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2018年10月20日 (土)

免震機器検査改ざん、業界の代償      ~ゆうてもええかな~

 油圧機器KYBと製造子会社が、免震・制振オイルダンパーの検査データを改ざんし、本来合格では無いオイルダンパーが出荷されていたことが分かった。KYBは19日、国土交通省の基準や顧客の性能基準に合わない装置が使われた疑いのある物件が1095件あることを公表した。具体的な建築物の名称は持ち主の了解を得る必要があるため、開示は70件に留まっているが、了解が取れ次第順次公表するという。
 免震装置は、建物の地下で建物の揺れを吸収する目的で設置されていて、点検や交換のために人が近づくことが容易だ。制振ダンパーの方は、建物の骨組みを支える形で組み込まれていて、壁と一体化している場合、交換が容易ではない。最悪、壁をはがしての工事になる。現在、建築業界は人手や資材の不足が深刻で、代替品の生産が追いつかず、全交換には2年以上かかるとされる。
 建物の持ち主や住人が怒るのはもっともだし、国の基準を満たさないもの、顧客要求を満たさないものを出荷した疑いに関して同情の余地は無い。その上で、業界全体のリスク管理という観点から見てみたい。
 KYBは国内シェア45%の大手である。その大手でも、生産計画を維持するために検査結果を改ざんした。不適合品の出荷を止めれば、欠品、納期遅延になり、建築物の完成にも遅れが生じるだろう。需要に対して供給が不足していることは容易に想像できる。納入先、そしてその先の建設業者、施工主が納期遅延のリスクへの対応を考慮していただろうか。
 部品メーカーから加工業者を経て完成品をユーザーに納めるまでの一連の流れ、サプライチェーンでリスクを考える。建設業界は、発注から引き渡しまでの期間が長く、部品や材料での納期遅延で後々の建築日程に影響する。そのリスク、誰が引き受けるのか。たいてい、立場の弱いところにリスクが集中する。その結果が今回の改ざんだとすれば、建設業界は信頼失墜という代償を負う。
 業界全体でリスク管理を考えないと、東京五輪後にいろんな不具合が吹き出すんじゃないかな。
                              (仲)
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