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2009年10月30日 (金)

日航は飛べるか    ~ゆうてもええかな~

 日本航空は、企業再生支援機構に支援を依頼した。前原国交相肝いりの再生検討チーム『JAL再生タスクフォース』は、約一ヶ月の検討で、結局、企業再生支援機構による再生が適当と結論づけ、解散した。そして30日、国交省に『日航再建対策本部』が設置され、企業再生支援機構が支援に入った場合のバックアップ組織として、必要な法整備や、日航に対する融資の政府保証を速やかに決定できるようにするためで、それだけ日航の路線網を確保することが重要と政府が考えている証拠である。
 『タスクフォース』が当初目指していたのは、日航がまとめた再建計画を不十分と考え、政府主導で再建計画を見直して、改めて再建計画を策定し実行する、というものだった。しかし、実際に『タスクフォース』が検証してみると、日航の資産は当初の査定より目減りしていることが見えてきた。もっとも注目されているのが企業年金の支払額であるが、詳細に計算をしてみると、3千億円レベルで日航の積立金が不足していることが分かった。
 金融支援が必要な状況であることは当然として、現在の債権の一部を金融機関に放棄するよう求めることになったが、貸した側としてはたまったものではない。企業側の立て直し策でどれだけ血を流すのか明確でない時点で、金融機関側に債権を放棄せよ、というのは飲めない、として、拒否する姿勢を崩していない。
 一方、企業年金を受け取る側の社員、OBについて、社員は年金額カットに同意する見込みまでこぎ着けたものの、OBは財産権の侵害と主張して譲らない。労組も年金額カットに同意しない。そのような状態で、企業である金融機関に債権放棄を要求しても、抵抗は大きい。
 OBの主張も分からないではないが、今のまま策が効せず支援の手が伸びないとなると、来月末には資金繰りがショートすると見込まれている。一般の企業ならば、資金がショートして不渡りを出すと、信用が低下し、支払い条件の見直しを迫られるなど、一気に会社経営状況が地に落ちる。そういう状況で、企業年金を受け取ることが当然と考えるのは、ちと呑気ではないか。経営が崩壊して、首切りや賃金カットで苦しむ現役社員を見て、それはそれ、と規定通りの年金額支給を求めるのが、一般企業に勤める私には理解できない。年金もカットされるのが普通だと思うのだが。
 このご時世に、うらやましい企業だねえ。

                                  (仲)

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2009年10月24日 (土)

普天間の米軍はどこへ行く    ~ゆうてもええかな~

 鳩山内閣が発足する以前から懸念されていたことだが、沖縄駐留の米軍再編問題、普天間飛行場の移転先の調整が引き延ばし困難な状況になり、早々に決断しなければならなくなった。マニフェストに米軍再編の見直しを盛り込んでいた民主党であるが、ここへきて岡田外相、鳩山首相の発言から、沖縄県外への移転は断念する可能性が高まっている。
 鳩山内閣としては、沖縄駐留米軍は縮小して、地元負担軽減を実現して自民党政権との違いを見せたいところで、単に外交政策の転換を超え、日米同盟の位置づけを含めた安全保障の枠組み、米軍再編後の沖縄振興策にまで関わる重要案件であるから、県外、さらにできれば国外への移転を実現させるべく、時間をかけて周囲の理解を得つつ進めたかっただろうと思う。
 しかし、20日に来日したゲーツ国防長官との交渉も不調。前政権で合意した名護市辺野古のキャンプシュワブ移転で進めるよう要求され、予定変更、移転先決定の後送りは認めないと、にべもない。強硬に主張され、対抗して民主政権の主張をぶつけることは現実的でないと判断したようだ。
 その判断を実行に移す場合、移転受け入れに反対する地元、党として米軍基地問題解決を全面に出している社民党と調整しなければならないし、そして、マニフェストに違反すると主張する反対勢力と戦わなければならない。深読みするなら、社民党が譲れない政策で調整できるのか、連立政権を維持できるのか、連立維持しないという選択を念頭に置きつつアメリカ側との合意事項を履行する方向で進めるつもりなのか、といった政局問題含みにまで展開するところまで考えているのか。いずれにしても難しい判断を迫られることになる。
 アメリカ側にしても、民主党政権の対米政策を探りつつ、とりあえず圧力をかけて反応を見る常套手段に出ているのだろう。相手に考える時間を与えず圧力をかけて思い通りに進めるのはいつもの手で、それに戦後の日本政府が対抗できた記憶がない。政権が変わっても結局、米軍にもの申すことはできないだろうし、それができる政権なら、本当に政権交代の影響が目に見えるところまで実現する力があることの証明になるわけだから、たいしたもんだと思う。が、まず無理だろうな。
 私も空港の着陸ルートの真下に住んでいるので、空港からは相当離れているが、航空機の騒音問題はわずかながら理解できると思っている。さて、どう出る、鳩山首相。

