2019年2月 9日 (土)

豚コレラ拡大の影響はどこまで      ~ゆうてもええかな~

 昨年、岐阜の養豚場で豚コレラを発症した豚が確認され、殺処分など封じ込めを行ってきたが、今月に入り、愛知県でも感染が確認され、そのうち豊田市の養豚場から子豚を出荷した5府県の養豚場で、豚コレラ陽性となり、殺処分が進行している。
 豚コレラは、豚、イノシシに感染する伝染病で、感染力が強く致死率が高い。過去にヒトへの感染報告はなく、市場に出回っている豚肉を食べても害はないとされている。
 ヒトには感染しないが、畜産農家には打撃が大きい。治療法がなく、家畜伝染病予防法の中で家畜伝染病に指定されている。感染が確認された豚生産農家の豚は全頭殺処分、近傍の生産農家にも移動制限などが指定され、消毒含む防疫措置が済むまで出荷できない。豚生産農家にとっては大きな痛手になる。
 国単位では、豚や豚肉、豚肉加工製品、皮の輸出が一時停止され、相手国の受け入れ確認ができた範囲から輸出再開している。扱いが一律でないのは、2007年に国際機関の規定で豚コレラ清浄国とされており、相手国によって豚コレラ感染リスクへの対応が異なるため、全面受け入れ停止のケース、感染確認の5府県以外の生産品のみ受け入れるケース、全面的に受け入れるケースがある。いずれにしても、豚肉、ハム、ベーコンなどの加工品含め、輸出量が制限される。
 今回の場合、元々の岐阜県愛知県で発生した感染源が分かっていない。豚とイノシシしか感染せず、感染経路は糞尿や体液が主。野生のイノシシの感染が確認されているが、媒介と考えるには範囲が広い。愛知県が立ち入り検査して防疫面で合格とした養豚場で1ヶ月後に感染が確認されたため、防疫体制の根本的な見直しが進められている。
 現状でも影響が拡大しているが、感染源が特定されていない以上、さらなる拡大がないか、全国で総点検に動いている。生産農家、加工業者にまで影響が及ぶため、どの時点で終息と言えるのか分からないが、少なくとも1、2ヶ月は続報に注目したい
                            (仲)
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2019年2月 2日 (土)

トランプ政権2月のハードル      ~ゆうてもええかな~

 1月25日、トランプ大統領はメキシコ国境の壁建設費用を含まない暫定予算を承認した。これで35日間に及ぶ政府機関一部閉鎖が解除された。トランプ大統領は当初、議会に対し、壁建設費用を盛り込んだ予算を要求して、前年度予算期限切れで政府機関閉鎖に突入しても譲らなかったが、2月15日までの暫定予算を飲んだ。暫定予算で政府機関が稼働している間の2月5日、一般教書演説を行う。
 一般教書演説は、今年一年間の政策課題を議会に説明する場で、トランプ大統領は米中貿易戦争のほか、国境の壁など不法移民対策、インフラ整備などで今後の方針を説明するとみられている。壁建設で新たな動きが明らかになれば、議会との対立は収まるどころか激化する可能性もあり、暫定予算の期限である2月15日をにらんでの攻防が焦点になる。すでに35日間の閉鎖で、空港やFBI、沿岸警備を含む80万人の職員が無給で自宅待機になったばかりで、まだ壁建設に拘れば、国民の支持が離れることもあり得る。
 2月末、米朝首脳会談が開催されるとみられている。これも大きなハードルになりそうな気配だ。前回の会談以降、実質的な北朝鮮非核化の進展がなく、トランプ政権は外交面での成果を得ることが難しい状況だ。
 米中貿易協議も高いハードルとなっている。3月1日に追加関税猶予期限を迎え、閣僚級協議が行われていたが、輸入量増加で成果を主張する中国と、米国企業に対する技術移転の強要などの中国の構造課題改善を求めるアメリカとで調整が難航し、決着は2月中に開かれる首脳・閣僚会談に持ち越した。状況は不透明で、溝が埋まらなかった場合の対応と、米中を含む世界経済への影響が懸念されている。
 トランプ大統領は、来年の大統領選挙での再選のために、アピールできる実績作りを目指しているが、1月中は空回り。まずは5日の一般教書演説で何を言い出すか、注目だ。
                              (仲)
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2019年1月26日 (土)

