2018年6月16日 (土)

笛吹けど踊らぬ民泊      ~ゆうてもええかな~

 住宅に有料で人を泊める民泊のルールを定めた住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法が15日に施行された。都道府県等に届け出が必要で、施行初日の届出数は全国的に低調だったようだ。
 政府は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックでのホテル不足、地方での宿泊施設不足を補い、訪日客を呼び込む戦略の一環と位置づけて法制化した。原則的に、既存の住宅を1日単位で旅行者を有料で泊める施設であり、住居専用地域でも届け出れば年間180日以内の営業ができる。管理者を置き、利用者の安全確保のための非常灯や避難経路を表示し、ゴミ問題など衛生確保、騒音防止のための説明、苦情への対応、宿泊者名簿の作成・備付け、届出済標識の掲示などが義務づけられる。あくまで、民泊新法の規定では。
 旅館業法での営業、例えば民宿であれば、規制をクリアするための費用がかかり、住宅の空き部屋に泊めるような規模では負担が大きすぎる。そこで民泊を定義して、ハードルを下げた新法を施行したが、同時にヤミ営業を認めず摘発する考えを盛り込んだため、面倒な基準になった。それに加え、届け出先が自治体だから、各地の条例でさらに制限されている。自治体としては住民の生活を侵害することを優先し、営業区域、営業期間を限定しているところもある。さらに、消防法との兼ね合いもある。民泊では、営業者の住居の一部を貸し出す場合と、空き家に管理人を置いて貸し出す場合があるが、消防法上、旅館やホテルと同じ分類で消火設備の設置義務がある。住宅と同じ分類になるのは、営業者の住居で営業し、貸し出す床面積が50㎡以下の場合のみ。
 これらの規制を嫌い、無届で営業を行うケースが増えると指摘されている。ヤミ営業が巧妙に地下に潜るだろう、と。訪日客にも、安価な個人経営の宿に泊まり慣れている人もいれば、ホテルが取れず民泊を利用する人もいて、その現地のルールを守る意識がバラバラ。トラブル回避の責任は宿泊を受け入れる側にある。民泊でも、ホストには知識と経験と力量が必要になるはず。行政には新法だけでなくホストを増やすソフト面の対策も考えて欲しい。
                             (仲)
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2018年6月 9日 (土)

がん見落とし再発防止の重要性      ~ゆうてもええかな~

 トランプ大統領はG7サミットに参加し、途中で抜け出して米朝首脳会談に向かう予定で、大きなニュースだけど、まだ何も解決しないと思うから今週は取り上げない。トランプ大統領の外交戦略が見えず、他国首脳と仲良くして仲違いして、その後関係修復できた事例がまだない。関税問題だって、来年以降、米国内の物価上昇懸念がつきまとう。安いものを輸入しないのだから。
 今回は千葉大学病院の問題を取り上げる。千葉大学病院は8日、30~80代の男女9人の患者について、CT検査画像診断の報告内容を医師が見落とすなどしたため、がんの診断が最大約4年遅れ、4人の治療に影響があり、2人が腎臓や肺のがんで亡くなったと発表した。診断の遅れがなければ治療の選択肢があったと、影響があったことを認めた。
 これが発覚したのは、昨年、肺がん患者の1年前のCT画像で頭頸部腫瘍があったことに気づいた医師が、確認不足を疑い病院の医療安全管理部に報告したことがきっかけだった。見落とした原因は、調査で、放射線診断専門医が提出した画像診断報告書の確認不足のケーズ、専門医に画像診断を依頼せず担当医が診断したケース、画像診断報告書の作成遅れと未作成のケースがあった。亡くなった方はそれぞれ、炎症性腸疾患で受診した際のCT画像での腎がん見落とし、皮膚悪性腫瘍受診でのCT検査での肺がん見落としと、受診した専門科以外の領域のがん所見を見落とした。
 大きな病院だと、どこでもありうる。医療の技術は日進月歩、検査機器は精度を増し、電子カルテへの移行もあり、医師が免許を取る前に習得した技術は古くなっているケースが多々ある。自分の専門科なら、新しい技術について行けるが、専門外の領域に敏感に対応できる医師がどれほどいるだろうか。
 亡くなった方、治療が遅れた方はお気の毒だが、せめて今後は、再発防止策を考えて欲しい。診断専門医の拡充は必須。複数の科をつなぐコーディネーターの役割があってもいいかも。患者は複数の病気を抱えていることもありがちだから、是非対策の検討をお願いしたい。
                               (仲)
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2018年6月 2日 (土)

