« 2016年10月 | トップページ | 2016年12月 »

2016年11月26日 (土)

年金制度改革法案      ~ゆうてもええかな~

 25日の衆院厚生労働委員会で、年金制度改革法案が可決された。強行採決で、野党は反発しているが、来週には衆議院本会議での審議が行われる。
 年金制度は現在、現役世代が受給者の年金を負担するシステムになっている。昨今のデフレ、低賃金レベルでの推移では支給分をまかなえなくなることを防ぐためとして、現役世代の賃金が下がった場合受給額を引き下げる賃金・物価スライドなど、現役世代の年金負担を考慮した法案だと政府は説明している。
 原資が足りないから年金受給額を減らしましょう、と言っているわけで、それで高齢者が生活できるかというと、概ね賄えるとしているが、法改正で受給額が減るのは必然。高齢者世帯に減額をお願いすることに対して、説明が足りているとは言えない。
 年金受給者の生活を概ね賄えると判断したなら、試算した数値があるはずだが、その試算の設定条件が分からない。社会保障改革の項目で、税制改革での給付金担保を考えるより、物価・賃金の動きに合わせる形だから、負担側の収入が増やす、あるいは人材活用の政策との関連が透けて見え、経済の循環で運用させたいと感じる。現役世代が不満を溜めない制度にする意図か。
 社会保障としての年金制度のあり方を考えるなら、年金だけで暮らしていけない状態を招かないよう、財源の確保であったり、消費税や医療負担の軽減など、安定して生活できる施策が先にあって然るべきだが、今回の法案は、国庫に入る金を手当てできないから出る方を絞った形だろう。
 高齢者の就労環境を整えることを考えている人もいるのだろうな。きっと。

                          (仲)

                           戻る

2016年11月19日 (土)

JR北海道の窮状      ~ゆうてもええかな~

 18日、JR北海道は全路線の営業距離の約半分にあたる10路線約1200キロについて、自社単独で維持できないと正式発表した。このうち3区間はバスへの切り替え協議対象とし、その他の路線については、駅の廃止などの合理化、施設設備維持を自治体に移管するなどの対応協議に入りたいとしている。
 北海道新幹線は開業したばかりだが、札幌までの開業はまだ先。人口減少や車利用が増えたために乗客が減少し、将来にわたって路線を維持する負担が企業レベルを超えているという。
 北海道以外でも、地方の鉄道は苦境にあって、廃止されるケースも出ている。一部、利益を出している鉄道もあるが、鉄道輸送のみでは苦しく、物販や不動産業での利益で運営をまかなうケースが多い。
 JR北海道はもともと、人口密度が少なく、長大な路線を抱えていたため、負担が大きかった。今回公表した維持困難な路線は1200キロを越える。これは東京博多間の1175キロより長い。沿線住民の鉄道利用で維持するのは難しく、コストダウンなどの合理化だけでなく、他の事業での利益を考えなければ企業としては成り立たない。
 先月株式上場を果たしたJR九州も、鉄道部門は赤字で、駅ビル開発による不動産部門の利益に頼る。上場したことで不採算路線の合理化が進むのではないかと見られている。地方路線はいずこも、過疎化と自動車利用で乗客が減り続け、苦しい状況にある。高齢化社会において、自家用車以外の移動手段を確保することは重要で、鉄道バスタクシーなどを維持するための負担分担を考える必要がある。北海道だけでなく、全国的に。

                         (仲)

                          戻る

2016年11月12日 (土)

トランプ新大統領当選      ~ゆうてもええかな~

 アメリカ大統領選の勝敗が決し、共和党候補のトランプ氏が当選して数日。ようやく世界的にトランプ新政権への動きが現実のものとなってきた感じだ。
 アメリカがどこへ向かうことになるのか分からないが、いわゆる中間層の有権者が自国保護政策への転換を考えて投票したことは、イギリスのEU離脱投票から表れている現象だ。それに応えるための政策が出てくるのか。
 まずは新政権の体制作りになる。トランプ新大統領は公職に就いたことが無く、自分のブレーンやチームだけで政策を進めることは難しい。共和党本部から実務経験がある閣僚を入れることになるだろうし、その体制が明らかになれば、具体的に進む方向が見えるだろう。選挙戦で主張した保護主義的布陣になるのか、政策実務的バランスを考えるのか。
 直近の市場の反応は、株高に振れている。トランプショックで一時的に下げたが、アメリカ産業、特に軍需やインフラ関係の株価が上がり、日欧も同様に動いている。あくまで期待値だが。
 アメリカ保護主義を掲げ、中間層を守ろうとすると、低賃金の移民や、安価な中国や新興国からの製品を制限する動きになるから、インフレに傾く可能性がある。軍需やインフラで経済を押し上げるなら、金融政策が必須。中間層に利益が分配されるまで時間がかかるから、中間層の暮らしが楽にならないと、トランプ新大統領の支持基盤が傾く。
 選挙戦での主張が実現するか、ではなく、実現させたら出る悪影響が何かを考えて、舵取りすることになる。来年は、タフなネゴシエーターが生き残る時代になるかもしれない。

                          (仲)

                           戻る

2016年11月 5日 (土)

TPP特別委強行採決      ~ゆうてもええかな~

 4日、衆議院TPP特別委員会は、TPP承認案と関連法案の審議を終えたとして採決し、自民公明維新の賛成多数で可決した。与党は8日にも衆院本会議通過を目指すが、民進共産が採決強行に抗議していて、強く反発している。
 TPPについては、昨年来関係諸国で調整し、合意内容をもって今年4月から国会で審議されていた。しかし、国会での審議内容は、国の交渉経過を開示するしないの問答が主だった。
 政府与党側は、この臨時国会での法案成立に拘っている。TPPはもともと、アメリカが対中国を念頭に自由貿易圏を確保しようと考えたシステムだが、当のアメリカはオバマ大統領の任期が迫り、来週には次期大統領が決まる。クリントン、トランプの両候補とも現状のTPP合意内容に反対しており、アメリカ経済の保護を念頭に再交渉を求めてくると見られる。日本の政府与党は再交渉を封じるために法整備を急いでいる。
 再交渉になれば、今年議論してきた農業政策改革の前提が崩れてくる。国際競争力を高めるための改革は、JAの流通構造にまで踏み込んでいて、今月中にはまとまる見込みというところまで持ち込んだが、TPP再交渉になれば、農家側の不信感が募る怖れがある。
 農業に限らず、そもそもTPPにアメリカが不参加で発効しない事態になれば、TPP合意に向けてどちらかと言えば強引に進めてきた政府与党の政策に理解を得ることが難しくなる。だから今の臨時国会中に成立させたい。そういう思惑が見える気がする。
 EUもアメリカも、自国産業保護に傾いているから、TPPも再交渉前提で審議すべきだろう。たぶん。

                          (仲)

                           戻る

« 2016年10月 | トップページ | 2016年12月 »