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2011年7月31日 (日)

中国新幹線事故と自己     ~ゆうてもええかな~

 中国の高速鉄道が追突事故を起こし、死傷者多数の惨事となった。死傷者数を書かないのは、中国当局発表の数字を信頼していないからである。車両4両が高架橋から落ちるほどの事故で、死者30人とか40人は少ないと思う。公表していないか、空席だらけで乗車数が少なかったか。考えても答えが出ないから、深追いしないことにする。
 鉄道事故で、安全性を非常に疑われるのが、正面衝突と追突。鉄道の安全を担保する根幹に瑕疵がないと、発生しない事故である。
 鉄道は、停まるのが難しい。当たり前で、金属のレールの上を金属の車輪で走るのだから、両者の摩擦力は小さい。摩擦が少ないから、小さなエネルギーで早く走れるのだが、逆に停まるときは、急ブレーキが強すぎると、金属同士だから滑ってしまって、止まらない。時速200キロで走っていて緊急停止をしても、止まるまで5kmやそこらは走ってしまう。運転士が異常を見つけて急ブレーキをかけても、止まれるわけがない。
 だから、列車がぶつからない工夫として、閉塞区間方式が一般的だ。何kmかごとに区切って、その区間には、列車は1編成しか入らないようにする。入ったら、その区間の入り口を赤信号にして、次の列車の進入を停める。閉塞区間が空いたら、黄信号とか青信号にして、次の列車が入れるようにする。ただし、信号が赤でも、運転士が見逃したら意味がない。だから、赤信号が出たところでは列車を強制的に停める。このシステムが、ATS(中国ではATP)である。
 今回の事故では、何らかの原因で、赤信号にすべきところを青信号にしてしまったため、後続列車が停まらず、追突したことにするようである。
 事故原因を公表しないだの、隠蔽だの、情報統制だの、幕引きだの、中国政府はいろいろやっているようであるが、『事故』は『自己』だと思って欲しい。事故の原因は、自己(自国)の欠陥であり、事故の後始末のやり方には、自国の体質が表れる。再発防止を考えるのか、起こったことを抑え込んで知らん顔するのか。他国はそれを見ている。自己を信頼されるか否か、事故の事後処理は非常に分かりやすい判断材料ですぞ。ご留意あれ。

                      (仲)

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2011年7月 9日 (土)

原発どうする      ~ゆうてもええかな~

 菅首相の話が続いたので、気分を変えたい。全く政治から離れるわけではないが、避けて通れない話をしよう。国民全体で考えるべき問題である。
 大震災による原発被害・事故で、原発の運用が大きな問題になっている。私見を申し上げておくと、原発推進政策は反対である。原子力が安価でクリーンなエネルギーなどと喧伝するのはずるい。運転中だけクリーンであって、建設時の自然破壊、核燃料の輸送時の警備レベル(核兵器の原料に使える)、高レベル核廃棄物と、トータルで考えてクリーンなわけがない。廃棄物の処分の方法もあやふやなまま営業運転に踏み切った時点で、判断が誤っていたと思っている。
 原子力利用研究は必要だが、現時点での原発推進は反対。ただ、現在稼働中の原発を一斉に停めろと言うのは、非現実的だ。第一、運転を止めても、核燃料はすぐに冷めない。核反応が止まるまで、水で冷やし続けなければならない。その水は、当然、放射能に汚染されているから、浄化するか、漏れないように保管するしかない。そして、冷却が終わった使用済み核燃料を、政府の計画ではプルサーマル方式の発電の燃料にするため、六ヶ所村に再処理場を建設したのだが、プルサーマル方式の炉は3基(福島第一の3号機は震災で停止)なので、使用済み核燃料が核廃棄物扱いで六ヶ所村に保管され、溜まる一方。現有施設のキャパで、空きスペースは10%を切っている。
 低レベル放射性廃棄物は、コンクリートなどで固めて埋設処分。再処理しきれない使用済み燃料、いわゆる高レベル放射性廃棄物は、国内の施設ではもうすぐあふれてしまう。処理方法は検討中で、ガラスで固めて地下1000mの地層に置き場所を作って、そこで放射能が漏れなくなるまで置いておこう、という方向で検討されている。ただ、高レベル放射性廃棄物から出る放射線量が自然界のウランと同じレベルになるまで、数千年かかる見込み。その間ずっと、放射能漏れがないか、監視が必要になる。数千年の間に地殻変動があれば破綻するわけで、その間安定だと考えるのはちと脳天気じゃないかと思うのが自然では無かろうか。
 産業界、政界で原発の運用を議論されているが、原子力に正直に向き合うなら、まず停止した場合の総発電力を試算して、影響範囲を正直ベースで提示すべし。停電リスクと事故リスク、全国レベルの経済への影響と地元経済のダメージ、電気代上昇を考慮したモデルを提示して、国会で議論すべし。でないと、原発利権を守りたい官僚と電力会社の都合でしか物事が進みませんぞ。

                      (仲)

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2011年7月 2日 (土)

解散は、増税は     ~ゆうてもええかな~

 本欄は政治、経済や社会を、一個人として、見て感じた話を書いている。ただ、最近は政治、特に菅首相についての話が続いている。種々の問題を考えると、菅首相に行き当たるから、仕方ない。
 さて、世間では菅首相が解散総選挙に打って出る、との憶測が飛んでいる。延命のためになんでもやる、と言われているが、延命だけなら、ただ椅子にしがみついていればいい。内閣不信任決議が否決された以上、菅さんは辞職しない限り罷免できない。いかに人望を無くしたとしても。
 菅首相の言動をから推測するに、震災復興の仕事より、原発事故の方に意識が偏っている。首相、即ち原発政策を続ける政府の最高責任者だということを忘れて、反原発の旗手であると自負されているようだ。浜岡原発の停止要請がいい例で、電力会社の実務監督は経産省の仕事だ。それを強引にすっ飛ばして、浜岡原発停止を実現した。これをご自分の手柄だと思い、原発推進から再生可能絵エネルギーへの転換に舵を切った首相として歴史に名を残したい、という野心が透けて見える。5月のフランスサミットの場で、再生可能エネルギーを2020年代に20%以上にする、との発言も、脱原発で名を残すことが目的と考えると、理解しやすい。
 ところが、法案成立のために国会会期を70日間延長した、そのうちの10日間が空転したまま過ぎた。第2次補正予算、再生可能エネルギー特措法、公債特例法は成立できるか。公債特例法は通るだろうが、第2次補正予算はまだ編成していない。再生エネ特措法は、鳩山政権時代から検討していた法律だが、内容はまだ具体的議論がされておらず、スカスカ。作った電力を売るにしても、東電の国有化だの、発電と送電を別会社に分けるだの、国のエネルギー政策のビジョンが震災で揺らいでいるのに、売電の法律だけ作って、何の役に立つというのだ。
 首相がなすべき緊急の課題は、震災の復旧であり、そのための予算に必要な公債特例法を通すこと。次に、復興のビジョンを作ること。消費税増税ありきは本末転倒。復興にこれだけ金が要るから、その算段をしよう、というのが順序だ。税と社会保障の改革も大事だろうが、7月1日、大震災から3ヶ月半経っても復旧が遅れている今、消費税増税時期など閣議で話し合っている場合か。
 脱原発解散、やるなら福島原発周辺の被害が落ち着いて避難と賠償のめどがついて、エネルギー政策を見直してからにしてくれ。私は原発反対派だが、今の政策にはツッコミどころ満載だから、具体的な提案を見せてくれ。

                      (仲)

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