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2016年4月30日 (土)

円高と次の手      ~ゆうてもええかな~

 28日、日銀は金融政策の現状維持を決めた。これを受けて海外市場で円買いが進み、一時1ドル106円台をつけた。2014年以来の高水準で、今年に入ってからの円高傾向が止まらない。
 日銀は金融緩和策として、国債購入拡大、マイナス金利導入などの手を打ったが、今週まででその効果がいったん帳消しになった形だ。国内消費が伸びず、景気を支える輸出関連にとって、円高はダメージでしかない。だからといって、円売りドル買いといった露骨な円安誘導はできない。今回の為替市場の動きが、突発的な要因を含むものではないからだ。
 円高に振れたのは、日銀の次の金融緩和策があると想定して円売りに傾いた市場が、当面現状維持となったことを受けて円の買い戻しに流れたからだ。アベノミクスの成長戦略が想定されたほど進んでいないことも、停滞感を生んでいる。
 ドル安、ドル売りも進行している。昨年まではアメリカ国内の景気が上向いていることで、ドル買いに向いていたのが、今年に入って出てくる指標が思わしくなく、景気が思ったほど上向いていないと市場が受け取り、ドルを売る動きになっている。
 これは市場経済の活動の結果だから、日本が自国の利益のために市場に介入することはできない。熊本地震の対応が最優先だし、5月にはサミットがあり、経済成長での景気対策を打ち出すことを求められていて、日銀の金融緩和策は手詰まり感が漂う。下手に動くと、市場が効果無しと感じて円高を止められなくなる。緩やかなインフレに向かう一手は、政府が打ち出さなければならないだろう。

 
                         (仲)

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2016年4月23日 (土)

三菱自動車の燃費不正操作      ~ゆうてもええかな~

 三菱自動車は20日、製造する軽自動車の4車種について、燃費測定に不正操作があったことを発表した。そのうち2車種は、三菱自動車が製造し、日産自動車が販売する車種である。政府はこれを受け、燃費の検査方法を見直すことを決めた。
 燃費の試験では、まずメーカーが実走行で、タイヤと路面との摩擦や空気抵抗などの走行抵抗を計測し、その値をもとに国交省の外郭団体が試験する。今回三菱自動車は、走行抵抗の数値を低く申告したため、燃費が10%程度良くなっていた可能性がある。
 燃費目標達成、あるいは他社の競合車種に合わせる目的があったと思われるが、この件で政府の対応が早かったのは、エコカー減税の対象になっていたから。購入時などの自動車取得税と重量税は、環境面で性能がよい車種は優遇される。実際の燃費が悪かったことが分かれば、優遇幅が小さくなり、該当車種の課税額は、不正があったために実際より少額になっていたかもしれない。政府はこの差額は、納税者である購入者に負担を求めない方針を打ち出した。三菱自動車に負担させたい考えだ。
 また、すでに購入したユーザーには、中古車として買い取りされる価格の低下を懸念して、三菱自動車への買い取りを求める動きがある。
 当該車種を生産する工場は操業を停止していて、長期化すると見られている。実際の燃費が悪くなれば、信頼度低下分も併せて、競争力が低下する。ファルクスワーゲンだって、不正対応費用で昨年は赤字だ。代償は大きい。

                       (仲)

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2016年4月16日 (土)

