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2009年2月20日 (金)

体外受精だからではない  ~ゆうてもええかな~

 体外受精による不妊治療中の女性に、誤って別の患者の受精卵を移植した可能性があるということで、妊娠に成功し9週に入った女性に対して説明し、人工中絶をしたケースが公表された。
 これ、病院が自主的に公表したわけではなく、当の女性夫婦が慰謝料の支払いを求める訴訟を起こしたから、事情説明のための記者会見を行った。もし、提訴がなければ、病院側は公表しなかったかも知れない。また、病院側が間違いの可能性に気付かずにそのまま妊娠、出産に至っていたら、と思うと、その後の展開など考えたくもない。
 原因ははっきりしている。担当医師が、女性の受精卵を培養しているシャーレと、別の患者の受精卵を培養しているシャーレを同時に扱い、取り違えたかもしれない、ということである。これは病院も記者会見で認めた。すなわち、ヒューマンエラーである。
 一時期、医療従事者のヒューマンエラーによる医療事故で大騒ぎになったことがあった。患者を取り違えて手術したり、点滴の内容を間違えたり、除菌ミスによる院内感染があったり。
 どの仕事にも、ヒューマンエラーはついて回るし、医療現場も例に漏れない。ずいぶん前に本欄でハインリッヒの法則にも触れたことがあって、体外受精についてもヒヤリハットの事例が報告されていたようだから、重大事故が起こる可能性は指摘されていた。今回の担当医は不妊治療に長く携わっていて、直近では年間1000例の治療をこなしていたという。慣れがあったか。
 だから確率的に起こってもやむを得ない、と言ってはいけないのが、医療事故である。ヒヤリハットの芽を潰し、万全を期すべきである。人の健康や命に直結する現場であるだけに、いや、医療現場だけでなく、人の健康や命に関わる事故だけは避けなければいけないし、従事者には自覚が必要である。
 今回の医療事故は、区別が付かない二つのシャーレを同時に扱っており、取り違えが起こる素地はあった。通常はシャーレを一つずつ扱うべきところだろう。不妊治療従事者だけでなく、医療機関従事者には、今一度、己が現場に潜む事故の芽を探してみて欲しい。
                                        (仲)

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