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2011年2月26日 (土)

NZ地震が教えてくれたこと    ~ゆうてもええかな~

 22日にニュージーランドのクライストチャーチ近辺で地震が発生して、今日で5日目になるが、未だに安否の分からない方が200人を超えている。日本からも救援隊が行って、主に日本人被災者がいると思われるビルの倒壊現場で、24時間態勢で救援活動をしている。安否の分からない被災者の家族も現地へ飛び、ビル倒壊現場への立ち入りを求めていて、その気持ちは痛いほど分かるが、ここはぐっと堪えて、現地の当局、警察の指示に従って欲しいと思う。理由は二つ。大きな地震の場合、二次被害、例えばガス漏れや電気の漏電による火災に留意しなければならないこと。そして、大きな余震が起きたとき、さらなる地盤の崩壊や、残った建物が倒壊する場合の対応を考えつつ救出活動をしなければならないこと。この二点を考えると、ご家族の心情を酌んでもなお、現場立ち入りを認めるべきだと言いづらい。
 そもそもニュージーランドは、二つの海底プレートがぶつかって沈み込む場所にあって、地震が頻発する場所である。直近だと昨年9月にも大きな揺れを観測しているが、今回のように建物が倒壊するほどの揺れはあまり経験が無かったようだ。専門家の見解では、従来は震源が深かったのだが、今回の震源はクライストチャーチ近辺の直下、浅いところだったことが、激しい縦揺れとして現れたとのこと。崩壊した建物は、横揺れはある程度耐えられても、縦揺れに対して考慮されていたか疑問が残る。ニュースで見る大聖堂近辺、倒壊した建物もあれば、残った建物もあって、比較的柱の太い建物が残っていると聞く。地震が起こること自体は慣れていても、都市直下型の地震への備えが想定されていなかった可能性がある。
 日本は地震大国で、数々の大地震を経験しているため、その備えは万全である、と言えるだろうか。阪神淡路大震災、中越地震、上越地震、これらと同規模の地震が、大都市の直下で起着る可能性はゼロではない。地震の巣とも言える断層が全国にあり、都市の直下を走る断層も少なくない。各都市は、建物は、設備は、直下型地震に耐えられるだろうか。二次災害の危険は回避できるだろうか。今回の地震を教訓として、今一度、見直す必要はないだろうか。今後の犠牲者を少しでも抑えるために。阪神淡路大震災の体験者として、改めて注意を喚起しておきたい。

                  (仲)

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2011年2月12日 (土)

ムバラク去りて    ~ゆうてもええかな~

 エジプトの大規模な反政府デモによって、30年の長きにわたって大統領の座にいたムバラク氏が辞任に追い込まれた。野党勢力に民衆が加わったデモ隊は。ひとまず喜びの声を上げたが、今後沈静化するかどうかは、大統領権限を委譲された軍最高評議会の対応にかかっている。スレイマン副大統領の処遇、憲法改正、選挙による新政権樹立、その後の体制移行まで、民意に沿った形で速やかに実施されなければ、またぞろ大規模デモが発生し、混乱が続くだろう。
 混乱が続くと、中東情勢に大きな波紋が生じることになる。そもそもの発端は、チュニジアの民主化運動の成功が飛び火した形だから、民衆による政権打倒の実例が重なると、他のアラブ諸国でも民衆のデモが起こる可能性は否定できない。アラブの盟主と言われたエジプトでの民主化運動だけに、周辺各国は対応に苦慮していて、イエメンなどですでに政権交代の動きが出ている。
 さらに、影響は中東地域に留まらない。エジプトは、アラブ諸国で唯一、イスラエルと和平条約を結んでいる国であり、アメリカ寄りの姿勢を示して、強権政治を黙認させてきた。そのムバラク政権が倒れ、次にイスラム寄りの勢力が政権に就くと、中東地域の安定に影響を及ぼす怖れがある。産油地域の政情不安定は、全世界が望まぬところであるが、イスラム過激派の活動が活発になるようなことがあると、欧米、特にアメリカの中東地域での影響力低下は避けられない。悪くいけば、アメリカのイラク、アフガニスタンから撤退の目算まで狂いかねない。来年大統領選挙を控えるオバマ政権は、厄介な火種を抱えたくないのだが。
 また、民主化のプロセスに敏感に反応しているのが、中国である。民主化の波が共産党支配を揺るがすことになっては困るため、中国国内ではエジプト情勢関係の情報を遮断していると聞く。北朝鮮も、言うまでもない。もし、東アジアにまで民主化の動きが飛び火したとしたら、日本はどう対応するだろう。いや、対応できるだろうか。
 さしあたって、オイルショックのような事態にならないで欲しいと願うばかりである。

                  (仲)

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