契約社員と定年再雇用は低賃金でいいか      ~ゆうてもええかな~

 1日最高裁で、労働契約法が禁じる「不合理な格差」にあたるとした訴訟2件の判決が言い渡された。
 物流会社・ハマキョウレックスの契約社員が、同じ仕事をしている正社員と待遇差についての判断。正社員に支給されている手当のうち、無事故手当、作業手当、給食手当、皆勤手当、通勤手当は、同じ業務に行う契約社員に支給されないのは不合理と判断した。住宅手当は、転勤の有無など正社員との違いがあることから、不合理と言えないと判断した。
 運送会社・長沢運輸で定年退職後に再雇用された嘱託社員の待遇差についての判断。給与が下がったこと自体は、総額でなく個々の細目ごとに精査するとし、精勤手当と超勤手当に格差があるのは不合理と判断した。住宅手当や家族手当は不合理と言えないと判断した。
 どちらの判決も、給与総額での比較はせず、手当や能力給など細目ごとの精査をすべきと判断した。折しも国会でいわゆる働き方改革関連法案が衆院を通過して参院に送られた。関連法案には同一労働同一賃金とする関連法改正案が含まれるが、1日の司法判断は、その内容に関係する。賃金の総額で同じとする考え方には立たないということだ。
 契約社員の場合。同じ仕事でも、雇用の状況、即ち転勤の有無を手当支給の判断として不合理でないと判断した。定年退職後の再雇用の場合。定年後再雇用それ自体を、賃金の差が生じる事情に当たるとしている。定年まで勤め、年金受給が見込め、長期雇用の予定がないことを考慮し、給料の一部、住宅手当、賞与を支給しないことは不合理ではないと判断した。
 今回の判決では基本給には触れておらず、同一労働同一賃金は審議中の法案成立後に導入される。ただ、同一労働でも事情を説明できれば同一賃金でない状態を認めた司法判断だから、国のガイドライン作りに影響する可能性がある。一部マスコミで再雇用賃下げ容認との指摘があるが、非正規雇用全般に、格差一部容認とも見える。生涯設計の難しい世の中になったもんだ。
 
                             (仲)
 
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2018年5月26日 (土)

米朝首脳会談中止か実施かの駆け引き      ~ゆうてもええかな~

 アメリカ政府は24日、トランプ大統領が北朝鮮金正恩委員長に書簡で、6月12日に予定されていた米朝首脳会談の中止を通告した。それに対し、北朝鮮側は金桂寛第1外務次官の談話を発表し、遺憾の意を表明した。反発や威嚇ではなく、首脳会談を望む内容だったからか、トランプ大統領は翌日、北朝鮮側との接触していることを明らかにした上で、6月12日開催の可能性を残していることを明らかにした。
 北朝鮮は24日、豊渓里核実験場の坑道と施設の爆破を公開した。非核化への手順を踏んでいることを公表した形だが、おそらくトランプ政権側の中止判断には影響していないだろう。豊渓里の実験場は閉じても、既に核は存在しているし、過去の開発プロセスも残っている。アメリカまで飛ばす大陸間弾道弾の技術開発が進めば、核の脅威を維持することになる。
 もともと準備期間が足りず、実務的な合意は無理と言われていた。今の状態だと、トランプ大統領と金委員長がにっこり笑って握手する写真をばらまくだけの会談になりそうだ。それでも他哀話のプロセスに入ったことになるから、北朝鮮に対する制裁圧力を維持することは難しい。
 金委員長は、米朝首脳会談が決まってから2回中国を訪れ、首脳と会談をしている。中国が関与しないところで米朝直接対話が進むのは、中国には許せない。北朝鮮は中国の影響下においておかなければならない。北朝鮮を挟んで、米韓両国と対峙する状態を維持して、北朝鮮に米韓の支援が入ることを排除したい。でなければ、国境線で直に米韓と接することになる。
 北朝鮮側の駆け引きには、中国の入れ知恵や支援の約束があると見るべきだ。その中国は、貿易面でも南シナ海の軍事面でも、アメリカと緊張関係にある。中国は己が子分を操れるよう動いていて当然だろう。
 トランプ政権にとって分が悪く、北朝鮮に制裁緩和の口実を与えるであろう米朝首脳会談だが、行われれば大きな功績になるから、両者ともやりたい。さて、米朝このあとどう出るか。
 
                               (仲)
 
