2017年5月27日 (土)

G7サミット開催中      ~ゆうてもええかな~

 主要7カ国首脳会議G7サミットは26日、イタリアのシチリア島で開かれ、初日の討議を終えた。明日も討議があり、首脳宣言とりまとめが予定されている。
 合意できることと足並みがそろわないことは、事前に予想されていたとおり。イギリスでの自爆テロを受けて、テロ対策討議とG7タオルミナ声明が採択された。それから北朝鮮の核兵器、ミサイル開発の状況について、新たな脅威の段階になっているとの認識で一致したという。北朝鮮問題に関しては日米主導で取り上げたようだ。
 足並みがそろわなかったのは、経済分野での保護主義の問題ですれ違いが生じた。ドイツを筆頭にして、保護主義反対を主張したが、アメリカは同意しなかった。ただ、自由で公平な貿易が重要との考えでは一致した。中国など新興国の政府による不透明な輸出支援を念頭に置いたもので、国際ルール違反は認めないと言っているだけだ。
 また、環境問題では、パリ協定脱退を表明したアメリカとドイツ、フランスなどとの隔たりが埋まらなかった。
 アメリカのトランプ大統領、イギリスのメイ首相、フランスのマクロン大統領、イタリアのジェンティローニ首相の4首脳が初参加。特に保護主義と移民対策を掲げて当選したトランプ大統領、EUからの脱退通告後初参加のメイ首相には、G7協調というお題目であっても譲れないところがある。今年は自国の主張を引いて首脳宣言とりまとめに妥協することはできまい。1年2年経って、政策に対する国内世論が変われば話は別だけど、今日明日ではない。
 G7の枠組みや影響力について、毎年議長国持ち回りで討議して、実際の対応、同意できることできないことを発信することが重要だと思う。テロ対策に金がかかっても、意義がある。たぶん。
 
                        (仲)
 
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2017年5月20日 (土)

共謀罪が分からん      ~ゆうてもええかな~

 19日、衆院法務委員会で『テロ等準備罪』を新設する組織犯罪処罰法改正案が自民公明維新の会の賛成で可決した。マスコミでは共謀罪の文字が見られるが、共謀罪は過去自民党が法案提出して廃案になっている。テロ等準備罪に共謀罪の趣旨が盛り込まれているから、国会審議段階では共謀罪と報じているのだろう。
 政府はテロ対策を目的としているとするが、法案ではおおむね、テロ集団などの組織的犯罪集団を対象としており、集団が犯罪行為を計画し準備行為を行った時点で処罰するとしている。
 委員会審議では、グレーゾーンの線引きが明確になっていないと見る。まず、組織的犯罪集団とは誰を指すのか。法案で指定されておらず、共同の目的が重大な犯罪を実行することにあるものとしている。国際テロ集団や麻薬密売組織は該当する。ただ、一般の組織、企業や団体などでも、指定した犯罪を犯す集団と見なされれば適用できる。また、一般の人たちでも、集団に関与する人は捜査対象にできるかもしれない。たとえば、知り合いとか、資金に関わること、支援の疑いがある人。
 それから、対象となる犯罪が277指定されている。兵器製造爆破放火誘拐ハイジャックなどのテロ実行犯罪に薬物、それから資金源に関わる犯罪、司法妨害などがある。これも解釈で一般団体に適用できる法律が含まれる。一例として、組織犯罪処罰法に組織的な威力業務妨害がある。市民団体や住民の基地、道路の建設反対などの抗議運動も、業務を妨害する怖れがあるとされたら捜査対象になる。もはやテロとは無縁だ。対象を具体的な行為で規定せず法律の犯罪規定でくくるから、対象は解釈次第になり、市民運動すら計画段階から監視される懸念がある。
 強行採決は、会期延長との兼ね合いだろう。会期延長で審議時間を取れば、この法案や加計学園問題で苦しくなるからだろう。無理な政権運営が政情不安に至るかもしれない。
 
                        (仲)
 
