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2010年10月30日 (土)

プロ野球中継の価値    ~ゆうてもええかな~

 10月30日から、プロ野球日本シリーズが始まる。セリーグ1位の中日と、パリーグ3位のロッテ、それぞれチャンピオンシリーズを戦い勝ち抜いたチームの激突である。
 ただ、今ひとつ盛り上がっていない感がある。もちろん、名古屋と千葉では盛り上がっているのだろうが、私は関西に住んでいるせいか、日本シリーズの話題が少なく、そういえばニュースのスポーツコーナーでそんなこと言ってたかなあ、という程度である。それでも、大阪はまだいい。地上波テレビ放送で第一戦の中継が見られる。7時から9時まで、時間延長枠無し、だが。聞くとこころによると、関東では、地上波の中継がないらしい。
 第一戦のテレビ放送中継権は、テレビ東京系列が持っていて、初戦ナゴヤドームだから、テレビ愛知が実況中継する。大阪はテレビ大阪が放送する。テレビ東京は、日本シリーズ中継をせず、2時間枠のバラエティ番組を放送する。なぜか。日本シリーズといえど、中日対ロッテでは、関東では視聴率が稼げないと判断したから。レギュラーシーズンより、日本シリーズの方が、日本野球機構に支払う放映権料が高額になるから、全国放送枠の放映権料に見合う視聴率が見込めず、ローカル放送とBS、CSでの中継になったようだ。
 ちなみに、以降の地上波テレビ放送予定を書いておくと、31日の第二戦は無し、11月2日の第三戦はテレビ朝日系列、第四戦がテレビ東京系列、第五戦が無し。第六戦、第七戦がフジテレビ系列での放送予定となっている。日本テレビ系列の地上波放送はない。巨人が日本シリーズに進出した場合の放映権を持っていたから。TBS系列もない。世界バレーの独占中継を選択したから。
 日本シリーズの扱いでさえ、こうである。プロ野球中継が、いかに肩身の狭い位置に追い込まれているかがよく分かる。ただ、プロ野球関係者は、野球自体の人気が落ちていると思わない方がいい。日本全国で視聴率を稼ぐコンテンツではなくなったが、本拠地域規模での人気、集客という規模で考えれば、まだ捨てたものではない。高校野球全国大会は全試合全国中継だから、破格の扱いだし、ドラフト会議結果がスポーツニュースのトップ扱いなのだから、野球への注目度は高い。
 頭を切り換えればいい。放映権料など、全国扱いにこだわらず採算が取れるコンテンツに組み替える方向で考えてはいかが。

                      (仲)

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2010年10月23日 (土)

中国の反日デモが壊すのは    ~ゆうてもええかな~

 尖閣諸島での中国漁船船長逮捕以降、中国の対日非難は止まない。政府関係は、ASEAN、東アジアサミット、APECと続く外交日程を見通して、拡大を防ぐ方向に動いているが、内陸各地の反日デモが止まらない。23日も、四川省で反日デモがあり、日本車を壊す者もいた。車の持ち主即ち被害者は日本人とは限らないが。
 反日デモが発生するのは、中国政府当局がデモ実施自体を禁止する気がないからである。これが、チベット解放やノーベル平和賞受賞者釈放を求めるデモであれば、許可はおろか、デモ隊集結前に警察を投入して即時解散、強制排除している。反日デモなら、政府体制に直接関係しない。それどころか、16日に起こった3都市同時デモは、政府内の反日派が承認・誘導したとする見方がある。16日は北京で、共産党中央委員会の全体会議が行われていて、胡錦濤国家主席が2012年の党大会で党総書記を退く、その後継者体制作りという重要な会議のさなかに起こったデモであることから、党内駆け引きのために仕掛けられた、端的に言えば共産党内の反日派からポスト胡錦涛を出すために圧力をかけるためのデモだった、と。
 ただ、政府当局が計算を間違えたのは、反日デモがふくれあがり、連日、他都市へも飛び火して、日本料理店は破壊するは、日系企業の看板は落とすは、日本車は踏んづけて潰すはで、加熱した市民感情を抑えることができず、統制が効かなくなったことだ。政府は国民の反日感情は理解できるという声明を出したが、これは国民へ向けて言ったこと。国内での経済格差や人権政策、経済発展の恩恵を受けない層の不満のはけ口として、対日感情を利用しているから、禁止できるわけがない。
 しかし。漁船船長逮捕時の報復措置も同様だったが、今回のデモも、やり過ぎた。過剰な暴力的行為をエスカレートさせると、中国は危険、との認識が国際的に高まる。官製投資バブルを抱えた中国の経済事情は先行き不安定、共産党の政治基盤も、デモで発散させざるを得ないほど国民の不満を抱えているのだから、共産党指導部の舵取りは難しく、できれば国際世論を遠ざけたい。その証拠に、23日の四川省デモでは、日本を含む外国メディアを公安が拘束して隔離し、報道規制を強行した。
 反日デモが壊すのは、日本製品だけではない。信頼もまた、壊れやすいものなのだ。

