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2008年2月29日 (金)

メタミドホスはどこで  ~ゆうてもええかな~

 懸念したとおり、中国と日本の責任のなすりあいになってきたみたいだから、改めて書く。
 私は、現時点でも、メタミドホスが冷凍食品に混入された場所の特定について、判断材料が足りないと考えている。
 まず、混入経路についてだが、人為的との見方は両者とも一致するだろう。残留農薬等、偶然による混入でないことは、まず間違いなかろう。
 日本側は、未開封の袋の内側から検出されたから、封入前、即ち中国の工程で混入した可能性が高いとしている。メタミドホスが袋素材を通して内側に浸透することは考えにくい、との立場だ。
 一方中国側は、28日に公式に反論している。中国側の工程で混入する可能性は小さい、メタミドホスは袋素材を浸透して内側に浸透するという実験データを得た、と発表した。
 個人的には、その実験データとやらを見たいものだと思っている。実験方法とその結果を公表して欲しい。ありえないとは言わない。例えば、ポリ袋に油性インクで何か書いて置いておくと裏移りするのは、インクの成分がポリ袋の反対側に浸透しているからである。だから可能性はゼロではないが、冷凍食品だから-18℃以下で保存・輸送されている条件下で、メタミドホスが数ヶ月で袋素材を浸透すると考えるのは、やや無理がある。だから、データを見たい。
 早くはっきりさせないと、中国は五輪を控えている。食の安全が揺らぐようでは、選手も観客も二の足を踏む。それでなくても人道的問題や環境問題で、不参加を表明している選手がいる。中国は、オリンピックを成功させなければならない。
 日本も、このままでは中国からの加工食品の輸入が難しくなる。日系企業なら安心かも、といえど、中国は日本が汚染の根源と見ているのだから、日本向けの検疫は厳しくなる怖れがある。そうすると、中国からの調達を根本から見直さなければならない。
 面子で対立しても両者に利無し。協調を得るための外交努力も必要なのではないですか。福田首相殿。
                                     (仲)

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2008年2月22日 (金)

イージス艦の死角  ~ゆうてもええかな~

 19日、海上自衛隊のイージス艦が漁船と衝突し、漁船に乗っていた親子2名が行方不明になっている事故で、まずは行方不明者の救出を祈りたい。間違っても、某自民党衆院議院運営委員長のような、悲観的な発言は慎んでいただきたい。政治家といえば、己が発言で国の大事を決めて動かすプロのはずなのだが、最近どうも、自覚が足りない方がおられるようで。某法務大臣とか、某首相とか。
 話がそれた。衝突に至った経緯は、漁船の二つに割れた船体(操舵室とスクリュー部分が見つかっていない)や目撃していた周辺の漁船、自衛官の証言などから、今後明らかになっていくものと思われるが、最新鋭の防衛システムを積んだ駆逐艦が、船の幅(21m)より全長が短い(12m)船にぶつかるなど、本来、あってはならない事故である。
 即ち、対空監視は最新鋭でありながら、海面に関しては一般の艦船並みということを露呈したに等しい。人の眼の見張りが絶対的に必要で、特に近距離で小さな相手に接近したときの安全確保には、装置より視認の方が有効である。レーダーで捉えた船影にどう対応するか判断するのは人であり、その判断材料になる一番有益な情報が、見張りからの状況視認であるはずだ。天気は晴れ、夜明け前で霧も無し、であれば、双眼鏡を使えば5km先の物体を見ることができる。そして夜のことで、船には規定の照明点灯が義務づけられている。
 報道によると、漁船側、衝突した船とその近隣の船は、それぞれが回避行動を取っている。それに対して、イージス艦はまっすぐ進んでいる。自動操舵設定とのこと。衝突1分前に後進による回避を試みているが、大型船は急に停まらない。惰性で進み、衝突した。漁船の乗組員も操船のプロなら、海上自衛隊も操船のプロではなかったか。しかも外洋に出ている艦である。漁船も回避できなかったことは、イージス艦の乗組員のプロ意識が低いと言われてもしかたがない。テロ組織が本気で狙えば、穴があることを晒したも同然である。
 結局、人なんだな。どんな優れた機械でも、操作する人が使いこなせないと、悲劇を繰り返すことになるだろう。
                                      (仲)

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2008年2月15日 (金)

小麦の値上げには  ~ゆうてもええかな~

 連続して食品のネタを取り上げることにした。米大統領選、米兵事件、大阪府知事、南大門と、決めるのに困るくらいネタはあるけど。
 農水省が、4月からの製粉会社への輸入小麦販売価格を30%引き上げることを決めた。30%である。3割である。1.3倍である。昨年10月にも10%上げたばかりだというのに。
 先の値上げでは、即席麺やパンなどに転嫁され、小売価格引き上げや入り目の削減があったが、もう企業内でのコスト削減努力が限界に来ていたからであろう。ベースに原油高があるから、燃料と運送費、動力コストが底上げされている。さらに原料まで上がってしまうと、利益を削るしかないではないか。
 小麦の価格上昇自体にも、原油高が影響している。南北アメリカ大陸で、トウモロコシ需要が膨れあがっているせいで、小麦の生産をトウモロコシ生産に切り替える産地が増えた。原油高のため、ガソリン使用を減らし、トウモロコシ由来のバイオエタノールのしようが拡大しているからで、食用トウモロコシ価格も上がり、供給が減った小麦の価格も、当然上がる。食い物を自動車と取り合う時代というのも悲しいが、それが実態である。
 日本でもバイオエタノールを使おうという動きはあるが、今は製油業界が難色を示し、導入に動こうとしていない。で、ガソリンや灯油の元売りを上げ続けている。当然、業界とつるんでいる議員も旗を振らないから、原油価格の卸価格転嫁は止まらない。そもそも、イラク戦争を収拾して撤退できないアメリカが元凶なのだと私は思っている。だからなおさら、何もしない日本政府を、あきれて見ている。
 あと、これは邪推である。世界的な高騰をいいことに、小麦の価格上昇を抑える策を取らず、コメ消費増加を期待する農水族が糸を引いているとしたら。麦が高けりゃ、米を食え。本当にありそうで嫌だな。どう舵取りする気なの? 農水相殿。
                                     (仲)

