ウクライナ情勢は動くか ~ゆうてもええかな~
ロシアがウクライナに侵攻してから1ヶ月が過ぎ、首都キエフへの侵攻状況は鈍化、あるいは停滞しているように見える。ウクライナ軍の反撃が厳しいようだ。
兵力ではロシア軍が上回っているものの、制空権を完全に掌握できている状況ではなく、地上部隊での侵攻が目論見通り進んでいないということらしい。ウクライナは米欧諸国の助力で情報戦では有利に立っているため、ロシア兵や戦車隊の位置を特定して攻撃を加えていることで、侵攻を食い止めているのだという。
ロシアとウクライナの停戦交渉は進展していない。武装解除と中立を求めるロシアと即時停戦を求めるウクライナ側との溝は深く、他の部分で仮に合意できたとしても、武装解除後のウクライナの安全保障体制確率の目途が立たない状態での合意は成り立たない。
侵攻が長期化し膠着する状況が続けば、プーチン政権が苦しくなってくる。欧米諸国を中心とした経済制裁やロシア国内の情報統制のあおりを受けて、主に西側の情報を入手できるロシア政権上層部や富裕層にの反プーチンの動きが強まってくると、政権基盤が揺らぐ。今のところ目立った成果が乏しい状況で停戦したとすると、プーチン大統領のメンツがつぶれ、政権運営での抑えが効かなくなる。権威失墜は失脚へつながる。
何としてでも権力維持のための成果が欲しいロシア側は、ウクライナの首都キエフ攻略を現状でとどめて、東部のロシアとの国境付近のドンバス地方攻略に注力し、ウクライナ東部から南部クリミア半島に至る地域の実効支配を確実にする方針に切り替えたとみられ、この地域の要衝であるマリウポリ奪取に注力している。苛烈な砲撃や市民への無差別攻撃あどで膝射負傷者多数、住民を強制的にロシアへ移送しているとの報道もある。マリウポリは一部ロシア軍が掌握したとも、市長が市外へ逃れたとも伝わっていて、戦闘が激しさを増している。
プーチン政権の焦りが見える昨今、また厳しい状況を迎えている。
(仲)