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2018年6月30日 (土)

TPP11法案と米国保護主義      ~ゆうてもええかな~

 サッカーワールドカップで世間は盛り上がっているが、ここでは国会審議をチェックしたい。
 通常国会は会期末に会期延長し、7月22日まで審議を続ける。働き方改革関連法案など、重要法案を通すためとだが、そもそも森友・加計問題で空転したから審議が遅れたためで、延長期間を抑えるなら理屈も通るが、カジノ含むIR法案と、参院議員定数6増法案成立までねじ込むためで、総裁選をにらんだ自民党の駆け引きに巻き込まれた感が強い。
 さて本題。29日参院本会議で働き方改革法案とTPP11関連法案が可決、成立した。ここではTPP11関連法案を見る。TPP協定は米国が脱退し11カ国で交渉をまとめ、各国の国内法整備などで発効する。今回の関連法案成立は日本の国内手続きであるが、直近の米国保護政策の方針転換があれば、見直しや再交渉もあり得る。
 米中関税報復合戦が繰り広げられている状況に次いで、EUとも鉄鋼・アルミ製品高関税への報復関税に発展した。鉄鋼・アルミ製品に加え、米国産品に高関税が課せられた。その影響の象徴として注目されているのが、バイクメーカー、ハーレーダビッドソンだ。TPP離脱を受け昨春、環太平洋地域への輸出向けにタイ工場建設を決めた。今回のEU報復関税に対応するため、25日、欧州向けの生産を米国外に移すと表明した。トランプ大統領は怒りのツイッターを連発しているが、米国内の市場が縮小し国外市場に活路を見いだしたい企業にとって、報復関税は障害になる。
 米国内の雇用を守るための保護主義政策が、結果的に海外市場での競争力を削ぎ、国内での生産を圧迫しかねない状況になっている。EU報復関税の対象は、リーバイスのジーンズやバーボンウイスキーなども含まれる。今年の中間選挙での結果次第では、米国貿易政策の転換もあるだろう。
 日本は、米国が関わる通商戦争にどう対応するのか。TPP11が安定形態ではなく、米欧中のそれぞれの通商圏保護に、日本の産業は立ち向かえるだろうか。働き方改革は必要な部分はあるが、産業振興、働く場所を確保するのも政府の仕事だと思う。IR? 産業としては限定的だね。
                             (仲)
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2018年6月23日 (土)

地震被害はブロック塀に限らず      ~ゆうてもええかな~

 18日朝、大阪北部を震源とする最大震度6弱を記録した強い地震で、大きな被害となった。死者5名、負傷者400名余り、建築物の被害は大阪府内だけで3164棟を超えた。停電最大17万戸、10万戸以上でガスが止まり、水道管破損による断水が相次いだ。鉄道が運休し混乱が終日続いたほか、操業を停止する工場が複数あった。
 小学校のブロック塀が倒れて登校中の女児が下敷きになり亡くなった件が大きく報道され、全国各地で学校施設などのブロック塀の点検や補修の報道が多く聞かれる。それ自体はいいことだし、建築基準法の基準を満たしていないブロック塀が多数見つかり、過去の点検がずさんだった例は人災の可能性もあるから、この際きっちり見直すのは当然のこと。ただ、地震被害はブロック塀だけではないので、公共の建築物、教育機関の建物全体の耐震性を改めて点検する必要があろう。
 阪神大震災、東日本大震災を経て、校舎の耐震補強は進んだ。今回の大阪北部地震は、マグニチュードは6.1程度、活断層帯として知られる地域で断層が動いた直下型地震である。大阪府で震度6弱以上を記録したのは、大正12年観測を開始して以来初めてのことのようだが、阪神大震災で震度5を経験している。当時の大阪北部は家屋の被害は南部より少なかった。
 水道が破損した箇所が多かったのは、耐用年数の40年を経過した古い水道管が多かったから。電気やガスは、近畿地区に供給する企業で、いわば阪神大震災から復旧した基準を横展開している。水道、小中学校の管理は自治体単位で、最近の近隣地域の被災情報や施設更新の監督指示が周知されていただろうか。費用や人手、工事期間の断水影響などの都合で、先送りにしていたことはなかったか。
 計画して順次更新しているところでの被災であれば、ここでの指摘は無知故の暴言になるので謝罪する。もし行政の過失があって被害が大きくなったのであれば、他の地域の教訓とすべきだ。日本ではどこでも大きな地震が起こりうるのだから。
                            (仲)
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2018年6月16日 (土)