                    (仲)

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2010年10月16日 (土)

円高の損得勘定    ~ゆうてもええかな~

 先週の予告通り、円高の話をしよう。GAJIN『空、あるがまま』の『円高』の日記を参照されたし。ただし、短文に詰めるので、話を単純に、かつ大胆に端折らせていただく。
 円高が悪いことばかりではないのは確かだ。輸入品を安く買える。1万ドルの商品を買うのに、1ドル90円だったら90万円払うところを、1ドル80円なら80万円で買える。現地買い付けや、海外生産の材料など、ドル支払いなら理屈は同じ。さすがに工場を買うという話になると、1ヶ月やそこいらで片付かないので、数ヶ月、数年先までの計画が必要。
 買った時点、例えば90万円の購入予算だったが、80万円で買いました、という時点では、商品在庫が増えただけ。100万円で売る予算を組んでいて、100万円で売れれば、儲けが10万円から20万円に増える。この差し引き10万円が為替差益、円高で儲かった分になる。
 円高で困るのは、輸出する場合である。販売価格90万円の商品が、1ドル90円だったら1万ドルだが、1ドル80円なら11、250ドルになってしまう。販売価格を1万ドルに抑えるなら、80万円で売らなければならない。ここが考えどころ。高くても売れるなら、90万円で売ればいい。1万ドルでしか売れないなら、売り上げが10万円減る。
 日本は、材料を輸入・加工して、製品を輸出する企業の割合が多い。日本以外の企業と競争するとき、円高になるだけで損を被るのだから、困る。そして、その損はコストダウン、従業員の給料ダウン、人員整理、下請け企業からの購入品値下げなど、といった形で補填される。すると家計が苦しくなる家庭が増える。買い控えが起きる。国内の商店の売れ行きが悪くなり、値下げをしてでも買わせようとする。値下げ競争、デフレの始まりである。
 こうなると、最初に挙げた輸入業者も、定価で売れるとは限らず、売るために値下げを考える。円高差益還元セールなど。だから、10万円あったはずのの為替差益、儲けが減る、あるいは無くなる。これは困る。
 国内消費が好調ならいいが、リーマンショック以来の不景気感が続いている状況で、デフレ傾向が続いている。そしてアメリカの国内消費が悪いから、輸出に有利なドル安を容認している。このままでは、日本国内の倒産・失業率増加が進んでしまう。為替相場に介入、金融政策、国内経済振興政策を政府・日銀が打ち出さないと、景気回復は難しい。
 書いていて、気が滅入った。経済対策が貧弱すぎるぞ、菅政権。頼むよ。

                   (仲)

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2010年10月 9日 (土)