あおり運転が止まない      ~ゆうてもええかな~

 堺市で昨年7月、大型バイクに対して執拗にあおった末に車で追突し、バイクの男性を死亡させたとして殺人罪に問われた被告に対する裁判員裁判の判決が25日、大阪地裁堺支部であった。裁判長は殺人罪を適用し、懲役16年を言い渡した。この件について考えてみたい。
 悪質なあおり運転の実態が昨今明らかになっており、事故、死者まで出すに至っている。ドライブレコーダーの普及、監視カメラの画像情報、スマートフォンなどの動画撮影といった、映像が記録できる機器の拡充で、あおり運転の状況が明確になったことが大きい。数年前までは人身事故として扱われていたであろう案件も、業務上過失致死罪、あるいは経緯から危険運転致死罪が適用され、厳罰化の傾向が見られる。
 今回の件は、裁判員裁判であり、検察が殺人罪に問い懲役18年を求刑した。殺人罪を適用するには、被告、即ち乗用車の運転手に殺意があったかどうかが争われる。事前に計画した殺人ならともかく、走行中の追い抜きや割り込みに対して、その場で殺意を持って追跡してあおったかどうかの判定は、被害者のドライブレコーダーなどから立証することは非常に難しい。本件は被告のドライブレコーダーに記録されていた被告の声が、殺意認定の決め手となったようだ。裁判員だからあおりの状況を加味して殺意を認定したが、裁判官であれば、殺意認定、あるいは死んでしまってもかまわないと考える未必の故意による追突と認定できるか、意見が分かれるところのようだ。
 あおり運転による事故は、証拠となる記録が整わないと、厳罰に問えない。あおり運転という行為を脅迫や強要、傷害罪などの罪に問う法整備と判例が整わなければ、このような危険な運転は減らないだろう。あおり運転は昔からあったが、最近の事例は悪質だと思う。あおるだけで飽き足らず、狙って襲うところにまで至るケースが目に付く。今まで立証できなかっただけなのか、運転する側の気質が変わったのか。さて、あおり運転をされたときの自衛策は。ドライブレコーダーも動画撮影大事だけど、何かあったときの証拠でしかないから、予防策ではないな。今のところは。
                             (仲)
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2019年1月19日 (土)

日韓関係漂流中      ~ゆうてもええかな~

 ここのところ、毎日のように日韓関係に関する報道を目にする。元徴用工判決について、そして火器管制レーダー照射について、既にこの欄で触れた。考えはそこから変わっていない。解決に向かう動きがないから、変えようがない。
 韓国の文在寅大統領が10日、ソウルの大統領府で年頭の記者会見を開いた。その際、質問に答える形で見解を出した。元徴用工問題について、韓国政府がつくり出したのではなく、不幸な歴史のために生じた問題だ、と述べた。この言葉が、文大統領の考え方を表していると思う。韓国政府としては具体的な対策を検討していませんよ、ということだ。
 日韓請求権協定に関する解釈は、日本と韓国でずれが生じているようで、ここで考察しても意味がないと思うので、判決を受けて生じる今後の影響を考える。すでに資産差し押さえが具体化している分だけ見ても、法人の資産であるから、単純に現金化して原告への支払に充てたらどうなる。そして今後、係争中の審理で原告勝訴の判決が出るだろう。被告となっている法人の、韓国現地法人の企業活動が継続できるか。現地法人が倒産なり解散なりした場合、そこで働く従業員の雇用はどうなる。経済指標への影響は。そういった、経済に与える具体的な影響を評価していれば、記者会見でも危機意識が出てくると思うのだが、大統領府側の発信は無いようだ。
 韓国国内でも、日韓関係悪化が経済に及ぼす影響を懸念する声はある。現状の景況は低迷し、最低賃金引き上げによって新卒採用の原資が無く若者の失業率が高めに推移していると聞く。経済政策が出せていればいいのだが。
 レーダー関係は、一段次元が低い話が、北朝鮮船が絡んで複雑化しているだけだと思っている。
 どの問題も、日韓ともに、着地点を考えず相手を責めるだけで、知恵も何もあったものじゃない。今までなら、軍事面での影響を考えてアメリカが仲介に入るところだが、トランプ政権は日韓関係は考えない。当事者が知恵を出すところだろう。日韓両政府で。
                               (仲)
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2019年1月12日 (土)

