« 景気動向指数判断引き下げはブレか実態か      ~ゆうてもええかな~ | トップページ

2019年3月16日 (土)

イギリスEU離脱のこじれ具合      ~ゆうてもええかな~

 イギリス議会下院は14日、3月末に予定されたイギリスのEUからの離脱の延期を問う採決を行い、賛成多数で可決した。EUの同意が必要となるものの、EUとしても合意無き離脱は避けたいところで、延期は濃厚となった。メイ政権は20日までに協定案の3度目の採決に挑む方針だ。
 土壇場でEU離脱がこじれているのは、先にEUと協議した協定案について、イギリス議会で支持する勢力が多数派となっていないため。反対派の最大の理由が、アイルランドとの国境管理を巡る協定である。アイルランドは、イギリス領北アイルランドと接している。1960年代以降にこの地域で北アイルランド紛争、苛烈な宗派対立が起きている。イギリスがEUから離脱すると、北アイルランドと、EU加盟国のアイルランドは国境を隔てた別の国になるが、この線引きが対立激化、北アイルランド紛争再発につながることを防ぐため、検問所設置など厳格な国境を設けないことで、イギリスとEUが合意している。ただし具体策が決まっていない。即ち、当面は北アイルランド国境を通して人や物の往来が自由なわけで、離脱協定案では2020年末までの移行期間の間に国境管理の具体策が決まらない場合、保険的な措置として、具体策が見つかるまで北アイルランドを含むイギリス全体がEUの関税同盟に残ることとした。この点が、イギリス議会で批判されている。EUを離脱したのに、貿易面ではEUに残留となる。そもそも東欧からの移民対策でEU離脱を主張する強硬派は、即時離脱、合意無き離脱を主張し、議論となっている。
 合意無き離脱の場合、今月末からいきなり税関手続きが必要となり、EUへの入出国や輸出入が滞ることになるとみられている。商品の欠品や関税分の値上げなど、経済活動に影響が出かねず、ホンダ、トヨタ、日産に続いてイギリスから撤退、移転する動きも続く事態となれば、EU残留を訴える勢力も入り交じって、出口が見えなくなっている。
 EUは、合意無き離脱はEUのダメージも大きいから避けたいが、かといって人や物の移動の自由に関して妥協する余地は無い。今月中に、着地点が探せるか、綱渡りの状態が続く。
                             (仲)
                              戻る

« 景気動向指数判断引き下げはブレか実態か      ~ゆうてもええかな~ | トップページ