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2018年5月19日 (土)

日大アメフト部問題での危機管理      ~ゆうてもええかな~

 6日行われたアメリカンフットボールの日本大学と関西学院大学の定期戦で、日大の選手が関学大の選手に反則行為となるタックルをして負傷させた問題で、日大の監督は19日、関学大関係者に直接謝罪した後、記者会見に応じ辞意を表明した。
 スポーツ試合中の反則行為そのものの是非は触れない。ここでは日大の危機管理という観点で経緯を見てみたいと思う。
 6日の試合中、日大の選手が関学大の選手にタックルした。今回の場合、ボールを投げ終えて、無防備な状態の選手へのタックルであるから、審判は反則と判定した。10日、関東学生連盟が日大選手と監督の処分を発表した。選手を処分するのは異例で、連盟が重大な反則行為と認定したことを示す。12日、関学大が抗議文送付を公表。17日 関学大が日大からの回答文書を公表し誠意ある回答ではないとした。18日までに春の対外試合がすべて中止となり、19日の監督直接謝罪と辞意表明に至った。
 試合中の反則行為は、その重大さに見合う処分が科せられる。組織が対処し、再発防止が為されていると対戦相手や所属する団体が認めれば、処分決定時に考慮される。
 日大の対応は、組織内で対応する機を複数回逃している。試合中あるいは直後のチーム内での注意。翌日以降の大学内での対応。相手校、選手への対応。これらのタイミングで、日大側はほぼ対応できておらず、再発防止の手立てを打てなかった。行為の重大さを見誤ったかもしれないが、結果、他校は組織の問題と捉え再発の怖れありとして春の試合をキャンセルし、上層部の謝罪と監督の辞任に至ったがそれで収まるかどうかは不明だ。
 問題が生じたときの危機管理の手法は、スポーツに限らず、企業を含めたどんな組織でも当てはまる。事態を把握し、深刻度を評価し、対処する。日大の事例は後手に回った結果だ。日大はこの危機、収拾できるか。
 
                              (仲)
 
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2018年5月12日 (土)

加計問題で国会議員がやるべきこと      ~ゆうてもええかな~

 衆参両院の予算委員会は10日、加計学園の獣医学部新設に関して、柳瀬元首相秘書官を参考人招致した。そこで柳瀬元首相秘書官は、2015年に3回、首相官邸で学園関係者と面会したことを明らかにしたが、首相の関与は否定した。与党側はこれで幕引きを図ったが、学園関係者面会時に愛媛県と今治市職員が同行したかどうかについて、柳瀬氏は居たかも知れないと説明したことについて、愛媛県の中村知事が11日、記者会見で職員が面会した証拠を示して反論し、柳瀬氏は、記憶にも限りがあるので、そこに違いがあるのかもしれないと釈明し陳謝した。
 柳瀬氏の参考人招致において、議員が質問したことに対する説明に、曖昧な部分があったことになる。質問に立った議員が、柳瀬氏の記憶から説明を引き出すことしかできず、そのままなら幕引きをするしないの攻防になったろう。しかし国会の外にいる当事者が反論する展開になった今回は、行政側の説明が充分でなかった印象が強くなり、安倍政権は世論を意識せざるを得なくなった。
 加計学園の獣医学部新設問題で、法的に瑕疵はないから、刑事訴追に至る案件ではない。ただ、獣医学部新設の過程で加計学園側への便宜供与があったのではないかという疑念があり、行政、即ち安倍政権側はそれを払拭する必要がある。森友問題での文書改ざんなど、直近の行政の問題で国民は不信感を抱いている。柳瀬氏の参考人招致とその翌日の愛媛県知事の批判で、国民の心証はさらに悪くなった。
 国会には、国政調査権が保障されているから、今回の参考人招致を実施した。国会、予算委員会の役割は、参考人の説明を聞くことだけではない。説明を一つの記録として、特定の法人に便宜を図ったかどうかを調査することである。調査というからには、官公庁の報告、記録の収集が含まれる。弁論だけで追求するのは調査ではない。
 野党議員が調査できなければ、与党は会期末まで逃げ切るだろう。安倍政権の求心力は、支持率が低下している現状では、回復は難しいだろうなあ。
 
                             (仲)
 
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2018年5月 5日 (土)

