2019年7月13日 (土)

無事帰って来いはやぶさ2      ~ゆうてもええかな~

 宇宙航空研究開発機構JAXAは11日午前、探査機はやぶさ2が小惑星りゅうぐうの表面に2回目の着陸を果たし、世界初となる地下の岩石破片の採取にも成功したとみられると発表した。2月に1回目の着陸に成功して表面の岩石採取しており、今度は人工クレーターを作り、地下岩石が露わになったところに着陸し、岩石片を採取できたと見られる。
 現在、はやぶさ2はりゅうぐうの上空20キロメートルの位置に戻って観測を続けており、機器類は正常に動いている。順調にいけば11月から12月にりゅうぐうを離れ、地球に戻る軌道に入る予定で、来年末、地球の上空に到達して採取したサンプルが入ったカプセルをオーストラリアに投下させたいとしている。
 初代はやぶさはトラブルに見舞われ、奇跡的に地球に戻ってきた。その後継機のはやぶさ2は、機器装置本体に影響を与えるトラブルがなく、無事に計算したとおりのミッションをこなしていて、現時点でも地球の管制下で活動している。綿密な計算とシミュレーションの技術が向上しているとはいえ、ミッションを着々とこなすこと自体が奇跡的である。
 ここまでくれば、本来のミッションである、サンプルを地球に持ち帰るところまで完遂して欲しい。採取したサンプルは、計画通りだと、地球上の生命がどうやって生まれたのかを探る手がかりになると考えられている。
 地球上には、生物がいる。生物が生まれるためには、水と有機物が必要だ。それがどうやってできたのかを解明するため、はやぶさ2は、太陽系ができた初期の状態を保っているりゅうぐうからサンプルを持ち帰って分析することを主要なミッションとしている。鉱物と水と有機物がどのような状態で原始太陽系で存在していたか、分かるかも知れない。
 なにはともあれ、サンプルを持ち帰るところまでがミッションである。幸い機体に異常は見られないから、そのまま無事帰ってくれば、他の天体の観測に使うことも可能だ。無事に帰ってこい。

                            (仲)

2019年7月 6日 (土)

対韓国輸出対応は規制か管理強化か      ~ゆうてもええかな~

 経済産業省は1日、韓国向け3品目の輸出管理規制の運用を見直すと発表した。半導体製造用のレジストとフッ化水素、液晶ディスプレイに用いるフッ化ポリイミドについて、従来の包括許可から個別許可申請に切り替え、輸出毎の審査を行うとし、4日施行された。この発表を受けて韓国当局など各方面で大騒ぎとなった。
 韓国政府は経済報復だと断定して、対抗処置に入っている。日本での報道では、規制強化だとか、元徴用工問題の対抗処置が始まったという論調が多いが、包括許可という優遇処置が外れただけで規制ではないというコメントもある。現状を整理しよう。
 今回は日本が輸出貿易管理令の見直しを行った。実際は複雑だが、大雑把に言うと、武器、兵器、関連品の製造に適用可能な品目の輸出、技術の提供をする場合、経産大臣の許可が必要である。これは輸出するたびに毎回許可を得なければならない。ただし、国際的協定に加盟していて、武器兵器への転用や流出の怖れがない国に輸出する場合、輸出毎ではなく3年間の包括許可を認める。韓国向けの3品目は4日から包括許可から外し、個別に輸出許可申請を出すことを求めた。手間と時間が余計にかかるので、実質的な規制強化と言える。
 日本政府は、包括許可対象の全ての品目と技術も個別許可に切り替える手続きに入った。いわゆるホワイト国からの除外である。日本の主張では、韓国との信頼関係が損なわれ、また関連する輸出管理をめぐり不適切な事案が発生したためだとしているが、具体的な内容は公表していない。従って経済面での制裁目的か、韓国向けの輸出品管理体制を疑っているのか、定かではない。ただ、輸出品管理の日韓対話が充分なら、ホワイト国外しにはならなかっただろう。交流不足は明らか。
 日本はこのカードを切り、韓国内では市民の日本製品不買運動が広がっている。反日の世論が強まると、韓国政府は日本に強硬な対応をするしかなくて、当面は後戻りできない報復合戦に入ったと言わざるを得ない。WTOなり国際機関か第三国が中に入るしかないかも知れない。

