糸魚川大火に思う ~ゆうてもええかな~
22日発生した糸魚川市の火災は、市街地約150棟に延焼した大火となり、およそ30時間後に鎮火した。震災などによる火災以外では過去20年で最悪の被害となった。けが人は住民2名、消防団員9名の11名で、死者はいなかった。
火災は木造住宅が密集した地域で発生し、1軒の家屋の火災が強い南風にあおられて飛び火し、日本海沿岸まで延焼した。飛び火で複数箇所に燃え広がったことで、地域の消防体制で対応することができず、延焼を食い止めることができなかった。昼間の発生で通報が早く、迅速な対応で避難誘導が行われたことは幸いだった。
糸魚川市街地の周辺は、地形上、南風が吹いた場合に川沿いに気流が集まる場所にあり、強い風になることは知られていた。南風はフェーン現象で乾燥するため、火災が広がる傾向にある。1932年に大規模な火災が発生しており、このときも南風だったことが分かっている。
火災は、燃える物と酸素と温度が揃うと発生する。消防の放水は、温度を下げることで鎮火させるのだが、強風で火災が広がるのが早かった今回は、延焼を食い止めることができなかった。
地域の特性で片付けてはいけない。これから冬場、広い地域で乾燥した北風が吹く。気象庁から乾燥注意報が発表されたときは、火災が起こりやすい状況を予測しているから、火の取り扱いに注意が必要。
燃える物を減らす、という意図で、耐火素材を建築に使用するのが有効だが、全国片っ端から適用するには時間がかかる。個人レベルだと、火事を出さない、消火器で消せるレベルで食い止めること。お近くの消火器の場所と使い方を確認されることをお勧めする。
今年もご覧いただきありがとうございました。次回は年明け7日頃から再開します。
(仲)