ノーベル平和賞が中国を試す    ~ゆうてもええかな~

 今週はネタを選ぶのに困った。尖閣諸島問題、臨時国会、円高、小沢氏強制起訴、北朝鮮後継問題、ノーベル化学賞、ハンガリーの赤泥汚染、その他、その他。話題満載のなかから、ノーベル平和賞について考える。
 今年は中国の民主化活動家、劉暁波氏に授与されることが決まった。劉氏は現在、中国での民主化運動、特に「08憲章」草案作成者として、中国当局に国家政権転覆扇動罪で有罪となり、懲役刑に服役中である。今回の受章も、本人に伝わるのがいつになるのか、見当もつかない。中国政府が、この授与決定に対して、激しく反発しているからだ。政府転覆に荷担して懲役刑に服している罪人に平和賞授与。中国政府が受け入れるはずがない。共産党一党独裁政治から民主化への運動を、国際社会が評価したことになれば、政治基盤が危うくなる。
 早速、中国政府は声明を出し、中国の法律を犯し、中国の司法機関が懲役刑を科した罪人に賞を与えることは、賞の目的に背き、これを汚すもので、決定したノルウェーとの国家間の関係も損なわれることになる、という。
 そういう声明がでたことは、ノーベル賞委員会、ひいては欧州を中心とする国際社会の思うつぼなのだが。ノルウェー政府に対する恫喝は、中国が国家、共産党の指導の下ですべてを統制するから「政府への圧力」をかけるのだろうが、ノーベル賞委員会はノルウェー国会が選定した委員で構成されており、政府の指導を直接受けるものではない。自国に不都合な、自国の不利益になる決定に対して国家レベルで圧力をかけること自体、国際社会の考え方とは違うのだ、大国として付き合うには問題があるのだ、ということが、より明確になったに過ぎず、大国となろうとも、何かあったら恫喝でごり押しする国、というイメージがより強くなっただろう。
 尖閣諸島問題で、中国は様々な手段で日本を追い込んだため、国際社会では脅威と映った。日本も多くを失ったが、中国も大きく傷ついた。輸出停止や民間人の拘束に至るまで、報復措置と考えられる措置をとった、その直後のノーベル賞授与に対するノルウェー政府への対応。国際社会で信頼を得るには、大きなハードルがある。それをどう舵取りするか、中国共産党指導部が試されているのだ。

 来週は、円高の話をしようか。空さんの作品の、円高は悪いばかりじゃないかも、との言葉に勝手に便乗して、円高のいいところを考えてみよう。

                    (仲)

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2010年10月 2日 (土)

検察特捜部の行く末    ~ゆうてもええかな~

 大阪地検特捜部の前田検事が、事件の証拠品となるフロッピーディスクの最終更新日を変えた、として、証拠隠滅(改ざん)容疑で、最高検察庁に逮捕された。さらに、当時、上司にあたる特捜部長と副部長が、証拠品の改ざんを知っていながら検事正など上司に報告しなかった、犯人隠避容疑で、最高検察庁に逮捕された。
 そもそもこの事件がなんだったか、覚えておられるであろうか。「郵便割引制度悪用事件」。障害者団体の発行物は、証明書があれば、通常の第三種郵便より安い「低料第三種郵便」として発送できる。これを悪用し、「凛の会」(後の白山会)や「健康フォーラム」という団体が、一般の会社からのダイレクトメール1000万通以上を、障害者団体の証明書でもって「低料第三種郵便」として発送し、通常料金との差額約37億円を免れた郵便法違反と、障害者団体の証明に厚生労働省発行の虚偽の証明書を使用した、虚偽公文書作成罪・虚偽公文書行使罪違反が問題になった事件である。このうち、郵便法違反では、ダイレクトメール作成企業の関係者に罰金刑が、「凛の会」発起人に起訴罪状について有罪判決が出ている。
 問題なのが、障害者団体である証明の偽造書類作成・行使に、厚労省の当時課長だった村木厚子さんが関与していたとして逮捕、起訴されたこと。裁判では、検察特捜部の提出した証拠に矛盾する点があるとして地裁公判で証拠採用せず、村木さんに無罪判決が出た。検察は控訴せず、村木さんが厚労省に戻った様子は、記憶に新しいところである。
 今回逮捕された前田検事は、村木さんを起訴した証拠であるフロッピーディスクの最終更新日を変えた。過失か故意か、いずれにしても検察の信用を一日にして失墜させた大失態である。地検特捜部は、政治家汚職、大型脱税、経済事件を独自に捜査している機関であり、大阪地検特捜部でもイトマン事件などを扱ってきた。反面、強引な捜査による冤罪も無くはないが、今回は強引を通り越して、証拠品のデータを書き換えていたことまで白日の下にさらされたのだから、大阪地検特捜部の存在意義さえ揺らいでいる。人員総入れ替え、さらには大阪地検特捜部取りつぶしも考えられる。
 闇の悪を倒すヒーロー、だったはずなのだが。堕ちたものだな。

                    (仲)

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