                                   (仲)

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2009年10月17日 (土)

概算要求出たけれど    ~ゆうてもええかな~

 鳩山政権が発足して一ヶ月。マニフェスト至上主義で摩擦も起こす閣僚もいるが、今のところはまずまずの出だしではなかろうか。
 直近の、今年度補正予算なかで民主党がいい『ムダ』削りが一段落させ、来年度の予算編成に動き出した。まずは各省庁からの概算要求が出そろったが、その額が、過去最高の90兆円越えとなった。マニフェストを実現するため、地方交付税増額、子ども手当、高校の実質無償化、高速道路無料化のための予算を盛り込んだため、主に国交省の公共事業執行停止などで絞り出した予算額減額を大きく上回った。
 これから、行政刷新会議が精査し、財務省が査定して、予算を組むことになるから、今回の要求額をどこまで抑え、切り込むことができるかが、腕の見せ所だ。そもそも、マニフェスト実現の財源を提示せず、行政の無駄を省くことで捻出可能と言っていた民主党だ。お手並み拝見、といこうじゃないか。
 さらに具合の悪いことに、今年度の税収が予算を下回ることが確実視されている。財務省発表で、6兆円少ない40兆円に落ち込む見通しだ。前政権が何度も組んで注入した景気浮揚対策補正予算でも、景況指数の好転の兆しまでは持ち込めたが、税収を上げる、即ち企業の増益、所得の増加に寄与するまでにはあまりにも期間が短かった。倒産件数等、下げ止まり感はあるものの、実際の景況感ではこのまま好転すると見る向きは少なく、もう一段、景気の底に向かうのではないか、との危惧が強い。税収の好転は見込めないと想定した方が確かだ。
 それを踏まえて考えれば、来年度予算をギリギリ無理矢理切り込んで、公約実現の規模を極端に縮小するより、新規赤字国債の発行を検討した方がよかろう。何しろ、民主党連立政権になって初めての予算編成である。施策運営の考え方を指し示すことになる予算編成になるわけだから、実施することと切り込むところのメリハリをつけて欲しいものだ。
 今後、右肩上がりの経済成長が見込めないことはわかりきったことで、歳入の増加を期待したばらまき施策は無理だ。今後の運営をどうしていくのか、示して欲しい。でなければ、このまま日本の経済は沈んでいくことになりかねないから。

                                 (仲)

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2009年10月10日 (土)

