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2006年5月 5日 (金)

手遅れだよ  ~ゆうてもええかな~

 阪神電鉄株をめぐる一連の動きで、村上ファンド側が突きつけた株主提案、即ち取締役9名の推薦と株主総会での決議を求めたことで、阪神が揺れている。
 事実上、経営権を村上氏が握ることになりかねない提案で、村上ファンドが持つ株式が42%であることから、このまま行けば、村上氏側の要求が成立することになるだろう。だから阪神側は、経営権の簒奪とは理不尽だ、と騒いでいるのだが、何をかいわんや。最初に村上ファンドが乗り出してきてから、もう半年以上も経っている。そのあいだに有効な防衛策を取れなかったのだから、このご時世、あまり同情はできない。
 それに、実際に村上ファンド側の提案を見ると、村上氏と、ファンド関連取締役7名、現阪神社外取締役1名のという構成になっている。一見して、鉄道事業をどうにかしようという面々とは思えない。梅田界隈の不動産の活用や不採算事業の整理などで、阪神の株価を上げて売り抜けようという目論見は見えるが、阪神の経営を乗っ取る気があるとは思いがたい。もしそんなことをすると、村上ファンドが単なるファンドではなく、経営益までしゃぶりつくすダーティーなイメージで見られてしまう。そうなると、出資側に気後れが出てしまい、ファンドへの出資額が減ることも予想される。これは村上氏に取って不利だ。
 村上ファンド側にも、誤算があったと思う。株の買い増しを進めるあいだに、阪神側がこうも無策で、いよいよとなって阪急に泣き付く事態になるとは思わなかったろう。阪神からの対抗策が出て、株価が上がったところで売り、となるはずが、1000円あたりで上げ止まり、どこからも支援の手は伸びず、阪急とて買値は800円となれば、売るだけ損。株価をつり上げる、最後の手段の株主提案だったのではないか。
 村上氏側も動きが取れなくて困っているはず。この半年間、阪神へ投入した金は塩漬けのまま、ファンドの出資者に分配する利益が出せないし、さらに長引けば、関西の阪神びいき(タイガースファンを含む)の心証を悪くして、世論を敵に回してしまうことになる。
 いずれにせよ、阪神側としては、打つ手無し。何をやっても手遅れだろう。不動産などの資産で借金して、1200円くらいで買い戻すくらいのことでもしないと、どちらも引けないだろう。今までの無策のツケということで、それくらいは損をかぶるのはやむを得ないだろう。
                                       (仲)

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