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2010年10月23日 (土)

中国の反日デモが壊すのは    ~ゆうてもええかな~

 尖閣諸島での中国漁船船長逮捕以降、中国の対日非難は止まない。政府関係は、ASEAN、東アジアサミット、APECと続く外交日程を見通して、拡大を防ぐ方向に動いているが、内陸各地の反日デモが止まらない。23日も、四川省で反日デモがあり、日本車を壊す者もいた。車の持ち主即ち被害者は日本人とは限らないが。
 反日デモが発生するのは、中国政府当局がデモ実施自体を禁止する気がないからである。これが、チベット解放やノーベル平和賞受賞者釈放を求めるデモであれば、許可はおろか、デモ隊集結前に警察を投入して即時解散、強制排除している。反日デモなら、政府体制に直接関係しない。それどころか、16日に起こった3都市同時デモは、政府内の反日派が承認・誘導したとする見方がある。16日は北京で、共産党中央委員会の全体会議が行われていて、胡錦濤国家主席が2012年の党大会で党総書記を退く、その後継者体制作りという重要な会議のさなかに起こったデモであることから、党内駆け引きのために仕掛けられた、端的に言えば共産党内の反日派からポスト胡錦涛を出すために圧力をかけるためのデモだった、と。
 ただ、政府当局が計算を間違えたのは、反日デモがふくれあがり、連日、他都市へも飛び火して、日本料理店は破壊するは、日系企業の看板は落とすは、日本車は踏んづけて潰すはで、加熱した市民感情を抑えることができず、統制が効かなくなったことだ。政府は国民の反日感情は理解できるという声明を出したが、これは国民へ向けて言ったこと。国内での経済格差や人権政策、経済発展の恩恵を受けない層の不満のはけ口として、対日感情を利用しているから、禁止できるわけがない。
 しかし。漁船船長逮捕時の報復措置も同様だったが、今回のデモも、やり過ぎた。過剰な暴力的行為をエスカレートさせると、中国は危険、との認識が国際的に高まる。官製投資バブルを抱えた中国の経済事情は先行き不安定、共産党の政治基盤も、デモで発散させざるを得ないほど国民の不満を抱えているのだから、共産党指導部の舵取りは難しく、できれば国際世論を遠ざけたい。その証拠に、23日の四川省デモでは、日本を含む外国メディアを公安が拘束して隔離し、報道規制を強行した。
 反日デモが壊すのは、日本製品だけではない。信頼もまた、壊れやすいものなのだ。

                    (仲)

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