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2017年5月13日 (土)

3月期決算発表ピーク      ~ゆうてもええかな~

 12日、上場企業の3月期決算発表がピークとなった。営業利益を減らした企業が多く、全体的に5年振りの営業利益減となった。
 大きく影響したのが円高で、イギリスのEU離脱問題などから円高傾向で推移し、トランプ大統領当選後円安に振れたがカバーしきれなかった。
 製造業が円高の影響を受ける一方、非製造業の利益が伸びた。大手商社が、資源価格安定のおかげで利益を確保した。営業利益が減に転じたが、税引き後の純利益は昨年に比べわずかに増加している。上場企業に限った集計になるので、日本全体の景況と結びつけるのは難しい。
 同時に向こう一年、2018年3月期の利益見込みが出ており、こちらは増加に転じているが、全般に控えめの予想を出している企業が多いという。この先一年分の業績を見積もるとき、不確定要素が多いため、強気の予想がしづらい。為替相場は、北朝鮮情勢や各国が通貨安への誘導に動けば、円高差損が生じる。中国経済の動向、EU情勢、そしてアメリカの景気動向、保護主義政策による貿易赤字解消やアンチダンピングの動き、二国間貿易交渉への移行が進めば、製造業は苦しい。
 国内では、輸送業者の値上げに人手不足感からの人件費拡大などが懸念材料だ。企業が先行きに不安を感じたとき、設備投資を絞る。昨年は設備機器関係が低迷して、利益を減らしている。今後はアメリカと中国での設備投資頼みで、国内での販売は厳しいようだ。希望はあるが、不確定要因を抱える市場そのものがターゲットで、為替リスクも伴う。
 国内消費が伸びなければ景気回復は止まってしまう。個人収入が増えた実感がないなかで、海外からの観光客の呼び込みも有力なコンテンツになる。続けるのが難しいけどね。
 
                        (仲)
 
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2017年5月 6日 (土)

民進党の混迷      ~ゆうてもええかな~

 来週には、フランスと韓国の新しい大統領が決まる。どちらも結果次第では政治情勢が大きく変わることになる。
 日本の首相は直接選挙制ではないから、政権交代は総選挙での意思表示になるわけで、直近では民主党が政権についた。8年前のことだ。3年3ヶ月で、自民党政権に戻った。
 二大政党での政権交代を目指したが、今は自民一強の状態である。自公連立政権で民進党は野党第一党ではあるが、党勢は低迷していて、厳しい情勢になっている。
 5月3日、安倍首相が憲法改正に関するメッセージを発した。公式の場では無いが、具体的に2020年という日程目標と、自衛隊の存在を第9条の条文に追記するという、具体的な条項を明示した。自民党内での議論を経ないままに発信したことで、憲法調査会の審議が混乱するものと思われるが、少なくとも国会議論をたきつける効果はあるだろう。
 このメッセージは、民進党も揺さぶった。もともと、リベラル派と保守派が合流した党で、蓮舫代表は改憲反対派だが、党内の意見が統一されているわけではない。
 また、東京都議選を前に、離党が相次いでいる。7月の都議選告示前に態度を明確にした形で、これは小池新党への合流に含みを持たせる動きだから、今のところ民進党執行部そのものへのダメージが具体化している状態ではないが、都議選に負けた場合の蓮舫代表、党執行部の責任問題が浮上する可能性がある。ここが民進党の弱みだろう。旧民主党時代から、反自民が合流して民進党に至っているので、一枚岩ではない。ほかに受け皿があって、移れば選挙戦に有利と判断した議員が離党するという図式が続けば、分離と集合を繰り返すのだろう。
 国民に反自民の機運が出てくれば、民進党は浮上できるのだろう。まず、憲法改正の意思表示に対応しないと、次回総選挙は苦しくなるだろう。
 
                       (仲)
 
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2017年4月29日 (土)

