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2018年5月26日 (土)

米朝首脳会談中止か実施かの駆け引き      ~ゆうてもええかな~

 アメリカ政府は24日、トランプ大統領が北朝鮮金正恩委員長に書簡で、6月12日に予定されていた米朝首脳会談の中止を通告した。それに対し、北朝鮮側は金桂寛第1外務次官の談話を発表し、遺憾の意を表明した。反発や威嚇ではなく、首脳会談を望む内容だったからか、トランプ大統領は翌日、北朝鮮側との接触していることを明らかにした上で、6月12日開催の可能性を残していることを明らかにした。
 北朝鮮は24日、豊渓里核実験場の坑道と施設の爆破を公開した。非核化への手順を踏んでいることを公表した形だが、おそらくトランプ政権側の中止判断には影響していないだろう。豊渓里の実験場は閉じても、既に核は存在しているし、過去の開発プロセスも残っている。アメリカまで飛ばす大陸間弾道弾の技術開発が進めば、核の脅威を維持することになる。
 もともと準備期間が足りず、実務的な合意は無理と言われていた。今の状態だと、トランプ大統領と金委員長がにっこり笑って握手する写真をばらまくだけの会談になりそうだ。それでも他哀話のプロセスに入ったことになるから、北朝鮮に対する制裁圧力を維持することは難しい。
 金委員長は、米朝首脳会談が決まってから2回中国を訪れ、首脳と会談をしている。中国が関与しないところで米朝直接対話が進むのは、中国には許せない。北朝鮮は中国の影響下においておかなければならない。北朝鮮を挟んで、米韓両国と対峙する状態を維持して、北朝鮮に米韓の支援が入ることを排除したい。でなければ、国境線で直に米韓と接することになる。
 北朝鮮側の駆け引きには、中国の入れ知恵や支援の約束があると見るべきだ。その中国は、貿易面でも南シナ海の軍事面でも、アメリカと緊張関係にある。中国は己が子分を操れるよう動いていて当然だろう。
 トランプ政権にとって分が悪く、北朝鮮に制裁緩和の口実を与えるであろう米朝首脳会談だが、行われれば大きな功績になるから、両者ともやりたい。さて、米朝このあとどう出るか。
 
                               (仲)
 
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2018年5月19日 (土)

日大アメフト部問題での危機管理      ~ゆうてもええかな~

 6日行われたアメリカンフットボールの日本大学と関西学院大学の定期戦で、日大の選手が関学大の選手に反則行為となるタックルをして負傷させた問題で、日大の監督は19日、関学大関係者に直接謝罪した後、記者会見に応じ辞意を表明した。
 スポーツ試合中の反則行為そのものの是非は触れない。ここでは日大の危機管理という観点で経緯を見てみたいと思う。
 6日の試合中、日大の選手が関学大の選手にタックルした。今回の場合、ボールを投げ終えて、無防備な状態の選手へのタックルであるから、審判は反則と判定した。10日、関東学生連盟が日大選手と監督の処分を発表した。選手を処分するのは異例で、連盟が重大な反則行為と認定したことを示す。12日、関学大が抗議文送付を公表。17日 関学大が日大からの回答文書を公表し誠意ある回答ではないとした。18日までに春の対外試合がすべて中止となり、19日の監督直接謝罪と辞意表明に至った。
 試合中の反則行為は、その重大さに見合う処分が科せられる。組織が対処し、再発防止が為されていると対戦相手や所属する団体が認めれば、処分決定時に考慮される。
 日大の対応は、組織内で対応する機を複数回逃している。試合中あるいは直後のチーム内での注意。翌日以降の大学内での対応。相手校、選手への対応。これらのタイミングで、日大側はほぼ対応できておらず、再発防止の手立てを打てなかった。行為の重大さを見誤ったかもしれないが、結果、他校は組織の問題と捉え再発の怖れありとして春の試合をキャンセルし、上層部の謝罪と監督の辞任に至ったがそれで収まるかどうかは不明だ。
 問題が生じたときの危機管理の手法は、スポーツに限らず、企業を含めたどんな組織でも当てはまる。事態を把握し、深刻度を評価し、対処する。日大の事例は後手に回った結果だ。日大はこの危機、収拾できるか。
 
                              (仲)
 
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2018年5月12日 (土)

