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2019年3月30日 (土)

統一地方選、立候補者減少      ~ゆうてもええかな~

 平成の次の元号発表が間近に迫り、天皇退位、新天皇即位の儀式に向け、マスコミは時代の変化を喧伝している。ここでは、次の世代を担う選挙に触れる。
 21日、11道府県知事選、6政令指定市長選が告示された。それに続き、29日、41道府県議選と17政令指定市議選が告示された。どちらも投開票は4月7日で、これが統一地方選の前半戦となる。後半戦は、市長選、特別区長選、市町村議選が、21日投開票で行われる。
 注目は、自民党が勝つか負けるか。公明党と合わせた与党が地方で信任されているか。大阪府知事、大阪市長選は地域固有の事情なので論評しない。それ以外の道府県知事選や政令指定市長選でどのような結果になるかが一つのポイントで、夏の参院選を占う選挙と言われている。
 道府県議選の情勢も抑えておきたいところだが、既に当選者が612人決まった。全国の定数が合わせて2277人。そのうち立候補者が定数を超えず、無投票で当選が決まったのが612人。4人に1人が無投票当選で、過去最高となった。具体的に見ると、岐阜県で22選挙区のうち16の選挙区で無投票となり、総定員46人のうち22人がすでに当選を決めた。香川県では、13選挙区のうち9の選挙区で無投票となり、総定員41人のうち19人の当選が決まった。
 旧民進党分裂で野党の地方組織力が低下しているのもあるようだが、候補者のなり手不足も指摘されている。議員専業ならいざ知らず、一般の人達が自身の職を続けながら立候補するのは、負担が大きい。地方では地盤がものを言う。都市部では当選ラインの票数が大きくてハードルが高い。一般の職に就いている人が兼業で立候補するのは難しく、その結果、組織に属する専業議員、特に野党の組織が擁立する議員が減れば、現職に対抗できる候補が立ちづらい傾向にある。
 地方自治の時代ではあるが、選挙権を行使できない選挙区が増えれば、結局は中央集権の構図は崩せなくなる。議員の兼職兼業には制限があって、この傾向は後半戦、市町村議選でも続くとみられる。地方から声を上げづらい時代は、勘弁願いたい。

                             (仲)

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2019年3月23日 (土)

化学工場爆発と企業の危機管理      ~ゆうてもええかな~

 中国東部の江蘇省塩城市内の化学工場で21日午後、大きな爆発が起きた。従業員と周辺住民が被害に遭い、少なくとも47名が死亡、600名以上が負傷した。すでに鎮火しているが引火性の化学物質が残っている可能性があり、周辺住民ら4000人が避難しているという。
 事故原因などは当局が捜査するだろうし、この事故そのものについては論評しない。ここでは事故発生時の企業の対応を考えておく。
 このような事故が発生したとき、製造業の購買担当は一斉に、仕入れ先に対して事故の影響を問い合わせる。化学メーカーに限らず、どの業種でも、仕入れている原材料の供給が止まらないか確認する。事故を起こした工場と取引が無くても、仕入れ先、その仕入れ先へと遡ると、どこかで影響を受けている場合がある。ここ10年くらいで頻繁に耳にするようになった、サプライチェーンを意識したリスク管理の考え方である。
 製造業の原材料の多くは、鉱物や生物などの資源からスタートする。一部、リサイクルもある。これらの資源を精製して加工して、原材料を作る。今回の工場は農薬の原料を製造していたらしく、その原料を仕入れた企業が農薬あるいは別の製品を製造して、それを仕入れて、最後はユーザーに販売する。仕入れ・加工・販売の流れで複数の企業が連なっているから、どこかで供給が止まると販売する製品の製造が止まる。だから最近では、企業の購買担当が、購入業者に対して、仕入れ先を調査してサプライチェーンが途切れることがないよう対応を求めるケースが増えている。
 化学工業は成熟、衰退期に入って淘汰が進み、遡れば原料の供給元は数社しかないケースも多々ある。だから事故があると、事故を起こした当事者でなくても、製造量が一時的に減るから、必要量確保が難しくなる。工場の事故以外に、地震水害紛争などがあれば、操業停止や流通停滞で原材料の入手が困難になる。サプライチェーンは国境関係なく、企業の危機管理に組み込まれている。
 当然、事故を起こした企業はサプライチェーンから外される。事故を起こさない管理が必須だ。

                            (仲)

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2019年3月16日 (土)