北朝鮮への圧力は      ~ゆうてもええかな~

 28日、国連安保理の閣僚会合が開かれ、北朝鮮への対応が話し合われた。その翌日の29日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した。これは失敗し、北朝鮮の領域を出ること無く爆発したとされる。
 北朝鮮が挑発を繰り返しているとして、周辺各国の対応が厳しくなっている。アメリカは空母を日本海に持ち込んで自衛隊、韓国軍と演習を繰り返している。トランプ政権になって、まずガツンと手を出す構えを見せておいて、外交交渉に持ち込む手法をとるように見える。ある意味、はったりをかまして相手がひるんだところで交渉しようという姿勢に見える。
 日米韓が追加制裁を迫るのに対して、ロシアと中国は交渉を主張し、六カ国協議再開への働きかけを強めている。中国は北朝鮮という国が無くなっては困るから生かさず殺さずで、国際社会の批判からは庇護してきたが、ここへ来て黙ってみているわけにはいかず、石炭の輸入制限を運用したり、中国国内の報道で平壌のガソリン価格高騰を報道して、石油輸出も絞っているように見せている。
 北朝鮮の弾道ミサイル発射は、ここのところ連続して失敗しているが、技術的に問題があるとは思えず、今までのものではない新しい技術開発の実験と指摘する専門家もいる。タイミングは挑発とも取れるように計算されているが、開発が進んで、その技術を見せるのが目的ではないか、と。アメリカ相手に本気でけんかをふっかけるとも思えず、現に北朝鮮の報道は、アメリカが何か仕掛けたら、攻撃するぞと言っている。自発的に攻撃するとは言っていない。
 アメリカの空母派遣は、中国にも北朝鮮をなんとかしろとけしかける圧力になっているわけだが、その中国は金正恩体制をどう見ているか。お仕置きが必要な程度に快く思っていないのは確かだ。米中首脳会談で、北朝鮮を制御することが取引条件になったことで、コントロールが難しい金正恩体制を見限る可能性もある。北朝鮮を潰さず、失脚させる工作もあり得る。
 しばらくは挑発と緊張状態の繰り返しになるのではないか。金正恩体制の力量が量りかねる間はどうにも動かない気がする。
 
                  (仲)
 
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2017年4月22日 (土)

不倫議員離党      ~ゆうてもええかな~

 国会開会中なのだから、先にやることがあるだろうにと思う。不倫報道があった自民党の中川衆議院議員が、経済産業政務官の辞任し、さらに21日、自民党を離党した。自民党執行部から自発的な離党を求められての離党で、実質、党から見放された。
 野党は週刊誌報道ののち攻勢を強めて議員辞職を求めていた。自民党としては、先月の務台復興政務官の、被災地視察時で長靴が無かったため職員に背負われて移動した件での政務官辞職、閣僚らの発言についての謝罪撤回が相次いでいた。党執行部としては、閣僚が辞任すると安倍首相の任命責任を野党から追及されるため、続投させたい。一方、問題発覚の政務官擁護は、野党の追及のみならず、身内に甘い印象を与え、政権の支持にダメージを与えかねない。政権運営を考えると、厳しい態度を示すことが必要になる。
 一方の野党は、自民党議員の辞職に追い込みたい。難しい理屈はない。自民党議員をスキャンダルで辞任させ、補欠選挙に持ち込みたい。そうすれば野党側が有利に戦える。中川議員は当選2回の若手だが、父は元官房長官の中川秀直氏。秀直氏引退に伴って地盤を受け継ぐ形で当選しているから、野党は自民党にダメージを負わせる形で辞職させたい。
 自民党は離党で幕引きを図る。政権運営を考えての処置だが、党内には深刻な影響が出ている。政務官辞職の面々は5年前の自民党圧勝時の当選議員で、2回当選組の若手を不安視する雰囲気が出ている。脇が甘い若手議員の引き締めができていないのではないか。一人勝ち安倍政権の足下が揺らぐことになりかねない。
 党利党略の圧力を受けた中川議員だが、出直しは有権者が判断する。国会審議が議員個人の問題で遅れる方が、国民の利益に反すると思うんだけどなあ。