                         (仲)

2019年6月29日 (土)

さあ、参院選へ      ~ゆうてもええかな~

 G20首脳会議は、とにもかくにも終わった。実際の世界経済に関する討議内容は、米中の二国間協議の行方が左右するほどのインパクトがあるため、首脳宣言を採択して閉じたことで、ひとまず紛糾は避けられた形だ。
 29日午後、その米中首脳会談が行われ、詳細はまだ伝わってきていないが、通商協議を継続することで合意し、追加の制裁関税措置には至らなかったようだ。懸案は多々あるが、貿易赤字削減を優先したものと思われる。
 議長役をこなし、各国首脳との会談も予定通り行った安倍首相。これを政府の成果として、来週公示される参議院議員選挙に突入する。
 閣議で7月4日公示、21日投票と決まっている。最後までやきもきした衆院解散はこのタイミングでは行われず、参議院単独での通常選挙となった。
 争点となりそうなところは、自民党は憲法改正を重要課題としたいところだが、経済が身近な問題になるだろう。10月に消費税増税を控え、景気が腰折れしないように下支えされているかどうか。この時点で、消費税増税は規定通りの方針だが、反対する野党との論戦はかみ合うか。
 経済面での懸念は、日米通商協議にもある。具体的なことは口にしていないが、トランプ大統領が日米安保が不公平だと言い出しているのは、取引材料にする意図だろう。このあたりになると経済のみならず外交問題も絡む。安倍外交は成果と見る人、評価しない人に分かれる。
 急浮上しているのが、年金制度に関する問題だ。国民年金と厚生年金だけで生活できないことは分かっていたが、30年間で2000万円の蓄えが必要と記載した報告を出したあたりから、政府与党に逆風が吹き始めた。
 安倍首相は、与党で改選の過半数を勝敗ラインとしているが、本音は改憲勢力で憲法改正発議に足りる3分の2の議席数確保が狙い。さて、公示されたら、選挙公報を読んでみようか。

                            (仲)

2019年6月22日 (土)

G20サミット前の中朝会談      ~ゆうてもええかな~

 28・29日の二日間にわたって、大阪でG20サミットが開かれる。主要20カ国と招待国の首脳、国際機関が一堂に会して、主に経済的課題について話し合う。2008年から毎年行われ、日本で開催されるのは初めてである。
 今回のサミットは、全体会合ではとりまとめが難しい情勢となっている。貿易面で保護主義による貿易摩擦が取り上げられるのだろうが、各国の思惑があって、強いメッセージを出せるか危惧されている。
 ただ、全体より、米中首脳会談の方が注目を集めそうだ。通商摩擦の米中間の関税報復からファーウェイ規制へと重心が移り、先端技術の主導権争いと化している。中断していた通商協議を再開させた上での会談で、また、南シナ海での海洋進出、直近では香港での大規模デモと、対立点があり、会談でどういった合意ができるのか。
 中国の習近平国家主席は20日、北朝鮮を訪問し、首脳会談に臨んだ。習主席にとっては初めての訪朝で、G20サミットで訪日する前の週に、一泊二日で出向いた。突然決まった感じが否めなくて、このタイミングで訪朝する意図は、おそらく、トランプ大統領に対して北朝鮮の非核化問題というカードを切ったのではないか。
 トランプ大統領は、北朝鮮との非核化交渉を進めたい意向を持っているとみられている。一方、北朝鮮の金正恩委員長は、経済制裁解除が欲しい。でも一気に核を廃棄する考えはなくて、段階的に、施設の廃棄などの進捗に応じて、少しでもいいから制裁を解除して欲しい。そこで、習主席が北朝鮮に乗り込んだ。中朝の関係を見せることは、トランプ大統領に対しての交渉カードになり得る。米朝がうまくいかないなら、中国側に取り込むこともありうる。
 米中ともに、大国だけに交渉カードはまだあるだろうが、全面対決は両者ともダメージが大きい。G20首脳外交で最も重要な会談になりそうだ。

                            (仲)

 

2019年6月15日 (土)