イギリスEU離脱のこじれ具合      ~ゆうてもええかな~

 イギリス議会下院は14日、3月末に予定されたイギリスのEUからの離脱の延期を問う採決を行い、賛成多数で可決した。EUの同意が必要となるものの、EUとしても合意無き離脱は避けたいところで、延期は濃厚となった。メイ政権は20日までに協定案の3度目の採決に挑む方針だ。
 土壇場でEU離脱がこじれているのは、先にEUと協議した協定案について、イギリス議会で支持する勢力が多数派となっていないため。反対派の最大の理由が、アイルランドとの国境管理を巡る協定である。アイルランドは、イギリス領北アイルランドと接している。1960年代以降にこの地域で北アイルランド紛争、苛烈な宗派対立が起きている。イギリスがEUから離脱すると、北アイルランドと、EU加盟国のアイルランドは国境を隔てた別の国になるが、この線引きが対立激化、北アイルランド紛争再発につながることを防ぐため、検問所設置など厳格な国境を設けないことで、イギリスとEUが合意している。ただし具体策が決まっていない。即ち、当面は北アイルランド国境を通して人や物の往来が自由なわけで、離脱協定案では2020年末までの移行期間の間に国境管理の具体策が決まらない場合、保険的な措置として、具体策が見つかるまで北アイルランドを含むイギリス全体がEUの関税同盟に残ることとした。この点が、イギリス議会で批判されている。EUを離脱したのに、貿易面ではEUに残留となる。そもそも東欧からの移民対策でEU離脱を主張する強硬派は、即時離脱、合意無き離脱を主張し、議論となっている。
 合意無き離脱の場合、今月末からいきなり税関手続きが必要となり、EUへの入出国や輸出入が滞ることになるとみられている。商品の欠品や関税分の値上げなど、経済活動に影響が出かねず、ホンダ、トヨタ、日産に続いてイギリスから撤退、移転する動きも続く事態となれば、EU残留を訴える勢力も入り交じって、出口が見えなくなっている。
 EUは、合意無き離脱はEUのダメージも大きいから避けたいが、かといって人や物の移動の自由に関して妥協する余地は無い。今月中に、着地点が探せるか、綱渡りの状態が続く。
                             (仲)
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2019年3月 9日 (土)

景気動向指数判断引き下げはブレか実態か      ~ゆうてもええかな~

 景気動向指数の1月の基調判断について内閣府は7日、これまでの『足踏み』から『下方への局面変化』に引き下げた。前月差マイナス2.7ポイントと3か月連続で低下したためで、過去の推移を基準に照らして見た場合の結果である。
 これで景気悪化に向かうかどうかの判断は下せない。一休みしてまた足踏み、緩やかな上昇に転じるケースもある。政府は景気拡大が続くと思いたいし、そうでなければ10月の消費増税のダメージを吸収できずに景気悪化に転落する怖れがある。それに対して野党は、アベノミクスの効果が止まって景気後退局面に入ったと攻撃材料にしたい。消費税引き上げ延期もしくは阻止で、夏の参院選に入りたい思惑が透ける。
 1月の基調判断は下方への局面変化としたが、2月以降の景気動向指数を見ないと、一時的に下がったブレか、景気後退局面に入ったかの判断はできない。だから実態を考えておこう。
 国内の消費は堅調で、世帯当たりの消費支出は増加しており、設備投資も災害復興込みではあるが悪くない。下押ししているのは輸出で、特に中国向けが低調である。ただし、中国の場合、2月5日が春節で、1月は年末になる。年末の在庫調整の可能性があり、その影響が大きいなら短期のブレで済む。米中貿易摩擦に端を発した中国経済減速の影響が大きいなら、米中間の隔たりが埋まらず交渉が難航しているため、日本への影響も大きく、景気後退が顕著になる怖れがある。
 今年の輸出は弱含みで、中国と、英国離脱問題のEUも停滞している様子。自動車が電気自動車への転換期で、スマートフォンが一巡して電子業界も牽引役がいない。国内消費は、ゴールデンウィークの10連休への期待がある。一方で、原材料高騰による販売価格の引き上げ、人手不足による小売業の営業時間短縮の動きが見え、10月の消費増税での買い控えが予想され、このマイナス面を補填できるかがポイント。
 景気実態も2月3月以降の数値を見ないと判断できない。輸出が厳しいのは確実だけど。
                               (仲)
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2019年3月 2日 (土)

米朝会談で泣いた国笑った国

 27、28日の2日間ハノイで行われた米朝首脳会談で、両首脳は合意せず、昼食会と合意文書署名を取りやめた。トランプ大統領は2時間前倒しで記者会見し、早々に帰国した。
 注目を集めた首脳会談で、何を話したのか、詳細はもちろん出てこないが、その後の報道を見ると、金正恩委員長が非核化について提案をし、見返りに経済制裁の何らかの解除を求めた、それはアメリカにとって容認できず、合意に至らなかったようだ。
 北朝鮮、金正恩委員長のダメージが大きいと見る。非核化提案内容は、報道では寧辺の廃棄可能な施設にとどめ、他の核施設を出さず。そして経済制裁の一部または全部の解除を求めたところ、経済制裁が解除せず、国連決議も現状維持。金正恩委員長が直接交渉したのにトランプ大統領を動かせず実質ゼロ回答だったために、国内権力基盤の弱体化を回避する算段が必要になってくる。
 トランプ大統領は、ロシア疑惑の追及を受け、外交での得点稼ぎを狙っていたが、完全非核化ではない提案で妥協することはできず、最少失点に抑えた形だ。北朝鮮が武力による瀬戸際外交に戻る可能性があるなら、締め付けを強めるだろうが、2回の会談で米朝関係を改善する流れを断ち切る冒険はしないと読んだ。だから制裁維持で時間をかけ、非核化の譲歩を引き出す方を選んだ。
 関係国でダメージが大きかったのは韓国だろうか。文在寅政権は、南北融和を掲げて開城工業団地再開など南北の交流事業で政権浮揚を図っていたが、制裁継続で全く動けなくなってしまった。交流策を考えても、非核化進まぬ北朝鮮への制裁緩和はアメリカが許さず、国連決議違反となれば、韓国も孤立する。
 中国は織り込み済みだろう。自国の経済政策の方が優先度が高い。
 日本は。トランプ大統領が安易な妥協をせず、良くも悪くも現状維持。拉致問題の進展が無く、でも北朝鮮が頼ってくるとは思えない。日本海の警備が今まで以上に重要になるかも。
 各国の出方は、これから明らかになる。3回目の米朝会談は、朝鮮半島非核化が宿題になる。
                             (仲)
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