熊本地震の衝撃      ~ゆうてもええかな~

 14日夜、熊本地方を震源とする最大震度7の地震が発生した。その後も揺れが続いて、16日未明、熊本地方を震源とする最大震度6強の地震が発生し、その後最大震度6弱以上の地震が7回以上続いて、被害が広がっている。
 熊本地震は、断層型地震である。震源の深さが10km程度と浅く、地震の規模は阪神淡路大震災クラスだった。
 14日夜と16日未明の地震の震源は異なる断層だが、熊本地方で交わっていて、一連の関係する地震と判断されている。いったん大規模な揺れを受けて、断続的に震度5から6の地震が続いており、家屋や橋などの建造物や大規模の土砂崩れが多発している。被害の全容が見えていないところに風雨が強まる予報が出ていて、建物の下敷きになっている人達の救出への影響が懸念される。
 今回の地震の衝撃は大きい。48時間以内に震度6弱以上の断層地震が立て続けに起こった。気象庁は14日が前震、16日が本震でそれ以降が余震と発表している。断層型地震で、強い揺れがあったのち、それ以上に強い揺れがある可能性を改めて示している。
 現在も予断を許さない状態で、監視と対応が続く。それと同時に、断層型地震、プレート型地震のハザードマップ、危険予測と地震発生時の対応の見直しをすべきだろう。震度7を記録した地震は、阪神、中越、東日本、熊本と、20年あまりで4回。自治体で考えるレベルではなく、国が指揮を執ってもらいたい。まず熊本の災害救助。復旧、東日本を含む復興。そして、全国の地震被害予測の確認、建造物の耐震補強点検。人でも知恵も物資も金も要ることだけど、他人事ではないのだから。

                         (仲)

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2016年4月 9日 (土)

パナマ文書の影響      ~ゆうてもええかな~

 今週、パナマの法律事務所から、2015年までの40年間のメールや文書類が流出した。この法律事務所は、タックスヘイブンの会社設立などを手がけており、そのなかに、イギリス、ロシア、中国など10カ国の新旧指導者や親族が関係する会社の情報が含まれていた。
 タックスヘイブン、即ち租税回避地に会社を設立することは違法ではない。国際金融取引を活発化させることが目的であり、経済を金融活動に頼る国が、優遇措置を導入して企業またはその子会社を誘致することは国際的に禁止されていない。パナマはその一例である。
 パナマ文書の報道を機に批判が起きているのは、文書類に国の指導者や近親者の企業が含まれていることにある。取引が金融取引の円滑化、優遇措置による競争力維持目的なら理に適うが、実体のない子会社を作って利益を移す、即ち税逃れ目的に使うことができる。
 世界的な景気低迷傾向で、各国の税収が伸び悩み、中小企業の経営が苦しくなるなか、大企業が税逃れをして利益を上げるなら、格差は広がるばかり。利益を得る企業が国の指導者につながるならば、国民が批判するのは当然だろう。
 企業活動としての権利を行使している場合であれば批判に当たらない。実体のない会社と取引して税を逃れることが目的ならば、利益隠しであり、競争原理に反する。OECD経済協力開発機構と連携し、各国でいわゆるタックスヘイヴン対策税制を整備し始めているが、タックスヘイブン所在地を含む各国の情報提供と共有化がなければ、実態解明は難しい。違法ではないところが、やっかいな話である。

                         (仲)

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2016年4月 2日 (土)

シャープ買収正式契約      ~ゆうてもええかな~

 2日、鴻海精密工業がシャープを買収することで正式契約を結んだ。6月のシャープ株主総会で承認されれば、10月までに手続きを終える。
 シャープは、液晶テレビで高い品質をでリードしたが、需要が一巡し、LG電子などとの価格競争に入った時点で、液晶パネル製造拡大のための投資を回収できずに経営状況が悪化し、海外資本による立て直しの道を選んだ。鴻海は3888億円を出資し、全株式の66%を取得して傘下に収める。
 今後シャープは、この出資金をもとに、スマートフォンなどに使われる有機ELディスプレイパネルや、インターネット接続家電の開発に注力する。ただ、鴻海との契約が長引き、出資額が当初の交渉時から1000億円程度減額になっている上、3月期決算では赤字が見込まれていて業績が落ち込んだ状態であり、回復には事業見直しなどが求められそうだ。
 売れ筋と見込んで過剰な投資で業績が悪化した例は、他にもある。家庭用パソコンやゲーム機がスマートフォンに食われ、家電は海外メーカーとの価格競争にさらされ、苦戦しているケースは多い。それでも電気・電子機器が無くなるわけではなく、発電売電関係などの設備関連、モバイルフォン、自動運転やエコカーなどの自動車関連は、これからの分野だ。海外資本から見れば、日本の技術力、ブランドに注目が集まっている。
 海外資本傘下であっても、開発力、ものづくりの技術でリードすることができれば、シャープもまだまだ展開できる。そう思いたいが、業績の回復がなければ、先行きは厳しい。

                         (仲)

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