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2018年12月22日 (土)

結果を予測しない事案3件      ~ゆうてもええかな~

 今週は書きたい話がたくさんあるため、順番に触れる。
 16日、札幌市のビルで爆発があり、ビルが倒壊した。原因は入居している不動産仲介業の室内で、室内除菌消臭スプレーを120本一気に処分した後、給湯器を使おうとして爆発したとみられている。経緯詳細は避けるが、一部報道ではスプレーに引火性ガスを使用しており、缶には火気厳禁などの注意喚起表示がされている。120本一気に室内で噴射したら、火事になるくらいのことは予測できたはずだ。
 20日、アメリカのマティス国防長官が来年2月末に辞任することが分かった。トランプ大統領とシリア駐留米軍撤収で対立があったとのことだが、国際協調を重視したマティス国防長官が去ると、今でさえ、イラン核合意からの離脱やイスラエル大使館移転など、自国主義を海外でも展開する大統領を止める者が居なくなる。後任次第だが、国防、国際協調、同盟関係を維持するブレーキ役を据えないと、政権混迷を招く結果になるだろう。
 20日、日本海で韓国海軍の駆逐艦から海上自衛隊の哨戒機に射撃用の火器管制レーダーを照射された。韓国国防省は、北朝鮮の遭難漁船を捜索するために火器管制レーダーを使用したと主張している。哨戒機への照射は故意ではないという。ただ、火器管制レーダーは、砲弾やミサイルを発射する前に狙いをつけるための機器で、照射された方は狙われていると考える。韓国の報道では、軍関係者が、日本の反応は多少、度を越している側面があるとの認識を示したというが、それならそれで説明と冷静な対処が必要だろう。日韓は同盟関係にある。故意なら同盟関係にヒビが入る。故意でないなら、自衛隊機に向けた物ではなくても、通告があってしかるべきだろう。それでなくても日韓関係がぎくしゃくしているときに、対応の遅れがどのような結果になるか、考えていないのではないかと見られても仕方あるまい。
 深刻度や内容が全く異なる事件だが、結果予測に関して共通していると思う。
 来週は年末ですので、休載します。今年もおつきあいくださりありがとうございました。
 来年は1月5日頃から再開する予定です。よろしくお願いします。
                           (仲)
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2018年12月15日 (土)

消費税増税前のあの手この手      ~ゆうてもええかな~

 自民、公明両党は14日、2019年度与党税制改正大綱を正式に決定した。来年10月の消費増税の対策として、自動車や住宅に関する減税を実施することを柱に据えている。
 消費税増税を来年10月と明記する一方、自動車関連は、自動車税を減税する。一方で現行のエコカー減税を大幅に縮小する。住宅関係では、ローン残高に応じて所得税などを安くする控除期間を10年間から13年間に延長する。また、消費増税に伴い導入する軽減税率分を、所得税やたばこ税の増税などで補う。シングルマザーなど未婚のひとり親の住民税軽減措置を盛り込む。
 地方法人課税の地域格差是正として、大都市圏から地方への再配分を上積みする。東京都などは税収減となり、その分は国が地方交付税交付金の原資とする。
 トータルで見るなら、税制だけでなく歳出も合わせて考える必要がある。政府は14日、2020年度までの3年間に講じる総事業費約7兆円規模の国土強靱化緊急対策を決定した。国費約3.6兆円を投入し、羽田空港、関西空港などの浸水対策や約120河川の堤防強化などを進める。防災対策だが、公共工事をやるわけで、即ち景気対策も含まれる。
 こうして見ると、消費税増税に向けた産業界への対策、地方への対策てんこ盛りで、実効が有るか無いかに関わらず、来年の統一地方選と参院選を戦うためのアピール材料作りの側面が色濃く出ている。消費増税はあるが、減税と公共事業の費用は明示されておらず、財政再建は後回しになっている。具体的に見れば、防災はやってもらう必要があるが、与党税制大綱に盛り込まれた負担軽減内容で恩恵を受けるのは、個人レベルだと自動車や住宅を買う人が主で、買う予定がない人には、消費税増税の負担がのしかかる。
 将来的な社会保障を見据えての増税なのだが、導入時のインパクト回避で恩恵を受けるのは企業が主。産業界の要請を組み込んだ減税だけど、消費者としては、その分給料が増えないと、消費税増税分はマイナス。家計の健全化には、買い控え以外の手段を思いつかない。これ、実感。
                             (仲)
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2018年12月 8日 (土)