加計問題で国会議員がやるべきこと      ~ゆうてもええかな~

 衆参両院の予算委員会は10日、加計学園の獣医学部新設に関して、柳瀬元首相秘書官を参考人招致した。そこで柳瀬元首相秘書官は、2015年に3回、首相官邸で学園関係者と面会したことを明らかにしたが、首相の関与は否定した。与党側はこれで幕引きを図ったが、学園関係者面会時に愛媛県と今治市職員が同行したかどうかについて、柳瀬氏は居たかも知れないと説明したことについて、愛媛県の中村知事が11日、記者会見で職員が面会した証拠を示して反論し、柳瀬氏は、記憶にも限りがあるので、そこに違いがあるのかもしれないと釈明し陳謝した。
 柳瀬氏の参考人招致において、議員が質問したことに対する説明に、曖昧な部分があったことになる。質問に立った議員が、柳瀬氏の記憶から説明を引き出すことしかできず、そのままなら幕引きをするしないの攻防になったろう。しかし国会の外にいる当事者が反論する展開になった今回は、行政側の説明が充分でなかった印象が強くなり、安倍政権は世論を意識せざるを得なくなった。
 加計学園の獣医学部新設問題で、法的に瑕疵はないから、刑事訴追に至る案件ではない。ただ、獣医学部新設の過程で加計学園側への便宜供与があったのではないかという疑念があり、行政、即ち安倍政権側はそれを払拭する必要がある。森友問題での文書改ざんなど、直近の行政の問題で国民は不信感を抱いている。柳瀬氏の参考人招致とその翌日の愛媛県知事の批判で、国民の心証はさらに悪くなった。
 国会には、国政調査権が保障されているから、今回の参考人招致を実施した。国会、予算委員会の役割は、参考人の説明を聞くことだけではない。説明を一つの記録として、特定の法人に便宜を図ったかどうかを調査することである。調査というからには、官公庁の報告、記録の収集が含まれる。弁論だけで追求するのは調査ではない。
 野党議員が調査できなければ、与党は会期末まで逃げ切るだろう。安倍政権の求心力は、支持率が低下している現状では、回復は難しいだろうなあ。
 
                             (仲)
 
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2018年5月 5日 (土)

世界自然遺産登録の難しさ      ~ゆうてもええかな~

 政府は4日、ユネスコに世界文化遺産として推薦した長崎・天草の潜伏キリシタン関連遺産について、諮問機関であるイコモスが登録を勧告したことを発表した。また、世界自然遺産として推薦した奄美大島・徳之島・沖縄島北部・西表島について、諮問機関IUCNが登録延期を勧告したことも発表した。ともに6月のユネスコ世界遺産委員会で登録の可否を審査される。
 文化遺産の長崎・天草キリスト教遺産群は、イコモスの勧告を受けて一度推薦を取り下げ、潜伏キリシタンに焦点を当てて再構築して、今回の登録勧告になった。遺産そのものの価値だけでなく、江戸時代の禁教期という歴史の産物であること、即ち文化を明確にした。
 奄美・沖縄の自然遺産は、大陸から切り離された島で独自の進化を遂げた生態系と、固有種が多く生息する生物多様性について価値ありとして推薦したが、IUCNは生態系に疑義があるとした。指定する地域が4島の24区域に分断されていて、そのうち半数が100ヘクタール以下の小さな地域で、これらが点在しているため、生態系が維持できるのか、という観点から、登録延期を勧告した。
 奄美・沖縄の自然遺産は、固有種の多さから保護されるべきものだが、沖縄北部は米軍北部訓練場跡地があるため区域が分断された形であるため、区域のつながりを否定された形だ。ここを加えることができれば、IUCNの疑義の根拠が薄れる。
 世界遺産では、人の手が加わらない景観や、生物学的、地学的歴史の証拠が自然遺産になる。観光客が押し寄せれば、生態系が狂ったり地形が変わったりする怖れが出てくるから、人と自然遺産の共存が難しい課題になってくる。観光客を呼ぶ気がないなら関係者以外立ち入り禁止にすればいいが、観光客を呼ぶつもりで世界遺産登録をすると、維持の責務が非常に重くなる。西表島などは、自然が人を呼ぶ資産だから、ガイドなどの整備が必須だ。
 富士山は、自然遺産で登録できず、文化遺産に切り替えた。登録も維持も、自然遺産は難しい。
 
                              (仲)
 
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