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2017年6月24日 (土)

半導体事業の前途      ~ゆうてもええかな~

 東芝は21日、子会社化した東芝メモリの売却について、日米韓連合と優先的な交渉に入ることを発表した。経済産業省が主導している連合で、日本が約67%の議決権を持つ。工場共同運営企業であるアメリカのウェスティン・デジタルの反発と、各国の独占禁止法にあたる競争法審査があるため、まだ決定できず、来年3月の期限までの売却を決めたい東芝は交渉を急ぎたい考えだ。東芝は昨年度債務超過で8月に東証二部降格が決まっており、今年度も債務超過が続くと、上場廃止になる。
 東芝メモリの売却先がすんなり決まらないのは、半導体事業が重要なコンテンツになっているからだ。今、半導体関連の産業は上昇傾向にある。
 理由は簡単で、半導体を使うメモリなどの部品の使い道が広がっているからだ。例えば、自動車。自動運転の技術が進んで、自動停止装置や自動駐車機能を組み込んだ自動車が市販されている。センサーで感知し、ブレーキやハンドル、駆動系にデータを送って作動させる。データの演算に半導体チップは不可欠だ。
 この、データ処理のところでインターネットにつなぐ技術が、IoT(Internet of Things)。センサーで感知したデータをインターネットのサーバで処理して、表示や機器作動をさせる。これすべてIoTの範疇に入る。家電の遠隔操作や自宅の見守り、交通機関の遅れ表示、ハウス栽培の環境調整。医療機器を自宅、あるいは身体に装着して健康状態を監視、危険を予防するといった技術など、用途開発が幅広く、半導体製造やその製造機器、クリーンルームなどの設備投資が伸びている。
 半導体事業は、需要がある。だから東芝メモリに買い手がつく。売らなきゃ上場廃止に追い込まれた東芝は、売却先を決めても、売却できるかまだ分からない。難しい舵取りが続く。
 
                             (仲)
 
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2017年6月17日 (土)

共謀罪採決の焦り      ~ゆうてもええかな~

 報道で言う共謀罪、テロ等準備罪を新設する組織犯罪処罰法改正案が15日朝、参院本会議で可決、成立した。衆院で可決、参院に送られて、法務委員会で委員会審議が始まったのが5月29日。14日には、委員会での採決を省略して直接本会議で採決する方針を自民公明両党が野党に示した。参院法務委員会での審議は、2週間とちょっと。審議時間にして18時間くらいである。
 委員会での採決省略は、国会法に規定がある。衆院参院が、委員会審議中の法案について、委員長もしくは理事に本会議で中間報告をさせることができる。その後、委員会採決までの期限を設けて付託するか、あるいは中間報告について本会議で審議し採決する。
 この規定の意図は、急を要する法案を委員長が採決を先延ばしした場合、本会議で審議することを想定しているようだ、与党の法案に反対する野党の委員長が採決をしなかった場合がそれに当たる。
 また、過去、臓器移植法案の審議で、脳死を人の死と認定するかどうかの審議となったとき、各党は党議拘束をかけず、各議員の判断に任せた。その場合、少数の委員会審議ではなく本会議で議員全員審議となった。このときは与野党合意の上での中間報告手続きだった。
 今回の組織犯罪処罰法改正案審議は、時間的にも内容的にも、急を要する法案ではないし、審議に影響がある引き延ばしがあったとも思えない。会期末が18日。成立を図るなら会期を延長して審議するのがスジだ。延長せずに法案を成立させるため委員会採決を省略したとしか見えない。延長させない理由は、加計学園問題の幕引きと、23日告示の東京都議選への影響を考えてのことだろう。勘ぐれば、加計学園問題が、調査が進むと政権に深刻なダメージ与えると政権が認識しているとも取れる。
 政権の焦りか。国会審議を手続きで処理できるとの考えか。あまりに強引ではないだろうか。
 
                           (仲)
 
