長で審議時間を取れば、この法案や加計学園問題で苦しくなるからだろう。無理な政権運営が政情不安に至るかもしれない。
 
                        (仲)
 
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