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2008年2月 8日 (金)

JTの脇の甘さ  ~ゆうてもええかな~

 中国製造冷凍餃子の農薬混入事件は、やはり、混迷の度を深めている。先週の本欄でも触れたが、原因物質が分かっても、混入経路が分からない。
 いずれにしても、中国側は、身の潔白を主張して食の安全を世界にアピールするだろうが、取り扱いの難しい事件で、長期化させてうやむやにすることができない。日本では中国製造品の買い控えが出始めているし、韓国や香港でも中国品の販売に影響が出ていると聞く。明確な結論を出して解決しないと、不安は解消しない。中国の責任で無ければそれで良し、最悪でも反日感情からの犯行とすれば、少なくとも日本以外は安全だ。シナリオを描いて事件を終結させる方向を模索しているかも知れない。
 さて、日本側の対応は、中国に比べて鈍い。調査捜査も中国の後手に回っているし、厚労省もようやく、冷凍食品の検疫所での検査実施の方針を出した。
 ここへ来て、報道の矛先が、JTに向けられるようになった。半年以上前から、意趣がするとか、薬品臭い味がするといった苦情が数件寄せられていたのに、そのとき手を打てば、一時重体という重篤な被害者を出さずに済んだのではないか、といった論調である。
 内心では、JTに同情する。異物の付着・混入は、サンプル量が少ないと、分析しても成分の特定は困難である。化学物質は百万種とも二百万種とも言われている。そのうちのどれかと特定するには、分析を重ねて特徴を探り出さねばならない。メタミドホスだと分かったのは、重篤な中毒症状が有機リン酸系農薬の特徴に酷似していたから、焦点を絞って特定できたのだろう。
 難しいことを知りつつ、あえて言う。苦情に対して、少数だから、優良企業が作った冷凍食品だから、異物の特定ができないから、という理由で個々の対応に留まり、原因の本質を突き詰める姿勢が無かったのではないか。その脇の甘さが、今期の冷凍食品部門赤字転落や、日清・加ト吉との合併話の白紙撤回につながった。苦情は改善の好機であり、苦情の横展開は重大災害防止の常識でもある。製造業に勤める者として、自戒を込めて言う。苦情処理を怠る事なかれ。問題発生で失った信頼の回復は、もっと労力がいるから。
                                     (仲)

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2008年2月 1日 (金)

餃子中毒と中国の対応  ~ゆうてもええかな~

 30日水曜日、ここ、GAJIN別館のアクセス数がとんでもなく跳ね上がった。最もアクセスが多かったページが、昨年6月にアップしたページ。当時社名は書かなかったが、ミートホープ社の牛肉偽装問題に触れ、加工業者が店舗に卸した商品の自主回収に至った、その加工業者に、JTフーズと加ト吉が含まれていた。この単語を検索エンジンが拾ったため、アクセスされた方が多かったようだ。おそらくはJTフーズと加ト吉に重大な過失は無いだろう。二度も自主回収に追い込まれるとは、不憫な話である。ちなみに、このアクセス増加状況は、まだ続いている。
 冷凍餃子を食べて、一時意識不明になる被害者もいたわけだから、食品毒物混入事件としては深刻な事態と言っていい。しかも、ここで被害がすべて出きったか、餃子以外に問題はないか、製造した中国の業者に本当に問題があったのか、他の業者は問題ないのか、まだ事件が表面化した段階だから、何とも言えない。さらに広がるか、ここで落ち着くのか、業者の責任にあるかないか、ここで論じるには材料が乏しすぎる。だから、今回の事件に関する見解は、今の時点では差し控える。
 今回の騒動で私が注目したのは、中国の対応の速さである。日本で中国製の商品の毒物混入に関する記者会見があった明くる日、もう、中国当局の反応が入った。調査内容を伝え、健康被害に遭った方の快復を祈る、といった内容で、事態の収拾を図る態勢を取った。
 中国国内では、大きく報道されていないようだが、対外的には、早期解決を発信し、中国製加工食品の回収に批判的な論調は出てきていない。何よりも食の安全をアピールすることが最優先なのだろう。北京オリンピックが終わるまで、健康被害の発生は絶対に避けたいところだ。もしオリンピックまでに問題が発生したら、全世界から注目を浴び、世界の工場と言われる中国の信用が崩壊しかねない。
 近隣国として、無関心ではいられない。今後の展開に注目したい。
                                    (仲)

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