世界自然遺産登録の難しさ      ~ゆうてもええかな~

 政府は4日、ユネスコに世界文化遺産として推薦した長崎・天草の潜伏キリシタン関連遺産について、諮問機関であるイコモスが登録を勧告したことを発表した。また、世界自然遺産として推薦した奄美大島・徳之島・沖縄島北部・西表島について、諮問機関IUCNが登録延期を勧告したことも発表した。ともに6月のユネスコ世界遺産委員会で登録の可否を審査される。
 文化遺産の長崎・天草キリスト教遺産群は、イコモスの勧告を受けて一度推薦を取り下げ、潜伏キリシタンに焦点を当てて再構築して、今回の登録勧告になった。遺産そのものの価値だけでなく、江戸時代の禁教期という歴史の産物であること、即ち文化を明確にした。
 奄美・沖縄の自然遺産は、大陸から切り離された島で独自の進化を遂げた生態系と、固有種が多く生息する生物多様性について価値ありとして推薦したが、IUCNは生態系に疑義があるとした。指定する地域が4島の24区域に分断されていて、そのうち半数が100ヘクタール以下の小さな地域で、これらが点在しているため、生態系が維持できるのか、という観点から、登録延期を勧告した。
 奄美・沖縄の自然遺産は、固有種の多さから保護されるべきものだが、沖縄北部は米軍北部訓練場跡地があるため区域が分断された形であるため、区域のつながりを否定された形だ。ここを加えることができれば、IUCNの疑義の根拠が薄れる。
 世界遺産では、人の手が加わらない景観や、生物学的、地学的歴史の証拠が自然遺産になる。観光客が押し寄せれば、生態系が狂ったり地形が変わったりする怖れが出てくるから、人と自然遺産の共存が難しい課題になってくる。観光客を呼ぶ気がないなら関係者以外立ち入り禁止にすればいいが、観光客を呼ぶつもりで世界遺産登録をすると、維持の責務が非常に重くなる。西表島などは、自然が人を呼ぶ資産だから、ガイドなどの整備が必須だ。
 富士山は、自然遺産で登録できず、文化遺産に切り替えた。登録も維持も、自然遺産は難しい。
 
                              (仲)
 
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2018年4月28日 (土)

南北首脳会談は北の思惑通り      ~ゆうてもええかな~

 韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は27日、南北の軍事境界線をまたぐ板門店で11年ぶりの首脳会談を行った。朝鮮半島の非核化、年内の朝鮮戦争終結を目標とすることを盛り込んだ板門店宣言に署名した。
 韓国側、というより文大統領側は、北朝鮮との対話を実現し、対話での北朝鮮問題解決を実行したことが、成果となるだろうが、この時点で評価できるか判断するのは早い。北朝鮮首脳を軍事境界線の南側に引き出した事実はあるけど、名を挙げただけで、成果物はまだ得ていない。
 北朝鮮側からすれば、終始自分の思惑通りに運んで、期待通りの結果だったろう。今のところ北朝鮮は、肝心なところは譲っていない。朝鮮半島の非核化を盛り込んだのは、核で韓国を保護するアメリカを追い出せということだし、非核化の交渉は米朝首脳会談でしか結果が出ない。
 朝鮮終戦に関する内容は、それ自体歓迎だが、南北で思惑が若干違うように思う。文大統領側は南北融和、対話での解決が理想だが、北朝鮮側は、金態勢独裁維持が絶対条件になるはずで、背後にはロシアと中国が付いているから、融和ムードまでで、制裁解除を引き出すことが目的だろうと思う。南北交流は、北朝鮮内で市民革命の動きにならないレベルでなければ許容できないはずだ。
 非核化も終戦も、具体的なことは米朝首脳会議に場を移して協議することになる。ここでどういう交渉になるのか、見当が付かない。北朝鮮が制裁解除のためにトランプ大統領にどのような提案を示すことができるのか、それにトランプ側が乗ってくるのか、予断を許さない。北の実験凍結だけでは弱い。核廃棄は、今までも、南北首脳会談でも触れていない。金体制維持の保証がなければ、核廃棄のカードは切らない。アメリカは非核化でどこまで踏み込めるだろう。シリア攻撃実行直後だけに、弱腰に映る交渉はしないだろう。交渉成立に足る成果を求めるはずだ。
 南北首脳会談の結果は、米朝の交渉次第で、ちゃぶ台返しできる程度までしか踏み込んでいないところに、北朝鮮側の意図が透けるようだ。
 
                              (仲)
 
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2018年4月21日 (土)