急ぐのは入管法改正だけでなく      ~ゆうてもええかな~

 外国人労働者の受け入れ拡大に向けた改正出入国管理法が、8日未明の参院本会議で採決され、賛成多数で可決、成立した。来年4月1日に施行される。
 以前この欄で、具体案を後出しで4月施行というのは無理があるのでは、と書いた。詳細は今後政省令で定めるとなっているから、現時点で、海外からの労働者の待遇は決まっていない。短期低賃金労働力が欲しいのか、戦力育成を目指すのかは、個々の企業の判断によるし、待遇は受け入れる企業のコンプライアンス、統制にゆだねることになる。国の成長戦略になり得るか、成立した今でも判別できない。経済界はおおむね歓迎のようだが。
 現在の臨時国会で、他にも経済界寄りの法改正が行われている。改正水道法が6日の衆院本会議で採決され、賛成多数で可決、成立した。これは経営悪化が懸念される水道事業の基盤強化が主な目的で、ポイントは民間参入。自治体が公共施設や設備の所有権を持ったまま運営権を長期間、民間に売却できる。自治体の負担は軽減されるが、赤字になると水道料金値上げや水質悪化のリスクがある。
 改正漁業法が8日未明の参院本会議で賛成多数で可決され、成立した。運用の仕組みなどを定め、公布から2年以内に施行する。ポイントは、船ごとに漁獲量を割り当てる資源管理の導入と、養殖・定置網の二つの漁業権の地元優先枠撤廃。民間企業が養殖業などに参入しやすくする。これも成長戦略、規制緩和の一環と位置づけているが、漁業は水質を含む環境と密接につながっている。地元の環境対策に取り組む姿勢が参入企業に求められる。
 これら法改正は、企業向けではあるが、政権の本音は参院選対策で、来年10月の消費税増税で失う支持を引き戻すためだから、来年の通常国会では遅い。臨時国会閉会前に成立させるために採決を急いだ。目先の選挙対策でしかない。
 労働力も、水道事業も、水産資源も、持続性が重要。そこを国会は審議できただろうか。
                             (仲)
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2018年12月 1日 (土)

元徴用工判決で課題を背負ったのは      ~ゆうてもええかな~

 第二次大戦中に徴用された韓国人の元徴用工らが三菱重工業に損害賠償を求めた2件の訴訟の上告審で、韓国の最高裁に当たる大法院は29日、三菱重工業の上告を棄却し、死亡した5人を含む原告10人に損害賠償を命じる判決を言い渡した。大法院は10月30日、元徴用工の賠償請求訴訟で、新日鉄住金に賠償を命じる判決を確定させている。
 日本政府は1965年の日韓請求権協定で解決したとの立場で反応している。韓国政府は、判決を尊重するとしつつも対応策を急ぐ方針だ。司法判断に反することはできない。新日鉄住金と三菱重工業と原告が和解できなければ、韓国内の資産を差し押さえて強制執行に及ぶ可能性がある。同様の訴訟の審理が進んでおり、この2例が判例となるため損害賠償を認める判断が続くとみられる。被告敗訴、強制執行があとの訴訟でも続けば、70社に及ぶ被告法人の韓国内での経済活動が成り立たない。それを回避するための対応策を、資産差押になる前に考えなければならない。
 司法判断についてここでは論じない。論じるに足る法的知識も外交的知識も無い。
 とにかく、審判は下った。この事実は変えられない。ただ、経済面と外交面で見るならば、これは政治課題である。日本側は韓国政府の対応を求めるため強気の圧力をかけている。元慰安婦関連財団解散が決定して基金拠出が受け入れられない現状で、対応案を出すのが難しい。
 韓国政府はというと、これも対応に困っているように見える。韓国政府側からのコメントが、判決を尊重する、対策を検討する、としか伝わってこないから。韓国政府が単独で対応することは国民が納得せず、日本政府と被告企業が何らかの形で関わることを望むはず。ただ、企業側が韓国から撤退して経済にダメージを負うことはしたくない。韓国経済は文在寅政権の最低賃金上昇政策の影響で企業収益が落ち、景気が下降傾向にある。日韓関係が冷え込んで景気悪化に追い打ちをかけることはしたくない。
 ここは改めて知恵と政治判断が、日韓両政府の課題だ。どちらかでなく、両政府の課題である。
                             (仲)
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