笛吹けど踊らぬ民泊      ~ゆうてもええかな~

 住宅に有料で人を泊める民泊のルールを定めた住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法が15日に施行された。都道府県等に届け出が必要で、施行初日の届出数は全国的に低調だったようだ。
 政府は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックでのホテル不足、地方での宿泊施設不足を補い、訪日客を呼び込む戦略の一環と位置づけて法制化した。原則的に、既存の住宅を1日単位で旅行者を有料で泊める施設であり、住居専用地域でも届け出れば年間180日以内の営業ができる。管理者を置き、利用者の安全確保のための非常灯や避難経路を表示し、ゴミ問題など衛生確保、騒音防止のための説明、苦情への対応、宿泊者名簿の作成・備付け、届出済標識の掲示などが義務づけられる。あくまで、民泊新法の規定では。
 旅館業法での営業、例えば民宿であれば、規制をクリアするための費用がかかり、住宅の空き部屋に泊めるような規模では負担が大きすぎる。そこで民泊を定義して、ハードルを下げた新法を施行したが、同時にヤミ営業を認めず摘発する考えを盛り込んだため、面倒な基準になった。それに加え、届け出先が自治体だから、各地の条例でさらに制限されている。自治体としては住民の生活を侵害することを優先し、営業区域、営業期間を限定しているところもある。さらに、消防法との兼ね合いもある。民泊では、営業者の住居の一部を貸し出す場合と、空き家に管理人を置いて貸し出す場合があるが、消防法上、旅館やホテルと同じ分類で消火設備の設置義務がある。住宅と同じ分類になるのは、営業者の住居で営業し、貸し出す床面積が50㎡以下の場合のみ。
 これらの規制を嫌い、無届で営業を行うケースが増えると指摘されている。ヤミ営業が巧妙に地下に潜るだろう、と。訪日客にも、安価な個人経営の宿に泊まり慣れている人もいれば、ホテルが取れず民泊を利用する人もいて、その現地のルールを守る意識がバラバラ。トラブル回避の責任は宿泊を受け入れる側にある。民泊でも、ホストには知識と経験と力量が必要になるはず。行政には新法だけでなくホストを増やすソフト面の対策も考えて欲しい。
                             (仲)
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2018年6月 9日 (土)

がん見落とし再発防止の重要性      ~ゆうてもええかな~

 トランプ大統領はG7サミットに参加し、途中で抜け出して米朝首脳会談に向かう予定で、大きなニュースだけど、まだ何も解決しないと思うから今週は取り上げない。トランプ大統領の外交戦略が見えず、他国首脳と仲良くして仲違いして、その後関係修復できた事例がまだない。関税問題だって、来年以降、米国内の物価上昇懸念がつきまとう。安いものを輸入しないのだから。
 今回は千葉大学病院の問題を取り上げる。千葉大学病院は8日、30~80代の男女9人の患者について、CT検査画像診断の報告内容を医師が見落とすなどしたため、がんの診断が最大約4年遅れ、4人の治療に影響があり、2人が腎臓や肺のがんで亡くなったと発表した。診断の遅れがなければ治療の選択肢があったと、影響があったことを認めた。
 これが発覚したのは、昨年、肺がん患者の1年前のCT画像で頭頸部腫瘍があったことに気づいた医師が、確認不足を疑い病院の医療安全管理部に報告したことがきっかけだった。見落とした原因は、調査で、放射線診断専門医が提出した画像診断報告書の確認不足のケーズ、専門医に画像診断を依頼せず担当医が診断したケース、画像診断報告書の作成遅れと未作成のケースがあった。亡くなった方はそれぞれ、炎症性腸疾患で受診した際のCT画像での腎がん見落とし、皮膚悪性腫瘍受診でのCT検査での肺がん見落としと、受診した専門科以外の領域のがん所見を見落とした。
 大きな病院だと、どこでもありうる。医療の技術は日進月歩、検査機器は精度を増し、電子カルテへの移行もあり、医師が免許を取る前に習得した技術は古くなっているケースが多々ある。自分の専門科なら、新しい技術について行けるが、専門外の領域に敏感に対応できる医師がどれほどいるだろうか。
 亡くなった方、治療が遅れた方はお気の毒だが、せめて今後は、再発防止策を考えて欲しい。診断専門医の拡充は必須。複数の科をつなぐコーディネーターの役割があってもいいかも。患者は複数の病気を抱えていることもありがちだから、是非対策の検討をお願いしたい。
                               (仲)
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2018年6月 2日 (土)

契約社員と定年再雇用は低賃金でいいか      ~ゆうてもええかな~

 1日最高裁で、労働契約法が禁じる「不合理な格差」にあたるとした訴訟2件の判決が言い渡された。
 物流会社・ハマキョウレックスの契約社員が、同じ仕事をしている正社員と待遇差についての判断。正社員に支給されている手当のうち、無事故手当、作業手当、給食手当、皆勤手当、通勤手当は、同じ業務に行う契約社員に支給されないのは不合理と判断した。住宅手当は、転勤の有無など正社員との違いがあることから、不合理と言えないと判断した。
 運送会社・長沢運輸で定年退職後に再雇用された嘱託社員の待遇差についての判断。給与が下がったこと自体は、総額でなく個々の細目ごとに精査するとし、精勤手当と超勤手当に格差があるのは不合理と判断した。住宅手当や家族手当は不合理と言えないと判断した。
 どちらの判決も、給与総額での比較はせず、手当や能力給など細目ごとの精査をすべきと判断した。折しも国会でいわゆる働き方改革関連法案が衆院を通過して参院に送られた。関連法案には同一労働同一賃金とする関連法改正案が含まれるが、1日の司法判断は、その内容に関係する。賃金の総額で同じとする考え方には立たないということだ。
 契約社員の場合。同じ仕事でも、雇用の状況、即ち転勤の有無を手当支給の判断として不合理でないと判断した。定年退職後の再雇用の場合。定年後再雇用それ自体を、賃金の差が生じる事情に当たるとしている。定年まで勤め、年金受給が見込め、長期雇用の予定がないことを考慮し、給料の一部、住宅手当、賞与を支給しないことは不合理ではないと判断した。
 今回の判決では基本給には触れておらず、同一労働同一賃金は審議中の法案成立後に導入される。ただ、同一労働でも事情を説明できれば同一賃金でない状態を認めた司法判断だから、国のガイドライン作りに影響する可能性がある。一部マスコミで再雇用賃下げ容認との指摘があるが、非正規雇用全般に、格差一部容認とも見える。生涯設計の難しい世の中になったもんだ。
 
                             (仲)
 
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