政府統計調査が不適切ならば      ~ゆうてもええかな~

 厚生労働省が行う毎月勤労統計調査について、2004年からルール通りの調査が行われていないことが分かった。賃金や労働時間の動向を把握するための統計調査で、従業員500人以上の事業所では全数調査するルールであるにも関わらず、東京都内の約1400の事業所のうち、実際には3分の1程度しか調査されていなかった。
 勤労統計の結果は、失業給付や労災保険などの算定基準となる。厚労省は不適切だった調査内容を11日公表した。過去の失業給付や労災保険などの過少支給が延べ約2000万人に、約567億円で、対象者には不足分のお追加給付を行う。その金額を31年度予算に組み込むため、政府はいったん閣議決定した予算案を修正するとした。
 この統計は、統計法で政府の基幹統計とされている。労働者ひとり当たりの給与額や労働時間を調査しており、国内総生産や景気動向指数など、政府が発表する経済指標の算出に使われている。即ち、勤労統計調査結果が実態からずれていると、経済指標が正確でなかった可能性がある。また、厚労省のみならず、他の省庁でも不適切な統計調査が行われていれば、政府発表の数値が信用できないことになる。経済成長がどうの、アベノミクスの成果がこうの、といった議論の基礎になる数値が信用できないものなら、今までの議論や政策の評価に影響するかも知れない。
 政府は国勢調査や労働力調査、家計調査など56の主要な政府統計も点検する方針を決め、菅官房長官は11日、各府省庁に次官連絡会議で指示した。まずは今まで公表してきた数値が信頼できるかどうか、確認するのが最優先。
 なぜこのような不適切な統計調査が行われたかについて、並行して調査する必要がある。調査数を減らそうとする背景は、データを収集、処理する人やシステムが足りなかったかもしれない。そこがはっきりするまで、31年度の予算案の審議も進まないだろう。昨年来の公文書改ざんや企業の不正検査が相次いでいるのも、人手不足の観点で考えると、根っこは同じかも知れない。
                             (仲)
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2019年1月 5日 (土)

年初から市場乱高下      ~ゆうてもええかな~

 明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。
 さて、年始に明るい話をしたいところだが、株式市場が荒い展開を見せているのが気になる。
 4日の東京市場は、大発会のご祝儀もなく452円安で、2万円の大台を切って引けた。海外市場は3日から取引が始まっていたが、アップルが中国向け販売不振で業績予想を下方修正したため、中国経済の先行き不安が広がり、ニューヨーク市場が下落。また為替市場でも比較的安全な円が買われて円高が進んだこともあって、アップル関連の半導体、電子部品などの銘柄が軒並み下げて引けた。その後4日の取引が始まったニューヨーク市場では、アメリカ国内の12月の雇用統計が市場の予想を上回ったこと、経済指標が好調だと利上げを決めるFRBの動向が不安材料になるところを、FRBのパウエル議長の、経済が弱含みとなった場合に金融引き締め路線を柔軟に見直す姿勢を示したことも安心材料となって、3日の下落分を戻した。週明けの市場動向は持ち直すだろう。
 ただ、米中貿易摩擦が解消したわけではないし、中国市場の動向は楽観視できない。国内では、5月1日の次期天皇陛下即位と改元を迎えるのが好材料だけど、統一地方選挙、参院選、そして消費税増税前の駆け込み需要とその後の需要減を織り込まなくてはいけないから、年間通して上下の激しい市場展開になるだろう。
 東アジア情勢も不透明だ。中国経済が貿易戦争長期化に耐えられるかどうか。金融緩和策をとっているが、良い材料は今のところ見当たらない。韓国経済は政権政策が雇用停滞を招いていて、先行きが見通せない状態。北朝鮮情勢は停滞し、非核化は前進しない。トランプ政権が地域安定化のため仲介に動く気配はない。基本は自国主義なのだから。
 EUも含め、世界的に経済が停滞する気配で、一喜一憂乱高下の市場展開になりそうな気がする。日本企業、消費増税を乗り越えられるか、今年は正念場になる。
                               (仲)
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2018年12月22日 (土)