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2017年6月10日 (土)

加計学園問題は解決できない      ~ゆうてもええかな~

 非生産的な攻防を延々続けているだけのような気がする。
 加計学園が運営する岡山理科大学の獣医学部を今治市に新設する計画があり、これを地域限定で規制緩和する国家戦略特区の事業者として内閣府が今年1月に認めた。学部設置などの認可は文部科学省の管轄で、現在審査中。獣医師に関わることは農林水産省の管轄であるが、ここでは詳述しない。
 獣医学部の新設は、文科省の認可基準では、ここ50年ほど認められていない。今治市は2015年12月、獣医師系国際教育拠点の整備特区の指定され、事業者募集にあたり、岡山理科大すなわち加計学園のみが応募したため、内閣府が計画を認めたが、文科省は学部新設を審査中。文科省がかたくななのか、内閣府が横車を押したのか。野党は認可までの過程、決定までの早さ、加計学園理事長と安倍首相との個人的つながりに目をつけ、特区指定に首相側の意向が働いて加計学園に便宜を図ったのではないか、と追求している。
 その証拠探しで、文科省へ首相官邸からの圧力があったかどうかを示す書類『加計文書』探しの与野党攻防があって、文科省の再調査が9日始まった。
 冒頭、非生産的と言った。首相の意向を示す文書が出てきたとして、それが安倍首相の便宜供与の証拠となるか。知らぬ存ぜぬで引き延ばして、幕引き。文科省の職員が証拠をリークしたとして、加計文書が明らかになるだけで、加計学園の問題は解決しない。獣医学部新設が宙ぶらりんのままである。
 規制緩和が目的なら、特区地域が妥当か、文科省の認可基準が妥当か、そもそも獣医師の育成強化が必要か、そこを検証すべし。文書にこだわれば、学部新設の文科省判断はいつまでも出ないまま放置。横道に逸れずに、実務的な議論をしようよ。どうせなら。
 
                         (仲)
 
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2017年6月 3日 (土)

米国パリ協定離脱の行く末      ~ゆうてもええかな~

 トランプ大統領は1日、パリ協定離脱を表明した。EU各国の首脳からは失望の意を表明し、EUとの首脳協議に臨んでいる中国は、パリ協定維持をいち早く発信した。
 パリ協定では、地球温暖化対策として、今世紀後半に全世界の実質的な温暖化ガスの排出をゼロにすることを目指している。参加する国すべての国に削減を求めるとしており、途上国も例外ではない。
 トランプ政権は、このパリ協定からの離脱を決めた。国内の経済と雇用を守るためとしているが、その対象は、鉄鋼、石油石炭のエネルギー業界が主だといわれている。温暖化対策はこれらの業種の利益を損なうだけでなく、途上国への開発援助の負担が加わる。利益が減ってコストがかかる、というわけだ。米国にとって公正な協定への修正、あるいは別の枠組みを作ると明言した。
 TPP離脱とは、意味合いが異なる。TPPは貿易協定だから、二国間での交渉もできなくはない。しかしパリ協定は、全世界で決めた枠組みである。環境問題はEU諸国が先導しており、離脱は孤立につながりかねない。
 個人的には、やってみればいいさ、と思っている。今日明日の問題ではないが、グリーン購入の考え方が進むと、米国産品の購入は温暖化に逆行するから控えよう、という流れになるかもしれない。米国から海外へ向けて展開している企業にとって、マイナスイメージが実損につながったとき、再加入の世論が起きるだろう。また、排出削減義務から離脱すれば、温暖化対策技術開発で世界水準から後退するとの危惧が出ている。温暖化対策をビジネスチャンスとするエコカー関連技術,電機機器の省エネ技術への投資が滞ったり、米国内で過剰スペックとして敬遠されたら、この業界の損失となる。
 行き過ぎたら揺り戻す。民主主義の政治は、そういうものだと思う。
 
                         (仲)
 
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