安倍政権八方ふさがり      ~ゆうてもええかな~

 安倍首相とトランプ大統領は18日、日米首脳会談後の記者会見で、通商問題の立場の違いを鮮明にした。日本は対中国を念頭にTPPへの参加を促したが、アメリカは二国間協議を譲らなかった。貿易摩擦に進展する可能性は分からないが、トランプ政権の狙いは、TPPの枠ではなく、品目を絞って狙い撃ち、TPPより有利な譲歩を引き出すことだろう。自動車と牛肉についての日本の規制緩和を引き出し、アメリカ国内向けに成果を誇示し、中間選挙に臨みたいはずだ。
 安倍首相にしてみれば、通商関係は空振りと言っていいだろう。支持率が急落し、外交で巻き返すことができなかった。支持率急落は、森友問題、加計問題と自衛隊日報で政府への不信感が募り、財務次官のセクハラ問題でさらに支持が離れた。野党は麻生財務相の辞任などを要求して国会が空転することが避けられず、働き方改革関連法案の会期内成立が難しくなり、政権運営が苦しくなっている。
 経済はアベノミクス効果の実感が薄れ、米中貿易摩擦が世界経済に影響するか様子見の状態が強い。また、北朝鮮関係で南北首脳会談、米朝首脳会談を控えており、市場の動きは鈍い。
 その北朝鮮は20日、核実験とICBM試射を中止し、核実験場を廃棄することを宣言した。おそらく米朝首脳会談に用意したカードを先に切ったようで、交渉の主導権を握ることが目的だろう。実際は今、実験を行えば孤立するだけだし、中国の意向も働いただろう。実験できないからやらないと言っているようで、実態に変化はない。首脳会談の行方次第で宣言撤回する可能性はある。
 米朝韓中の動き、駆け引きに、日本は絡んでいないし、拉致問題や慰安婦問題など隣国との外交問題が宙に浮いた状態で、米韓に会談で拉致問題を取り上げるよう働きかけることしかできない。内政経済外交、どれも打つ手を探すことが難しく、成果がなければ、森友加計問題などで自民党内から安倍下ろしの動きが出よう。今後の地方選挙は苦戦になるとの声があり、秋の党総裁選では一強とは言えない。政権浮揚の一手が打てるか。どんな手があるか、私には思いつかない。
 
                               (仲)
 
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2018年4月14日 (土)

シリア攻撃、トランプ政権の選択      ~ゆうてもええかな~

 アメリカはフランス、イギリスと共同で、シリアへのミサイル攻撃に踏み切った。内戦が続くシリアでアサド政権が7日、ダマスカス近郊への反政府側への攻撃で化学兵器を使用したと断定し、首都ダマスカス近郊の化学・生物兵器関連施設、中部ホムス西郊の化学兵器貯蔵施設、ホムスの化学兵器の装備貯蔵施設の3カ所を、地中海東部の駆逐艦からミサイルで攻撃したと主張している。
 アメリカは昨年4月にも、アサド政権軍がシリア北西部で化学兵器を使用したとして、シリア中部の政権軍基地に巡航ミサイルを発射しており、2度目の攻撃となる。アサド政権の後ろ盾であるロシアとイランは化学兵器使用の証拠が無いとしてアメリカの攻撃を激しく非難し、対立が深まっている。
 ロシアと欧米諸国は、イギリスでロシア元情報機関員らが神経剤で襲撃された事件以降、外交官の追放合戦に発展するまでに、対立が激化している。ただ欧州各国は、エネルギーをロシアに頼っていることもあり、足並みがそろっているとは言いがたいが、険悪化していることは事実。今回の攻撃がアメリカ単独ではなく、英仏が参加したのは、アメリカの取り込みだろう。
 トランプ政権は、今回の攻撃も単発で終了させる見込み。次の軍事行動の計画があるとは思えず、やる時はやるよ、という姿勢を国内国外に示したに過ぎない。外交での解決は考えていない。外交はトランプ政権の苦手分野だ。
 ロシアは、強硬手段には強硬な態度で臨む傾向があるが、今回の攻撃に乗って報復に出るとは考えにくい。ミサイル攻撃が違法だと主張することでアサド政権側を擁護する口実になる。むしろ、トランプ政権側の方が、展開米軍を維持する結果となり、中期的な財政面の影響を抱えることになる。在外米軍縮小を公言しているが、個々の情勢を見ると、ロシアとの緊張が高くなるうちは、手を引くことはできまい。
 トランプ政権の方針が刻々と動くのは、苦悩ゆえか、勝機を見たからか。傍目には分からない。
 
                              (仲)
 
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