年金問題化した金融審議会報告書      ~ゆうてもええかな~

 金融庁は3日、金融審議会の市場ワーキング・グループがまとめた『高齢社会における資産形成・管理』という報告書を公表した。報告書の現状整理、収入と支出の状況の項目に『高齢夫婦無職世帯の平均的な姿で見ると、毎月の赤字額は約5万円となっている』と書かれており、夫65歳以上、妻60歳以上の平均的姿で5.5万円程度収入が足りず、30年後には約2000万円、としている。これに多くの人が驚いた。老後の生活で2000万円足りない、と読み取ったからである。
 大騒ぎになった後、11日になって、麻生金融相がこれを報告書として受け取らないと決め、報告書の内容は政府のスタンスとも異なるとして幕引きを図ろうとしたが、すでに老後2000万円の蓄えが必要という情報が浸透して、野党の攻勢が激しさを増した。
 この報告書をまとめたのは金融庁で、金融庁の立場として資産形成と管理について報告したかった。毎月5万円不足としたがあくまで平均であって、個々人のライフスタイルによって必要額が違うから、個々で資産形成を考えてください、若いうちから考えて、金融機関側も顧客本位でサービスして欲しい、ということを言っている。ただ、老後の収入が年金だけでは赤字と強調した数字に、国民は驚いた。それまで少子高齢化で年金だけでは不安だと、多くの人が漠然と思っていたことを、数字でバンと出してしまった。専門家は知っていた数字なのだろうが。
 現役世代にNISAなど金融商品を勧めて金融機関の活用を促すはずが、年金問題と化したかのような大騒ぎ。たぶん金融庁としては、毎月5万円差という数字を世間が知らなかったことが誤算だったろう。年金制度は複雑で、一般の人と専門家との間の知識レベルに開きが大きい。そこを説明するのが政府、政治家の役割なのだが、今回は説明できなかったようだ。
 確実なのは、年金だけで生活できる人はごく少数で、退職金とか貯蓄を切り崩すしかないのが現状。金額の差は個人個人で異なるが、年金制度改正時には政府に説明を求めたい。

                          (仲)

2019年6月 8日 (土)

高齢者ドライバー事故の防止策は      ~ゆうてもええかな~

 自動車部品の規格は、家電製品などに比べて格段に厳しく設定されている。使用環境が夏の暑い時期から冬の凍結の時期まで大きな幅があり、走らせるから、駆動による振動、衝撃、加速減速に横方向の遠心力の負荷に耐えねばならない。そして、部品によっては、故障は人の生死に直接関与する。それでも100%安全などあり得ないから、車検など安全性を高める制度ができている。
 ここ最近、高齢者ドライバーによる事故のニュースが続いている。数年前までは、ブレーキとアクセルの踏み間違いで、駐車スペースから飛び出す例があった。そういう形ではなく、道路を走行中に周囲の自動車や歩行者と接触して重大な事故に至るケースが重なった。
 ただ、高齢者ドライバーの事故だけをセンセーショナルに報道するのは違和感がある。高齢者以外でも注意不足や悪質な運転での事故はあるから、全体として増加傾向にあるか、発生状況の傾向に変化があるか、検証する報道はないものか。
 最近の自動車では、衝突回避支援のシステムを組み込んでいる。メーカー、車種によって程度の差があって、残念ながら今のところ完全に回避できるところまでいかない。自動運転はまだ先の話で、事故発生の確率を下げる程度。
 自動車に求められないなら、運用で回避可能か考えてみる。速度リミッター導入も一つの策だが、道路事情がそれを許せるか。低速車を許容できる社会だろうか。
 免許返納。免許更新の条件を厳しくすることは理屈では可能だけど、代替の交通手段がある地域無い地域で同じ運用ができるか。都市部以外での移動手段の確保を自治体任せにすると負担が大きい。そう考えると、運用面でも良策は出そうにない。
 そもそも、人の手助けをするのに、人に勝るシステムは今のところ無い。自動運転営業の新交通システムで逆走事故が起きたのを見て、一般道を走る自動車の自動運転はまだまだ先だと思う。せめて、遠隔操作で循環するシステムができれば、打開策になりそうだが、もう少し先の話だ。

                             (仲)

 

2019年6月 1日 (土)