結果を予測しない事案3件      ~ゆうてもええかな~

 今週は書きたい話がたくさんあるため、順番に触れる。
 16日、札幌市のビルで爆発があり、ビルが倒壊した。原因は入居している不動産仲介業の室内で、室内除菌消臭スプレーを120本一気に処分した後、給湯器を使おうとして爆発したとみられている。経緯詳細は避けるが、一部報道ではスプレーに引火性ガスを使用しており、缶には火気厳禁などの注意喚起表示がされている。120本一気に室内で噴射したら、火事になるくらいのことは予測できたはずだ。
 20日、アメリカのマティス国防長官が来年2月末に辞任することが分かった。トランプ大統領とシリア駐留米軍撤収で対立があったとのことだが、国際協調を重視したマティス国防長官が去ると、今でさえ、イラン核合意からの離脱やイスラエル大使館移転など、自国主義を海外でも展開する大統領を止める者が居なくなる。後任次第だが、国防、国際協調、同盟関係を維持するブレーキ役を据えないと、政権混迷を招く結果になるだろう。
 20日、日本海で韓国海軍の駆逐艦から海上自衛隊の哨戒機に射撃用の火器管制レーダーを照射された。韓国国防省は、北朝鮮の遭難漁船を捜索するために火器管制レーダーを使用したと主張している。哨戒機への照射は故意ではないという。ただ、火器管制レーダーは、砲弾やミサイルを発射する前に狙いをつけるための機器で、照射された方は狙われていると考える。韓国の報道では、軍関係者が、日本の反応は多少、度を越している側面があるとの認識を示したというが、それならそれで説明と冷静な対処が必要だろう。日韓は同盟関係にある。故意なら同盟関係にヒビが入る。故意でないなら、自衛隊機に向けた物ではなくても、通告があってしかるべきだろう。それでなくても日韓関係がぎくしゃくしているときに、対応の遅れがどのような結果になるか、考えていないのではないかと見られても仕方あるまい。
 深刻度や内容が全く異なる事件だが、結果予測に関して共通していると思う。
 来週は年末ですので、休載します。今年もおつきあいくださりありがとうございました。
 来年は1月5日頃から再開する予定です。よろしくお願いします。
                           (仲)
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2018年12月15日 (土)

消費税増税前のあの手この手      ~ゆうてもええかな~

 自民、公明両党は14日、2019年度与党税制改正大綱を正式に決定した。来年10月の消費増税の対策として、自動車や住宅に関する減税を実施することを柱に据えている。
 消費税増税を来年10月と明記する一方、自動車関連は、自動車税を減税する。一方で現行のエコカー減税を大幅に縮小する。住宅関係では、ローン残高に応じて所得税などを安くする控除期間を10年間から13年間に延長する。また、消費増税に伴い導入する軽減税率分を、所得税やたばこ税の増税などで補う。シングルマザーなど未婚のひとり親の住民税軽減措置を盛り込む。
 地方法人課税の地域格差是正として、大都市圏から地方への再配分を上積みする。東京都などは税収減となり、その分は国が地方交付税交付金の原資とする。
 トータルで見るなら、税制だけでなく歳出も合わせて考える必要がある。政府は14日、2020年度までの3年間に講じる総事業費約7兆円規模の国土強靱化緊急対策を決定した。国費約3.6兆円を投入し、羽田空港、関西空港などの浸水対策や約120河川の堤防強化などを進める。防災対策だが、公共工事をやるわけで、即ち景気対策も含まれる。
 こうして見ると、消費税増税に向けた産業界への対策、地方への対策てんこ盛りで、実効が有るか無いかに関わらず、来年の統一地方選と参院選を戦うためのアピール材料作りの側面が色濃く出ている。消費増税はあるが、減税と公共事業の費用は明示されておらず、財政再建は後回しになっている。具体的に見れば、防災はやってもらう必要があるが、与党税制大綱に盛り込まれた負担軽減内容で恩恵を受けるのは、個人レベルだと自動車や住宅を買う人が主で、買う予定がない人には、消費税増税の負担がのしかかる。
 将来的な社会保障を見据えての増税なのだが、導入時のインパクト回避で恩恵を受けるのは企業が主。産業界の要請を組み込んだ減税だけど、消費者としては、その分給料が増えないと、消費税増税分はマイナス。家計の健全化には、買い控え以外の手段を思いつかない。これ、実感。
                             (仲)
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2018年12月 8日 (土)