                         (仲)

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2017年4月15日 (土)

カーボンナノベルトは何になる      ~ゆうてもええかな~

 名古屋大学の研究チームが、カーボンナノベルトの合成に成功したと公表された。化学的に合成したのは世界で初めてのことだ。
 正六角形に並んだ炭素原子の、一辺が重なる形で帯状に12個連なり、それを曲げて輪っかにした形の分子。大きさがナノメートル、即ち百万分の一ミリの大きさだから、カーボンナノベルト。
 これが大きなニュースになったのは、先にカーボンナノチューブの応用研究が進んでいるからだ。カーボンナノチューブは、正六角形の炭素原子が蜂の巣状に並んだシートを丸めてチューブにした形の分子で、チューブの長さは大きなもので数ミリになる。
 カーボンナノチューブは、鉄の10倍以上の強度があるとされていて、特に引っ張り方向に強い。弾性があって鉄より軽いので、宇宙開発での適用、例えば軌道エレベーターのワイヤーとして研究が進んでいる。また、導電性、熱伝導率が銅より優れているから、エレクトロニクス分野、ICや燃料電池などの用途で、銅、シリコンの次の素材と期待されている。ただ、現時点では量産方法が炭素を含む分子を加熱して抽出する形で、チューブの太さの制御や、不純物除去に問題がある。
 カーボンナノベルトが作りたい太さで合成できれば、それを基点にして正六角形を次々とくっつけていく形でチューブが作れば、最初のベルトの太さでチューブが作れるから、揃った太さで精度良く生産できる。
 カーボンナノベルトの合成は、60年前に理論が提唱されていたが、正六角形のベルトは平面に並ぶ性質があって、曲げることができなかった。今回、先に環状にしてから正六角形にすることで成功した。発想の転換と言えば簡単だが、10段階の化学反応を経て成功した業績は賞賛されていい。

                           (仲)

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2017年4月 8日 (土)

米シリアをいきなり攻撃      ~ゆうてもええかな~

 7日、米軍駆逐艦から巡航ミサイル・トマホークを59発発射し、シリア西部の空軍基地を攻撃した。シリア軍の戦闘機と基地施設に被害が出て、シリア情勢が一変した。
 トランプ大統領は、化学兵器使用に対抗する軍事行動だと主張している。4日のシリア北西部であった空爆のあと、民間人を含む100人以上が死亡、400人以上が呼吸困難を起こしており、国際医療団体が化学兵器使用の可能性を示唆していた。アサド政権は関与を否定、ロシア政府はシリア軍の空爆で反体制派倉庫の毒ガスが流出したとの見解を示していた。トランプ大統領はアサド政権が化学兵器を使用したと非難し、5日開かれた国連安保理緊急会合で国連による真相解明の決議案が議論されたが、アサド政権支持のロシアが反発し、議決が見送られた。こののち、米国は議決無しの軍事行動を示唆していた。
 数百キロ離れた距離からの巡航ミサイルでの攻撃であり、次の一手を誰がどのように打つかでまた状況は変わるが、少なくとも現時点で、緊張が高まった。今までトランプ大統領は、シリア反体制派を支持せず、アサド政権を支持するロシアに近い立ち位置だった。それが4日の化学兵器使用疑惑から、アサド政権を非難し、ロシアと対立。化学兵器使用の立証がないまま、単独攻撃に踏み切ったことで、国連安保理は機能しなくなり、出口が見えなくなった。米ロ直接交渉しか手がないように思えるが、ロシアは単独攻撃は国際法違反と反発を強め、関係悪化は必至だ。
 東アジアにも影響が及ぶ。今回の爆撃は、中国習金平国家主席との首脳会談の日程中に実行された。北朝鮮情勢含め、攻撃実行があり得ると牽制した形になった。
 この事態をどう収拾させるか。危機管理能力を示すのか、泥沼の緊張状態にはまりこむのか。トランプ大統領の手腕は、いかに。