物価も関税も上がる      ~ゆうてもええかな~

 今回は二つの話を並べてみる。ただ、経済状況という観点でくくれば、つながっていると思う。
 6月に入っても、商品やサービスの値上げが相次いだ。カップ麺などのインスタント麺、飲料、アイスクリーム、ポテトチップス、食用油、映画料金や運賃等々。3月頃から食料品を中心とした値上げが顕著になっているほか、トイレットペーパーなどの底値が上がっている。
 全般的に、原材料と梱包資材、人件費物流費の高騰が背景にある。人手不足は深刻で、業種を問わず今後の大きな問題であって、消費者はただ困るばかり。文句のつけようがないから、節約しようか、という動きになっている。10月の消費税増税後は値上げしづらくなるからこのタイミングで、という心理もあるかもしれない。
 ここまでは家計の支出。収入の方で影響がある世界経済は、米中貿易摩擦が、中国側の報復関税が始まって、出口がいっそう見えづらくなった。アメリカはファーウェイ規制、中国はレアアースの輸出規制をちらつかせての応戦と、貿易額だけでなく電子機器戦争と化している。6月のG20サミット時に米中首脳会談が予定されていて、世界が見守っているところへ、先月30日、メキシコに対して5%の制裁関税を課すと発表した。不法移民対策の遅れに対する制裁と主張している。メキシコにはアメリカ向けの自動車関連企業があって、その全てに影響が出る。市場は敏感に反応して、株安の展開となった。
 日本も傍観者ではない。世界経済の減速の影響だけでなく、直接的に、日米交渉が待っている。安倍首相はトランプ大統領を4日かけて接待したが、通商交渉は参院選後に、と、宿題を置いて帰った。農産物、自動車関連がメインになるだろう。米中のIT関連のような案件はないと思うが、厳しい交渉になるはず。
 アメリカは好景気で、だから短期的には強気の交渉ができる。インフレ懸念はあるが、大統領は来年の大統領選挙目指して強気の経営手腕で運営するだろう。持ちこたえられるか、世界経済。

                            (仲)

2019年5月25日 (土)

トランプ大統領が来た      ~ゆうてもええかな~

 トランプ大統領が国賓として25日来日した。日米首脳会談の他、ゴルフなどの歓迎行事で日米首脳の緊密な関係をアピールすることになる。
 また、海上自衛隊横須賀基地で、護衛艦に乗船。日米同盟の関係強化を示す狙いがある。
 日米首脳会談の内容は、大まかに2点が重要議題になりそうだ。まずは通商問題。自動車や農産物の関税を引き下げるのか、その他の品目で輸入量増加を要求するのか。米中貿易摩擦が終息する目途が立たないため、トランプ大統領は国内向けにアピールできる成果を欲している。安倍首相との親密度と関係なく、4月の首脳会談後の状況確認も含めた会談となるだろうが、実質の進展は無く、合意は難しい。安倍首相としては、ここは要求を簡単にのむわけにいかず、合意に至らずとも良いと考えているのだろう。
 もう一つは、北朝鮮非核化。日米での連携を確認することが主目的になるか。トランプ大統領側は金正恩委員長との交渉の余地を残しており、先の短距離ミサイル発射で身構える日本側と若干の温度差があるなら、そのすりあわせをしたいところだ。安倍首相としては拉致問題解決にトランプ大統領の言質を取りたい考えで、拉致被害者家族との面会をセッティングした。日本の立場とアメリカのスタンスを内外に示したい考えだ。
 直近の話題は、米中貿易摩擦関係とファーウェイを念頭に置いた禁輸措置、日米韓三カ国の連携関連など、議題はありそうだが、会談時間は限られており、深い議論はできないだろうし、安倍首相はそれよりトランプ大統領との関係を国内外に発信することが狙いで、そのためのもてなしに大きく時間を割いている。トランプ大統領もそのあたり承知で、大がかりな接待を受けに来るつもりではないか。
 来月、G20サミット出席のため、再度来日する。その際トランプ大統領はアジア歴訪で調整中で、そこでは実務モードに入るはずである。

                           (仲)

2019年5月18日 (土)

