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2008年2月 8日 (金)

JTの脇の甘さ  ~ゆうてもええかな~

 中国製造冷凍餃子の農薬混入事件は、やはり、混迷の度を深めている。先週の本欄でも触れたが、原因物質が分かっても、混入経路が分からない。
 いずれにしても、中国側は、身の潔白を主張して食の安全を世界にアピールするだろうが、取り扱いの難しい事件で、長期化させてうやむやにすることができない。日本では中国製造品の買い控えが出始めているし、韓国や香港でも中国品の販売に影響が出ていると聞く。明確な結論を出して解決しないと、不安は解消しない。中国の責任で無ければそれで良し、最悪でも反日感情からの犯行とすれば、少なくとも日本以外は安全だ。シナリオを描いて事件を終結させる方向を模索しているかも知れない。
 さて、日本側の対応は、中国に比べて鈍い。調査捜査も中国の後手に回っているし、厚労省もようやく、冷凍食品の検疫所での検査実施の方針を出した。
 ここへ来て、報道の矛先が、JTに向けられるようになった。半年以上前から、意趣がするとか、薬品臭い味がするといった苦情が数件寄せられていたのに、そのとき手を打てば、一時重体という重篤な被害者を出さずに済んだのではないか、といった論調である。
 内心では、JTに同情する。異物の付着・混入は、サンプル量が少ないと、分析しても成分の特定は困難である。化学物質は百万種とも二百万種とも言われている。そのうちのどれかと特定するには、分析を重ねて特徴を探り出さねばならない。メタミドホスだと分かったのは、重篤な中毒症状が有機リン酸系農薬の特徴に酷似していたから、焦点を絞って特定できたのだろう。
 難しいことを知りつつ、あえて言う。苦情に対して、少数だから、優良企業が作った冷凍食品だから、異物の特定ができないから、という理由で個々の対応に留まり、原因の本質を突き詰める姿勢が無かったのではないか。その脇の甘さが、今期の冷凍食品部門赤字転落や、日清・加ト吉との合併話の白紙撤回につながった。苦情は改善の好機であり、苦情の横展開は重大災害防止の常識でもある。製造業に勤める者として、自戒を込めて言う。苦情処理を怠る事なかれ。問題発生で失った信頼の回復は、もっと労力がいるから。
                                     (仲)

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