急ぐのは入管法改正だけでなく      ~ゆうてもええかな~

 外国人労働者の受け入れ拡大に向けた改正出入国管理法が、8日未明の参院本会議で採決され、賛成多数で可決、成立した。来年4月1日に施行される。
 以前この欄で、具体案を後出しで4月施行というのは無理があるのでは、と書いた。詳細は今後政省令で定めるとなっているから、現時点で、海外からの労働者の待遇は決まっていない。短期低賃金労働力が欲しいのか、戦力育成を目指すのかは、個々の企業の判断によるし、待遇は受け入れる企業のコンプライアンス、統制にゆだねることになる。国の成長戦略になり得るか、成立した今でも判別できない。経済界はおおむね歓迎のようだが。
 現在の臨時国会で、他にも経済界寄りの法改正が行われている。改正水道法が6日の衆院本会議で採決され、賛成多数で可決、成立した。これは経営悪化が懸念される水道事業の基盤強化が主な目的で、ポイントは民間参入。自治体が公共施設や設備の所有権を持ったまま運営権を長期間、民間に売却できる。自治体の負担は軽減されるが、赤字になると水道料金値上げや水質悪化のリスクがある。
 改正漁業法が8日未明の参院本会議で賛成多数で可決され、成立した。運用の仕組みなどを定め、公布から2年以内に施行する。ポイントは、船ごとに漁獲量を割り当てる資源管理の導入と、養殖・定置網の二つの漁業権の地元優先枠撤廃。民間企業が養殖業などに参入しやすくする。これも成長戦略、規制緩和の一環と位置づけているが、漁業は水質を含む環境と密接につながっている。地元の環境対策に取り組む姿勢が参入企業に求められる。
 これら法改正は、企業向けではあるが、政権の本音は参院選対策で、来年10月の消費税増税で失う支持を引き戻すためだから、来年の通常国会では遅い。臨時国会閉会前に成立させるために採決を急いだ。目先の選挙対策でしかない。
 労働力も、水道事業も、水産資源も、持続性が重要。そこを国会は審議できただろうか。
                             (仲)
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2018年12月 1日 (土)

元徴用工判決で課題を背負ったのは      ~ゆうてもええかな~

 第二次大戦中に徴用された韓国人の元徴用工らが三菱重工業に損害賠償を求めた2件の訴訟の上告審で、韓国の最高裁に当たる大法院は29日、三菱重工業の上告を棄却し、死亡した5人を含む原告10人に損害賠償を命じる判決を言い渡した。大法院は10月30日、元徴用工の賠償請求訴訟で、新日鉄住金に賠償を命じる判決を確定させている。
 日本政府は1965年の日韓請求権協定で解決したとの立場で反応している。韓国政府は、判決を尊重するとしつつも対応策を急ぐ方針だ。司法判断に反することはできない。新日鉄住金と三菱重工業と原告が和解できなければ、韓国内の資産を差し押さえて強制執行に及ぶ可能性がある。同様の訴訟の審理が進んでおり、この2例が判例となるため損害賠償を認める判断が続くとみられる。被告敗訴、強制執行があとの訴訟でも続けば、70社に及ぶ被告法人の韓国内での経済活動が成り立たない。それを回避するための対応策を、資産差押になる前に考えなければならない。
 司法判断についてここでは論じない。論じるに足る法的知識も外交的知識も無い。
 とにかく、審判は下った。この事実は変えられない。ただ、経済面と外交面で見るならば、これは政治課題である。日本側は韓国政府の対応を求めるため強気の圧力をかけている。元慰安婦関連財団解散が決定して基金拠出が受け入れられない現状で、対応案を出すのが難しい。
 韓国政府はというと、これも対応に困っているように見える。韓国政府側からのコメントが、判決を尊重する、対策を検討する、としか伝わってこないから。韓国政府が単独で対応することは国民が納得せず、日本政府と被告企業が何らかの形で関わることを望むはず。ただ、企業側が韓国から撤退して経済にダメージを負うことはしたくない。韓国経済は文在寅政権の最低賃金上昇政策の影響で企業収益が落ち、景気が下降傾向にある。日韓関係が冷え込んで景気悪化に追い打ちをかけることはしたくない。
 ここは改めて知恵と政治判断が、日韓両政府の課題だ。どちらかでなく、両政府の課題である。
                             (仲)
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