廃プラスチックの焼却要請      ~ゆうてもええかな~

 環境省は16日、家庭ごみの処理を担う市区町村に対し、企業などから出る産業廃棄物のプラスチックごみも受け入れるよう求める検討に入った。近々要請を行う。
 廃プラスチックは、家庭から出す場合、資源ゴミとしてリサイクルする目的で分別収集されているケースが多い。事業所から出す産業廃棄物でも、資源としてリサイクルすることを推奨されているが、実際は国内でリサイクルして利用する割合は1割程度で、2割程度が資源として海外に輸出。一番多いのは圧縮成形して発電所や製鉄所で燃料として使う用途で、サーマルリサイクルとかエネルギーリカバリーと言われる。これが、5割程度か。残りは焼却か埋め立て。
 海外向けの輸出は、あくまでゴミではなく、資源として有用な物を選別して輸出する。ただ、2017年末に中国が全面輸入禁止として、輸出できなくなった分の処理が溜まって問題化していた。また、今月、有害物を含む廃棄物の国境を越えた移動を規制するバーゼル条約の締結国会議があり、汚れたプラスチックごみを新たに規制対象に加える改正案を採択した。汚れたプラスチックごみとは、飲み残しや食べ残しなど汚れを洗浄せず付着したままのプラスチック、選別されず他のゴミが混じったものなど。これらは再利用することが難しく、2021年の発効後、輸出する場合は輸入国の同意が義務づけられる。実質的に輸出は困難になるとみられ、国内で処理することが前提となってくる。
 リサイクル施設やシステム、技術がまだ整っていない現状で、環境省は自治体に、企業の廃プラスチックの受け入れをお願いしたいとしている。ただ、受け入れ側の自治体は、分別収集で余力が生じているゴミ処理施設に追加の処分をすることになり、周辺住民の反対も予想され、自治体毎に対応が分かれる可能性がある。
 ストローやレジ袋などプラスチック製品を使わないようにしようとする環境保護の意識が高まる中、過渡期にある現状での要請だが、自治体が応じるかどうか、難しい判断になる。

                              (仲)

 

2019年5月11日 (土)

米の対中関税引き上げの行方      ~ゆうてもええかな~

 日本は10連休で、平成から令和へ代替わりを迎えた。その間、日本を取り巻く国々、米中韓朝で様々な動きがあった。全部取り上げるのは大変だから、米中貿易摩擦関係に絞る。北朝鮮のミサイル発射は、様子見の感があり、次の北朝鮮の行動次第。日韓関係はこじれてしまって、6月のG20で首脳会談ができるところまで修復できるかどうか。
 米は10日、2千億ドル分の中国製品に対する制裁関税を現在の10%から25%に引き上げた。米中高官級協議が9日10日に行われており、その協議の結果を待たず発動した。また、現在対象外の3千億ドル分についても、追加関税実施の検討に入った。
 一時、世界の市場で世界経済減速の懸念で株安となったが、米中高官級協議が決裂ではなく継続協議となったことで、ミューヨーク市場は若干値を戻した。ただ、中国の報復措置がまだ出てきていないため、市場は注目している。
 トランプ大統領としては、主に知的財産保護や技術流出の観点から、交渉を続けるだけでは政権批判にさらされるが、報復で中国の輸入関税が引き上げられれば、農産品を含む輸出がダメージを受ける。諸刃の剣だが、中国の方はさらに厳しい。今回の25%引き上げ対象は家具や家電などが含まれており、中国産品の米国内の価格上昇に直結する。製造業が中国から他の地域に工場を移転することになれば、中国国内の景気減速につながる。
 日本企業も、大きな市場である米中で追加関税の応酬が続けば、調達先としての中国依存が経営リスクになりかねず、設備投資が鈍る怖れがある。昨年来、スマートフォン関連で中国向けの検査機器などの輸出が落ち込んだ。それが家電領域まで広がると、影響は小さくない。
 日本は、10月に消費税増税を控えている。再々延期は選択肢として残っていて、市場動向と、衆院解散判断込みで、首相が決断することになる。トランプ大統領と首相が会談を繰り返すのは当然だが、リスクもある。日米の通商交渉で要求が強まる懸念があり、対応が難しいところだ。

                             (仲)

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