                        (仲)

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2017年4月 1日 (土)

イギリスEU離脱通知      ~ゆうてもええかな~

 イギリスのメイ首相は先月29日、EUに対して正式に離脱通知を行った。2年以内に妥結へ向けイギリスとEUの交渉が始まるが、すでに利害が衝突している。
 イギリスは離脱のための交渉と、離脱後のEUとの通商交渉を並行して行いたいとしているが、EU側は離脱交渉を先行させ、目処が付いた時点で通商交渉を行う構えで、イギリスの要求を突き放した形になる。
 離脱交渉には、イギリス在住のEU加盟国民とEU域内在住のイギリス人の権利の保障が最重要課題で、次いでイギリスのEU予算分担金や事業費の支払いがある。権利保障は、イギリス離脱の最大の要因である移民問題と関連する。イギリス経済ではEU域内からの移民が低賃金労働力となっていて、経済界では懸念の声が高い。もちろん、企業主要スタッフとして働くEU加盟国民の帰国も含め、労働力の流出があれば経済にダメージを与える。
 イギリスが通商交渉を急ぐのは、EUとの自由貿易協定締結が必要だから。交渉が決裂すれば、イギリスとEUの間で関税が課せられることがあり得る。単純にそれだけで、イギリス経済とイギリスとの交易国に負担がかかる。経済界は早期妥結を望む声が大きい。
 ただ、今年はフランス、ドイツ、イタリアで選挙が控えていて、自国保護主義がどこまで勢力を強めるか不透明で、EU側の現政権はイギリス有利の離脱交渉は認めない。政治的には自国保護主義とグローバル化の対立、経済的には負担リスク回避の両面で交渉が進む。
 自国保護主義ではアメリカが先行して政権を取り、メリットとダメージが次第に明確になってくる。自国民の雇用を守ることは、他国の労働力と頭脳を受け入れるメリットが減少するわけで、それが許容できるかどうか。2年という期間は、結論を出すには短い。

                         (仲)

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2017年3月25日 (土)

ヤマトとアートの選択      ~ゆうてもええかな~

 ヤマト運輸が春闘の労使交渉を経て、従業員の負担軽減の一環として宅配サービスの配達時間の見直しを決めた。また、運賃の値上げも発表した。ネット通販での輸送量増が背景にあると言われ、確かに増加傾向にあるが、直近で国内の配達個数が急増したイメージはなく、ネット通販業者の宅配サービスがヤマト運輸に集中したためと見られる。
 引っ越し業者大手のアートコーポレーションは、繁忙期である3月4月の受注を前年比8割に抑えた。この時期は企業の人事異動、入社入学に伴う引っ越しが集中する時期で、特に人事異動での引っ越しは発令から着任までの期間が決まっているから申し込みが集中する。この時期の需要に合わせて人員を確保しているわけではないから、1組で2件を担当するなどで、長時間労働を強いられる。そこを調整し、日にちをずらす案内をする、一日当たりの所定件数以上の注文は断るなどして、長時間労働を回避する狙いだ。
 運送業者の労働環境改善は深刻さを増している。ドライバーを増やして対応する方向に行かず、受注を絞に荷主に負担を求める方に舵を切る点でヤマトとアートの選択は共通している。
 ファミリーレストランで深夜スタッフが確保できずに24時間営業を止めるなど、人手確保が困難で、働き方改革で長時間労働を規制しようという世間の動きに沿った流れになる。大手だからできることで、断れない中小の業者は負担が増えるかもしれないが、しわ寄せを転嫁ではなく、発注元が負担を受容することが重要だ。短納期の輸送を求めない、可能であれば輸送時期をずらす。オプションのサービスには対価を払う。運送業者の事故、荷物の破損、誤配、遅配を防ぐ観点からも、荷主側が理解するべきだろう。現実はそうはいかないかもしれないが、転換すべし。労働人口が増える社会ではないのだから。

                           (仲)

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