ノーベル賞も平和    ~ゆうてもええかな~

 9日、ノーベル平和賞の受賞者が発表された。おそらく、多くの人が驚いたに違いない。現職アメリカ大統領、バラク・オバマ氏。就任後わずか9ヶ月での受賞である。
 驚いたと同時に、首をかしげた方もおられるだろう。受賞理由として『国際的な外交と諸国の人々の協力を強化することへの並はずれた努力、とりわけ、核なき世界についての理念や取り組み』を挙げている。これは4月のプラハでの『核なき世界』を訴えた演説、6月の『イスラム社会との対話』宣言、9月の『核不拡散と核軍縮』を取り上げた国連安保理での決議といった、一連の国際平和への働きかけが評価されたものだろうが、決意表明、議決を行っただけで、核軍縮もイラクもアフガニスタンもパレスチナも、どれ一つ実績を上げたわけではない。今後の行動を期待する、ということでの受賞になるのだろう。
 ニュースで最初に見たとき、世界って結構平和なのかな、と思った。実際は世界各所で紛争や衝突があり、のんきなことを言える状態ではないのだが、かといって、突出した情勢の変化がなく、その解決に向けた動きが見られないため、リーダーシップを期待して、つまりは尻を叩く意味でオバマ大統領を選んだように思う。
 ノーベル平和賞は、ノルウェーのノーベル賞委員会で決定されるのだが、政治的メッセージを考慮した選考をすることが多々ある。例えばパレスチナ和平、ミャンマー民主化紛争、チベット紛争、東ティモール独立紛争、南北朝鮮対話など、地域問題における指導者、当事者を受賞者に選ぶことがある。国際世論、非民主化体制非難の明確化に、ある意味利用しているように見えることも少なくない。今、世界を見渡して、紛争地域のうち国際世論がほぼ一致するには、ほぼノーベル平和賞が行き渡っていて、新たにメッセージを発信するに値する対象者がいなかった、とも言える。新たな火種という観点で、比較的平和なのかな、という気がする。
 あと、直感的に思ったこと。うがちすぎかもしれないが、プラハ演説を早々に評価して国際世論の方向付けを急いだのかも。ノーベル賞授与は年一回。対象者は生存している人に限られ、亡くなった人に授与されない。不謹慎と受け取られる方には、お詫び申し上げる。
 賞金は、チャリティーに寄付するそうだ。もったいないと思うのは、私が卑しいのか、不況のせいか。両方、だろうな。
                                   (仲)

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2009年10月 3日 (土)

モラトリアムというものの    ~ゆうてもええかな~

 鳩山新政権が発足して、とにもかくにも目立っているのが、亀井金融相である。前原国交相もご活躍だが、影響の大きさで悪目立ちしているから、印象が強い。
 モラトリアム法案にこだわって、吠えまくっていたが、あちこちから叩かれはじめて、ややトーンダウンしている感があるが、中小企業融資と住宅ローンの元本金利返済を3年間程度猶予しようという、その案件にこだわって突き進む姿勢は崩していない。
 国民新党のマニフェストには元本金利ともに猶予すると記載されているらしく、これを実現するところに国民新党の連立政権参加意義があるとこだわるのは、政治家、政党代表としての仕事なのかもしれないが、金融担当相という立場の発言としては、どうだろう。
 三党合意に含まれているとか、他の閣僚の発言を受けて、決めるのは大臣である私だとか、いろいろ宣っておられる、そのこと自体はご自身の政治手法と受け止めて、気にしないことにする。問題は、いわゆるモラトリアム法案が、具体的に救済対象をどの範囲にするのか、返済猶予分の返済金を受け取れなくなる金融機関の資金繰りが危なくなった場合の補填だとか、モラトリアム期間中の新規融資についての扱いだとか、法案の中身が何も決定していない状態で、モラトリアム法案成立だけを叫ぶことである。今、危ない中小企業の救済が必要なのは分かる。しかし、内容が固まらない法案を振りかざしたから、金融機関は3年間元本利子とも戻らない、即ち業績悪化、傍目には不良債権を抱えることになると憶測から株価を下げた。また、追加融資が慎重になるために、貸し渋りが発生し、倒産件数が前年同月比で上昇傾向にある状況を好転させる材料にもなっていない。
 要するに、具体案を伴わない理念だけのモラトリアムを閣僚が語ると、派生した不安の火消しができず、反対の声が高まってしまう、まさにその状況に転がろうとしている。そういうのは野党の立場でやることであり、実務を担う政府閣僚が軽々に言っていいことではない。具体的内容を詰めてから発言するべきで、とにかく方向性を掲げて、法案政策は役所に任せるのであれば、今までの自民党政治と変わらない。
 年内に、景況が再度悪化に転じる可能性が高く、二番底になるのは確実、と見るむきもある。最新かつ迅速に、景気対策に取り組まれよ。でなければ、その次には、地方自治体の税収減による破綻が現実味を帯びてくる。一つ間違えば、結構危ないぞ、日本。

                                     (仲)

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